私が欲しかった地図帳を見つけた。
10年ほど前に購入したそうだが、
たぶん私の記憶ではセットで
3万円ぐらいしていたと思う。
その後、秘密のケンミンSHOWで、
北海道は四国の4倍の面積が
あるんだと言っていてとても驚いた。
ちなみに道東から札幌までの距離は
東京から大阪までと同じだそうだ。
道外の人達が一泊二日ぐらいで
北海道旅行をするとしたら、
どこを回るかという質問に
札幌、旭川、知床と答えていて、
それは無理だと番組の中の
道民が笑っていた。
地図を見ながら、
想像で様々な県の旅行をして遊んだ。
車とフェリー、または飛行機。
移動手段を考えながら、
例えば3泊ぐらいで、
どれぐらいの観光地を回れるかを
シュミレーションする。
それから、Googleナビを使って
実際の時間配分の計算をすると
ひとつの県の大きさが
とても狭いことに驚く。
だいたいひとつの県の
端から端までで、
本当に北海道の四分の一ぐらいの
大きさだった。
地図帳には世界遺産をはじめとする
それぞれの地方の
有名な観光地の写真も載っていた。
歴史のある寺院、
古い街並み。
けれども心惹かれるのは、
海岸線の風景や山や鍾乳洞などの
自然の景色だった。
海外旅行をしたこともなく、
本州には数えるほどしか
行ったことがない。
でも移動中の
新幹線や電車やバスの車窓から見える
街並みの一部の大きな看板や
木々の種類、咲いている花は、
物珍くて、釘付けになる。
自分の住んでいる街や自然とは
違うところを見つけることが
とても面白かった。
生きていくことに
たったひとつだけ
絶対に必要なことは何?と
聞かれたら、
私は好奇心と答える。
自分の知らないことを知りたい。
見たことのないものを見たい。
今の自分にはないものを
肌や心で感じる。
そのことで、
自分が何かを得たことよりも、
感情が刺激されたことの方が
大事だった。
少しだけ都会の裏通りを散策するのが
好きだ。
ひと昔前には賑わっていたのだけど、
今では一斉に
寂れてしまっているような場所。
ひび割れたコンクリートの壁に
錆びたトタン屋根。
煤けた暖簾に
ひとつだけ文字が落ちた看板。
駅前のシャッター通りよりも、
もっと寂しい駅裏通り。
その一角にある小さなスーパーに
立ち寄る。
野菜や魚やお肉がびっくりするほど
安い。
100円の値札のついた
いちごのパック。
持ち上げるまでもなく、
そのいくつかが堂々とカビていた。
店員さんがバックヤードではなく、
野菜売り場の狭い通りで
ネギの皮を剥いて
テープでまとめている。
地元の豆腐屋さんの
豆腐と油揚げが
10円から50円の価格で大量に
冷蔵コーナーを占領していた。
作り過ぎてしまって、行き場がなく、
このスーパーに引き取られたのだろうか。
洞窟を探検するみたいに
スーパーを探検した。
安いからといって、
それがいいものなのかを
おまえは見極められるか!?
私は今、
スーパーに挑まれているのだ。
旅行はいつでもどこでも
きっとできる。
遠くて、有名で、珍しい場所に
行くばかりが旅行じゃない。
自分の中にある好奇心を
どう満たしていくのかを
探すことが旅行なのだ。
