自分の気持ちに正直でいるしかない | 想像と創造の毎日

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自分で撮影しております。

「土曜日、彼女が遊びにくるから。」

私は、忘れていたんです。
そういえば、息子には彼女がいたことを。
最近私が遊んでばかりいるので、息子の彼女のことなんて考えもしなかった。学校は離れているし、お互いに部活で忙しいので、会う暇もないだろうから、特に何の心配もしていなかったのです。
そして、また家が荒れてきたのです。
息子の部屋も当然、ペットボトルが散乱し、ホコリが舞っています。
お互いにまずは家を隅々まで掃除しないと!と言うと、
「普段のままでいいんじゃない?
    オレの部屋はさすがに汚過ぎるから、掃除するけど、他はいいよ。
    なんで今さらカッコつけんの?
    気を使われるとやなんだよな。」



「あ!ママね!その日、出かけるわ。
    アレだ。山!山登りに行くから!」

「はあ?別に家にいていいよ。
    だから、余計な気を使うなって。」

「気を使ってるわけじゃなくて、
   単にママが人見知りなだけ。」

息子は何を今さらと、怪訝な顔をしました。
でも私が息子に言いたいことは、こんなことじゃないんです。
若い男女がお付き合いをする上で、私が本気で心配することはたったひとつなのです。
私は勇気を振り絞って(いつもはふざけているので)、そのことを伝えました。

「真剣に聞いて欲しいことがある。
    彼女が遊びに来るのはいい。んで、自分が好きな子に好きになってもらえて、そしてその子と付き合えることは、生きてることでとても素晴らしいことのひとつだと思う。
    けどそうなると、お互いに心だけでなくて身体を繋げたくなると思うし、それは当たり前のことでもある。
    それにあたってなんですけど、するな。とは言わない。だけど、避妊はしっかりしなさい。
あんたが無理強いをするとは思わないけれど、男のそういう衝動は自分が思うよりも制御できないもんだ。最初からつける。…って、意味わかるか?というか、深い関係になりたいと思ったときはちゃんと恥ずかしがらずに彼女と話し合う。雰囲気も大事だけど、彼女を大事に思う気持ちを忘れないで欲しい。」

「大丈夫だよ。無理やりそういうことはしないし、しかもそういうこと、まだオレには早い。それにオレ、ヘタレだから、まだ手を出せないよ。」
息子は、恥ずかしそうにしていましたが、私の突拍子もないような話にそれでも自分なりに真剣に答えてくれたんだと思います。

こういうことを親が言うのは、過保護なのかもしれないし、自分自身が面倒に巻き込まれたくないという気持ちもないわけでもない。
だけどやっぱり、自分の考えや気持ちを言葉にすることを面倒くさがってはいけないと思うんです。

察することができるようになるには、私と息子には根本的な違いがある。
それは私が女で、息子が男であるということ。
もちろん、同じ人としての立場は同じだとしても、性別が違うということで娘に対する接し方とはまた違う理解の方法を用いらなくてはなりません。

違いを埋めるために言葉を使うのではなく、違いを認め合うために言葉を使う。
私は女である自分の考えや気持ちを息子に伝えなくてはならないような気がしました。それはこれから起こり得るだろう問題を回避させることではない。知らないことで負うかもしれない深い傷から息子を守ることであると思ったのです。

どこまで教えて、どこまで言わないでいるのか。
一歩間違うと、押し付けと誘導になってしまうこの饒舌さを私はいつもコントロールすることにエネルギーを使います。

それでも私は息子に伝えなければならない。
間違ってもいいし、怒られてもいいから、自分の本当の気持ちや考えを外に出していくことが大切なんだと。そのきっかけを私が作る。これからたくさんの理不尽さや矛盾に出会ったとしても、決して自暴自棄にならず、自分を軸にしていけること。
恋愛関係における相手の存在は、自分自身を正確に映し出す鏡だ。磨けば輝き、叩けば割れる。決してその向こう側に行くことのできない自分自身
をどうかずっと大切にして欲しい。いつかはすれ違うかもしれない若い恋にせつなさも感じるけれど、どうせ高校生同士の恋愛なんだからいつかは別れが来るのはしょうがない。と冷めた気持ちにはなりたくないのです。