熱血指導 | 想像と創造の毎日

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"ヤバい"

部活の遠征のために留守にしている息子が、このたったひと言をLINEで送って来たことに私はまた何をやらかしたんだよ…とめんどくさく思ってしまったことに罪悪感を抱く。

"どした?"
めんどくさい気持ちを悟られないように私もたったひと言だけ返した。
とある理由により、コーチに全員部活を辞めろ!と言われてしまったと。

私にしたら、たいしたこともない理由だと思ったし、子供たちにしても自分たちのしたことがこんなに大事に至る問題だとは認識していなかったのだろう。

文字のやり取りだけでは気が済まなかった息子は私との会話を求めて、電話に切りかえた。




おまえはどうしたいんだ?

部活を辞めたくない。

じゃあ、それを言えば?

だけど、同じことをした他の学校の生徒は、部活を辞めさせられたんだって。オレらもそうなる。
コーチは自分たちが頑張ってきたことをこのことで頑張ってないって思われるのが嫌だから、辞めるしかないって言うんだぜ?

んで?おまえはコーチの言ってることがおかしいってことを私に言いたいのか?

そうだよ。

どこが?

オレら…というか、オレは、頑張ってると周りに思われたくてやってるんじゃない。オレがやりたいからやってる。確かに今回やってしまったことは悪かったかもしれないけど、オレらだってここまでの大事になるとは知らなかったんだよ。しかも、オレたちだけじゃなくて、先輩まで辞めさせられるかもしれない。オレは、それが納得がいかない。

まあ、今日は急いで結論を出さなくてもいい。
コーチも感情的になってるだろうし、おまえ達が今、何かを言ったところで聞き入れる余裕はないかもな。
とりあえず、今私に言ったことを感情を整理しながら、自分の中でまとめておけよ。
自分たちの何が悪かったのか。
自分たちはこれからどうしたいのか。
コーチに言われたことに対して、自分がどう思ったのか。
あと!重要なのは、決してコーチを責める言い方はよせよ。
おまえ達がコーチにお世話になってきたことは事実なんだからな。
それらを踏まえ、自分の頭で今夜は戦略を練るんだ。
他人の考えをどうにかしようとするんじゃなく、自分が思うことだけをしっかりわかりやすく伝える方法を考えろ。
それで結果が最悪だとしても、私だけはおまえを責めない。だから、自分の思うようにやれ!誰の機嫌も伺わず、間違いを恐れるな!

わかった!

電話を切ってから、暑苦しくなった自分に多少、身震いをしました。

こんなことで、メソメソしやがって…
男のくせに情けねーな。とも思ったけど、息子は本来戦闘型ではない。幼少期に見に行った戦隊モノのショーでは、私が興奮しながら観覧している横で、敵がやられることがかわいそうで見てられないと目を背けていたぐらいだ。

それでも、自分の大事なものを自分の保身や自分より強いものの言いなりになることで、譲り渡す人間にはなって欲しくない。

私だけは息子の味方だ。
間違いも情けなさもすべて受け入れる。

私は、愛という差別的で理不尽な感情を持って、我が子の存在をただ肯定するだけの無力で愚かな母親なのだ。