少女漫画の月刊誌である"りぼん"の
愛読者であった私にとって、
昨日のさくらももこさんの逝去の
ニュースには少なからず
ショックを受けました。
最近は、あまりさくらさんの作品に
触れる機会がなかったのですが、
ちびまるこちゃんが連載されたときに
小学生だった私は、
初めて読んだとき、
その作風にひそりさんと同じく
異質なものを感じていました。
当時のりぼんは、少女マンガらしい
恋愛ものだけではなく、
お父さんは心配症という
ちびまるこちゃんどころではない
異質なギャグマンガが
もう一本連載されていて、
私はどちらも大好きでした。
どちらのキャラクターも
少女の憧れからは程遠く、
だからといって、
ただ笑えるというのには
少々毒があります。
子供向けの番組として、
現在も放送されていますが、
この作品は子供に見せたくない番組の
ランキングに登場しています。
一方でちびまるこちゃんは
青少年に見せたい番組の方に
ランキングされているようなのですが、
なぜなのだろうと私は不思議です。
ちびまるこちゃんは
サザエさんのようなほのぼのとした
作品ではなく(カツオはずる賢いがw)、
クレヨンしんちゃんと同じような
ブラックユーモア的な要素を
多分に含んでいると思うからです。
それはまるちゃんが、
なまけものの上にずる賢い性格で
それはお母さんに怒られたときは
いつもおじいちゃんに擦り寄る
様子からも垣間見えます。
ちびまるこちゃんの世界観は
かわいらしく、夢のような話では
ありません。
まるちゃんのお父さんは
お酒を飲んでダラダラしているし、
お母さんはいつも怒ってばかりです。
おねえちゃんは優等生で
まるちゃんは、いつも
比べられている。
さくらももこさんは
まるちゃんは自分自身だと
りぼんでの連載時に
おっしゃっておられましたが、
彼女は大人になって
就職したときには
居眠りばかりしていて、
職場をたった2ヶ月で辞めたそうです。
それでも大好きなマンガで
これだけの功績を上げると
だらしなさも調子の良さも
打ち消されるような世の中ですから、
真面目に(でもないが)
細々と生きている私にとっては
世の中というものは
理不尽なものだなあと
少しは感じるわけですが。
しかしながら、
さくらももこさんのことは
作品でしか知りえないわけで、
彼女が自分がいくら
自身をなまけものだと自虐しても
リアルで接したことが
ないわけですから、
彼女の密かな努力も苦悩の様子も
作品からは感じ取ることはできません。
というよりもむしろ、
そう感じさせないことが
プロなのだと思うのですが。
子供というものは、
自身を振り返っても思うのですが、
純真で無垢なものではありません。
むしろ正直で残酷です。
大人の言うことや
世の中を疑って、反発しながら
生きている子供の方が多いのだと
思いますし、
だからこそ、
ちびまるこちゃんや
クレヨンしんちゃんのように
子供の特権である
わがままさや無責任さを
全面に出したキャラクターが
子供たちには
ウケるのだとも思います。
大人が大人ぶっていることを
子供たちは見抜いている。
なので、自分の勝手で生んだくせに
自分に感謝するような
子供になれだなんて、
私には口が裂けても言えません。
さくらももこさんは、
自身の決してきらびやかだと
言えないような
子供時代を振り返りながら、
ありのままの自分をさらけ出すような
作品作りで
幼い頃のいい子で生きることに
不自由さを感じていた私に
こんなにわがままでだらしなくても
ちゃんと大人になれるんだよと
希望を持たせてくれたような
気もしています。
さくらももこさん、
そして2009年に亡くなられた
臼井儀人さんの
御冥福をお祈り申し上げます。