【道徳指導案】リオ金メダル「内村航平選手」のインタビュー | 小学校の先生~なるまで、なったあと~

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小学校の先生にとって、授業や話のネタはあればあるほどいいですよね。そんなネタは毎日、現在進行形で生まれています。

 

今回は、リオ オリンピック 体操男子 個人総合金メダルリスト「内村航平」選手のインタビューを教材にして道徳の時間に行うなら、ということにチャレンジしたいと思います。

 

対象は高学年(5年生・6年生)です。

 

道徳指導案はこちら↓

道徳指導案 「敬意を表す」  パスワード: sensei

 

※WORDファイルです。内容は修正・改善して自分のスタイルに作り変えて実践してみてください。

 

 

 

 

では、始めます。

 

みなさんは、何かで順位を競ったことがありますか?

 

(児童)サッカーの大会で優勝した。

(児童)野球の大会で3位だった。

(児童)運動会の徒競走で2位を取った。


1位や優勝した時にはどんな気持ちになりますか?

 

(児童)嬉しい!

 

では、逆に1位を目指していたのに、1位になれなかったときはどんな気持ちになりますか?

 

(児童)くやしい

 

夏休み中に、世界中のスポーツ選手が1位を目指して競い合った大会がありました。知っている人?

 

(児童)オリンピック!

 

その通り!夏休み中にオリンピックが開かれましたね。どこで行われていたか知ってますか?

 

(児童)リオ!

(児童)ブラジル!

 

そうですね。

そのブラジルのリオで、17日間、世界の様々な競技の選手が集まり、競い合いました。1位になるともらえるものは、知ってるよね?

 

(児童)金メダル

 

はい。その競技や種目で1位になると金メダル、2位になると銀メダル、3位になると銅メダルがもらえます。

 

リオ オリンピックでは、日本人もたくさん活躍し、いくつもメダルを取りました。

 

リオ オリンピックで日本人がいくつ金メダルを取ったか知っていますか?

ヒントは、その前のロンドンオリンピックでは、7個でした。

 

(児童)5個? 7個?

 

リオ オリンピックで日本人は、金メダルを12個取ることができました。銀メダル8個 銅メダル21個 も合わせると、日本人は41個もメダルを獲得したのです。すごいですね。

 

さて、日本人選手の中に、金メダルを2つ獲得した選手がいます。

 

知っていますか?

※わからない場合は、写真を見せる。

※肖像権の関係上、ブログに画像を載せることはしていません。学校等での教育活動においては、教育を目的としている場合には適応外になるようです。授業ではリオの表彰台の写真がおすすめです。一応URLだけ載せておきます↓

「絶対王者」が個人総合連覇、メダリストが内村をたたえる

 

(児童) 体操の内村!!

 

その通り!

内村選手は体操男子個人総合体操男子団体の2つで金メダルを取りました。

※(省略)個人総合、団体の違いをかんたんに説明する。

 

ちなみに、内村選手は、個人総合では2大会連続の金メダルを取りましたが、世界選手権という別の世界大会では6連覇を成し遂げてます。まさに、世界一の選手ですね。

 

 

さて、個人総合で、その内村選手と金メダルを最後まで争った選手がいます。

 

それは、ウクライナの「オレグ・ペルニャエフ選手」でした。

※写真を見せる。

 

6種目ある中で、5種目の演技を終えた時点でトップだったのは内村選手ではなく、ベルニャエフ選手だったのです。

 

しかし、最後の演技、鉄棒で内村選手が逆転して金メダルを取り、ベルニャエフ選手は銀メダルとなりました。

 

 

内村選手の得点は92.365 

ベルニャエフ選手は92.266

 

その差は、たったの0.099点でした。

 

 

では、ワークシートを配ります。

 

金メダルを取った時の内村選手は、どんな気持ちだったでしょうか。

 

また、銀メダルとなったベルニャエフ選手はどんな気持ちだったでしょうか。

 

それぞれの選手のになった気持ちで、インタビューに答えてみましょう。

 

※まずは、考え、想像し、ワークシートに書く時間を与える。

 

では、グループになり、互いにインタビューしあってみましょう。最初は、内村選手、全員が終わったら、ベルニャエフ選手になってインタビューに答えてみましょう。インタビューする人は、各グループで決めて行います。

 

他の人のインタビューを聞いて、自分で気づかなかった答えや気持ちがあったら、ワークシートに書き足しましょう。

・ 

では、書き足している人もいますが、そこまでにしましょう。

 

何人かに発表してもらいます。

・先生がインタビュー

・児童が選手

 

今の気持ちを教えてください。

 

(児童)金メダルを取れて、とても嬉しいです。

(児童)うまく演技ができて、嬉しいです。

(児童)応援してくれた人に感謝したいです。

 

(児童)もう少しで金メダルだったので、悔しいです。

(児童)メダルを取れて嬉しいです。

(児童)もっと練習して、次は金メダルを取りたいです。

 

 

内村選手は喜び、ベルニャエフ選手は悔しかった という意見が多いですね。

 

実際にはどうだったのでしょう。金メダルを取った直後の内村選手は、インタビューでこう言っています。

 

「疲れ切りました。何も出ないぐらい出し切って、金メダルを取れました。幸せです。これだけいい演技ができて、一番いいメダルが取れたので、本当に一番幸せ者だと思います。」

 

 

全てを出し切って、幸せだった内村選手。みなさんが想像して答えた内容と同じ、喜び・嬉しさでいっぱいだったのでしょう。

 

この後、表彰式が終わって1~3位のメダリストが同じ場所でインタビューを受けました。その時に、ある記者がこんな質問を内村選手にしました。

 

「あなたは、審判からかなり好かれていたのではないですか?」

 

 

つまり、最後の種目で高得点を出して逆転できたのは、審判にひいきされていたからではないのか、と内村選手は聞かれたのです。

 

さて、内村選手はこの時、どんな気持ちだったのでしょう。自分だったら、その質問にどう答えるかを考えてみましょう。

・ワークシートに書かせる。

では、そこまで。

何人かに発表してもらいましょう。

※時間があれば、グループ活動も有効。

 

あなたは、審判からかなり好かれていたのではないですか?

(児童)そんなことはないです。自分の実力です。

(児童)なんて質問するんだ!!

(児童)そんな質問には答えたくない。

 

 

嫌な気持ち、怒り が多いですね。実際に内村選手は、

 

「全くそんなことは思わない。どんな選手にも公平にジャッジしてもらっていると思う」

 

と冷静に答えています。でも、みんなが感じたように、心の中では嫌な気持ちや怒りがあったかもしれませんね。

 

さて、あまり気持ちの良くない質問に内村選手が答えた後、ある人物が口を開きました。

 

それは、銀メダルのベルニャエフ選手です。

 

ベルニャエフ選手は、言いたいことがあって、自分から発言しました。

 

さて、ベルニャエフ選手は記者の質問について何と答えたのでしょうか。何か思いついた人いますか?

※逆転されたこと、0.099点差だったことを確認してもよい。

 

(児童)たしかに、記者の言う通り、ひいきがあったのかもしれない。

(児童)銀メダルで悔しいけど、しょうがない。

(児童)私も、審判にひいきがあったとは思わない。

 

ベルニャエフ選手は、その場で記者の質問を否定するようにこう言いました。

 

「誰でも個人的な感情は持っているけど、スコアをつけることの公正さは、みんなが知っている。さっきの質問は全く意味がない」

 

 

この時のベルニャエフ選手は少し怒っているように見えたそうです。ベルニャエフ選手は、なぜ自分からこんなことを言ったのでしょう。ベルニャエフ選手の気持ちを想像して、ワークシートに書きましょう。

(児童)記者の質問にむかついたから

(児童)内村選手を助けたかったから

 

 

では、内村選手は、ベルニャエフ選手の言葉を聞いて、どんな気持ちだったでしょう。(挙手)

 

(児童)嬉しい。

(児童)ありがとう。

(児童)驚いた。

 

別の場面で、ベルニャエフ選手はこんなことも言っていたようです。

 

コウヘイをハラハラさせるなんて全然予想していなかったから、僕はとても幸せなんだ。このスポーツには、弱い選手なんか誰もいない。(内村航平という)伝説の男と、僕らが戦ったという事実があるだけさ。これは、世界最高にクールなことだと思う。僕らは一緒に、この素晴らしいショーをやり遂げたんだ。

 

さぁ、金メダルを逃したベルニャエフ選手ですが、みなさんはこの選手についてどう思いましたか?(挙手)

 

(児童)かっこいい。

(児童)銀メダルになって悔しい気持ちもあるはずなのに、こんな風に言えてすごい。

(児童)自分だったら、こんなこと言えるかわからないから、驚いた。

 

 

スポーツ選手は、1分1秒1コンマのタイムを縮めるため、1m1cmの記録を伸ばすためにものすごい努力をしています。もちろん、自分以外はみんなライバルです。1つでも順位を上げたい、金メダルを絶対取りたい、選手はそう思って競技や演技に取り組んでいます。

 

しかし、ベルニャエフ選手の言葉に表れているように、1流の選手は相手への敬意(リスペクト)を欠かしません。そして、自分への誇りももっています。

 

先生は、このインタビューを見て、ベルニャエフ選手の人を思いやる素晴らしさを感じ、またそんな風に言わせた内村選手の選手としての素晴らしさを感じました。

 

ちなみに、インタビューはその後も続き、内村選手はこんなことを話しています。

 

「僕はあん馬とつり輪では14点台しか取れないけど、オレグ(ベルニャエフ)は全種目で15点台を取れるうえに16点台を取れる種目を持っている強い選手。今回は勝てたけど、これから世界大会で彼と戦っても勝てる気はしない」

 

内村選手もベルニャエフ選手に敬意を表しているのがわかりますね。さらに、その言葉に対してベルニャエフ選手はこう話しました。

 

「航平さんはそう言うが、彼は自分の能力を信じている。だから、僕はこれからも一緒に競技をしたい。彼は世界で一番クールな人間だと思うし、これまでの獲得メダルの数からみればもう伝説になっている人。」

 

もう、説明はいりませんね。

 

今日の授業の振り返りを行います。ワークシートに、授業を終えて感じたことや考えたことを書きましょう。

※時間があれば、発表してもよいが、臨機応変に。

 

では、今日の道徳の時間はここまでにします。

 

ありがとうございました。

 

 

<考えてみた後の感想> 

・途中から、道徳だと難しいかなと若干感じました、ねらいとかうまく工夫すればいけると思います。

・グループ活動をどこにいれるかは、お好みで。

・読み返せば読み返すほど、「ここはこうした方がいいかな」と改善点が浮かび上がってきます。

・敬意を表すという言葉よりも、相手をリスペクトするという言葉の方が、今の子どもたちにはピンとくるかも。。。

・参考にされた方は、指導案を含め、ぜひ細部は自分流に手直ししてくださいw

 

 

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