【アクティブラーニング②】意味を理解するとわかる、小学校でやるべきこと | 小学校の先生~なるまで、なったあと~

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【アクティブラーニング①】どんな経緯で出てきた言葉?

【アクティブラーニング②】意味を理解するとわかる、小学校でやるべきこと (←いまここ)

【アクティブラーニング③】予想される課題

 

 

前回の記事では、アクティブラーニングが、もともとは大学における授業改善のキーワード「能動的学修(アクティブラーニング)」から広がった言葉だと確認しました。

【アクティブラーニング①】どんな経緯で出てきた言葉?

 

ちなみに、能動的学修ではなく、なぜアクティブラーニングが前面に押し出されたかは、キャッチ―(印象的)な言葉だからでしょう。

 

・能動的学修を推進します!

・アクティブラーニングを推進します!

 

どちらが、現代的・印象的な感じがしますか? 感覚的に、アクティブラーニングの方が「良さそう」に感じてしまいますよね。

 

 

【今日のテーマ】

アクティブラーニングの意味を知り、新しくやるべきことは何かを考える

 

アクティブラーニングって、どんな意味?

実際に何をすればいいの?

 

こんな疑問、ありますよね。

 

アクティブ? ラーニング? その意味するところ

 

まず、言葉から確認しましょう。

 

アクティブ・・・・積極的・能動的

ラーニング・・・学ぶこと・学習

 

そのままですねw

 

アクティブという言葉のイメージが強いので、、

 

子どもたちが、体を動かしながら学習すること?

子どもたちが、自由に学ぶ時間をつくるってこと?

 

と、思いがちですよね。

 

全く違う、ということではないですが、違います。

 

 

まずは、次のことを確認しましょう。

 

アクティブラーニングとは、学習内容ではなく、学習方法である

 

先生の立場から考えると、

 

「アクティブラーニングを子ども達に教えよう」というのは間違い。

「今日の算数では、アクティブラーニングを取り入れよう」が正解。

 

です。

 

つまり、アクティブラーニングという授業や教科が新しくできるわけではありません。小学校では、全ての教科において、アクティブラーニングを導入していくのです。


 

アクティブラーニングとは、どのような学習方法なのか

 

文部科学省の用語集によると、アクティブラーニングとは、

 

教員による一方向的な講義形式の教育
とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称

 

となっています。ちょっとわかりづらいですね。

 

少しくだけた言い方に直すと、、、

 

先生が黒板の前に立ったまま、学習内容について1人で一方的に説明し、子どもは聞いてノートに書くだけという、何の面白みも深みもない授業ではなくて、

 

それよりも、その授業の学習課題について、先生と子ども達、子ども達同士といった双方向のやりとりや それをうながす活動を通して、理解や思考が深まる授業をしましょう。

 

ということです。短く言うと、

 

説明を聞いて理解するだけの授業ではなく、

 

いろいろな人と意見を交わす中で、学習理解や考えを深める授業をしよう

 

ということです。

 

 

ここで、1つ重要なことがあります。

 

「授業にグループ活動を取り入れればいいということですね」

「子どもが手を上げて発表する場面を増やせばいいのですね」

 

これは、違います。

 

アクティブラーニングは、学習内容ではなく、学習形態でもなく、学習方法です。

 

つまり、アクティブラーニングにおいては、

 

○○という学習形態で授業をすることが大切なのではなく、

 

○○という学習活動を通して、学習者の学びがより深くなること が大切なのです。

 

 

例えば、「地図帳の世界地図から日本を探しなさい」と指示して、グループで話し合わせても深まりませんよね。だって、見つけたら、そこで終わりですから。

 

学習形態に目を向けるのではなく、子ども達の学びが深まっているかに重点を置くということです。

 

挙手して発表する場面で、それを聞いている他の子がぼーっと聞いている、別の事を考えている、そもそも聞く気がない。これでは、アクティブラーニングの目的を達成しているとは言えません。

 

グループ活動でも、発言力が強く、理解力の高い子が意見を言うだけで、他の子はそれを聞くだけという状態では、十分ではありません。

 

アクティブラーニングによって思考を深めるためには、

 

①自分の考え(意見)をもつこと

 

②自分の考え(意見)を伝えること

 

③他の人の考え(意見)を聞くこと

 

④自分と他の人の考え(意見)を比べること

 

⑤新たな発見や課題がないかと考えること

 

①~⑤を何度も繰り返すことが必要なのです。

 

アクティブラーニングにおいて、

 

学習形態はあくまで手段、

大切なのは子どもたちの思考が深まっていく学習過程

 

です。

 

子ども達の思考に注目し、その変容に目を向けることが大切です。

 

 

これって、自分の経験に当てはめると、簡単に理解できます。

 

例えば、

教員志望の方は教員採用試験の勉強、面接や模擬授業の対策、

 

現職の方は、校務分掌の仕事、子どもへの指導の仕方、授業案、

 

について、自分が考えている場面を思い浮かべてください。

 

学ばなくてはならないこと、考えなくてはならないことがある時に、1人で黙々と取り組むよりも、友達や同僚と意見を交わしながら取り組んだ方が、考えが深まったり広がったりしませんか?

 

1人で取り組む時間はもちろん必要だと思います。でも、それだけでは不十分ですよね。

 

そして、もし、意見交換する相手が、向上心がない人だったり、自分の意見を言わずに受け身な人だったりしたら、その話し合いも自分の考えや理解も深まりませんよね。

 

実は、私たちは、学習者という立場でのアクティブラーニングの大切さを知っているのです。

 

その大切さを、指導者という立場で再認識し、学習指導に活かせばいいのです。

 

 

アクティブラーニングを取り入れた学習とは?

 

私の文章力が未熟で間違って伝わっていたら申し訳ないので確認しますと、グループ活動や挙手をして意見を発表させること自体が、アクティブラーニングにそぐわないというわけではありません。

 

そこに思考の深まりや広がりがあれば、その学習形態は十分有効だといえます。

 

したがって、グループ活動も挙手して意見を伝えるという活動も、アクティブラーニングに有効な方法と言えます。

 

他にも、発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グルー プ・ワークなども、有効な方法と言えます。

 

 

小学校でやるべきこととは?

 

小学校の先生を目指すあなた、現職の先生のあなたは、ここまで読んで次のことが頭に思い浮かぶはずです。

 

あれ? アクティブラーニングってもうやってることじゃない!

 

はい。その通りです。

 

特に、現職の先生は、「あれもアクティブラーニング?」「これもアクティブラーニング?」と、いろいろと思いついたのではないでしょうか。特に、総合的な学習の時間なんかは顕著ですね。

 

アクティブラーニングは、もともと大学での講義形式に対する改善策として出てきた言葉です。実は、小学校ではすでに実践していることが多いのです。

 

小学校で、例えば、平行四辺形の面積を求める授業をするとします。公式「底辺×高さ」を先生が一方的に説明するだけなら、15分たらずで授業が終わってしまいますよね。子どもが理解したかは別にして。

 

でも、実際は授業時間は45分あります。そして、場合によっては2時間(90分)使う時もあります。

 

15分で説明できる事に時間をかけて、何をやっているいるのか?

 

子どもに、その方法を考えさせているんですよね。

 

これまで習ったことを使って、面積を求められないか。

1つだけじゃなくて、他の方法はないか。

 

そして、自分で考えた方法を図や式を使ってわかりやすい説明の仕方を考える。

 

次に、自分の考えを発表したり、他の人の考えを聞いたりする。

※指名された子が黒板を使って発表するのも有効ですが、私の経験上、1人で考えた後に2~3人で相談させる活動をいれた方がより思考が深まります。

 

最後に、質問をしたり受けたりすることで、さらに考えが深まる。

 

伝える側、聞く側の両方を経験し、相乗効果で理解を深めることができます。

 

これって、よくある学習方法・形態ですよね。

 

 

つまり、これまできちんと授業づくりをしてきた先生にとっては、なんら変わらないことなのです。

 

でも、実際には説明一辺倒で授業をする先生がいないとは言えません。

 

よって、今回のアクティブラーニングの導入によって、小学校でやるべきことは次の事となります。

 

★これまでの授業で、アクティブラーニングに当てはまるものの選定

⇒キャリア教育の導入と似てます。

 

★アクティブラーニング導入ということをきっかけにした、各先生の授業の質の見直し

⇒全ての授業・時間で導入するというわけではありません。しかし、ほとんどの授業で導入できる学習方法でしょう。

 

★学習形態ではなく、児童の思考の変容(深まり・広がり)に重点を置いた授業の実践

⇒子どもが、その学習過程を経て、どんな発見や課題が見つかったのか。

 

★個人・学校ともに、アクティブラーニングの積極的な活用と方法の研究

⇒各自治体ごとに研究校を設けて、実践方法を研究するでしょう。おそらく目新しいものは出てこないと思いますが、アクティブラーニングの考えや方法を広めるという意味では大きな価値があります。

 

 

これまでも、アクティブラーニングという言葉がなくても、児童が主体的・協働的に学ぶことが大切だということは広く認識されていました。

 

しかし、今回は学習指導要領に盛り込まれるということで、ある種の強制力が働きます

 

講義形式で授業をすることが多かった先生は、自分の授業を見直さなくてはなりませんが、

 

これまで実践していた先生は自信をもって、更なる授業研究に励むだけです。

 

実際に学習指導要領にどのように記載されるかはわかりませんが、ほとんどの先生にとっては現時点でそこまで構える必要はありませんね。

 

良い授業をすればいいのです。

 

 

まとめ

●アクティブラーニングは、一方通行ではなく双方向で意見を交えることで、思考や理解を深める学習方法である。

●アクティブラーニングは、すでに小学校で実践していることが多い。

 

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