• 名前        ディアンシー(AR){超}
  • 収録パック     ソード&シールドシリーズ  ハイクラスパック 「VSTARユニバース」 
  • 購入価格      300円
  • イラストレーター  市川春子

今回は市川春子氏の描かれたディアンシーのポケモンカードを鑑賞します。
市川春子氏は「宝石の国」というマンガの作者として有名な大人気のマンガ家さんです。
宝石の国は人型の宝石生命体が登場するマンガで、短編マンガでも人に似た無機物生命体の物語を多く描かれています。

イラストの世界観

まず、ディアンシーとはどんなポケモンか、ポケモン図鑑の説明をまとめると以下になります

 

 

  • メレシーの突然変異
  • 両手で炭素を集めてダイヤを一瞬で生成する


なおメレシーは以下のようなポケモンです

 

 

  • 身体に宝石が埋まっている
  • 宝石からエネルギーを放つ


ディアンシーは瞬間的にダイヤを生成できるとのことです。
人工ダイヤは古くからある炭素を高温高圧で圧縮する方法で生成できますが、この方法では何週間もかかるので一瞬というわけにはいきません。
もしかすると爆発衝撃圧縮法のように、宝石から放つ爆発的なエネルギーを炭素にかけてダイヤを生成しているのかもしれません

 

 

 

本イラストは、市川春子氏による美しい宝石の描写がディアンシーの存在感を際立たせている作品です

 

有名マンガ家の起用

ポケモンカードは、時折、有名マンガ家のイラストを採用します。
話題作りやマンガ家のファンを新規ユーザーとして獲得する目的もあるでしょうが、純粋に優れたイラストを期待して依頼しているのもあると私は考えます。

例えば、値段が1000円以上になっている為、本ブログでは取り上げませんが、ちいかわのナガノ氏の描いたバオッキーも気の抜けた感じが最高でした
今回に紹介するイラストも、宝石のポケモンということで、「ディアンシーを描くのは、市川春子氏が最も適切なイラストレーターである」と言っても過言ではないでしょう

ただ、ポケモンはそれ自身が個性の固まりなので、マンガ家さんの作風の個性が隠れがちになります。
ポケモンカードはポケモンの特徴的な部位を必ず描かないといけないので、作家の自由裁量の範囲が多くはないからです。
実際、私はネットで調べるまで、このイラストが市川春子氏だとは気がつきませんでした。
言われて見れば、宝石の描き方が宝石の国と瓜二つで、市川春子氏以外の何者でもないと分かりますが、パッと見で気がつくのはかなりのファンであります。

世界的なゲーム作品が超一流のマンガ家を起用して描かれた作品の数々は、後世において現代の浮世絵のように珍重されることでしょう


イラストの構図

AR作品は背景を大きく描くことも多いですが、このイラストはディアンシーを堂々と大きく描き、中央から放たれる宝石を放射状に配置しています。
ディアンシーという宝石を目立たせることを主眼に置いた構図になっています

イラストの配色

ネットで宝石のイラストを検索すると、カット面は直線で、明るい部分と暗い部分が明確に分かれており、全体的に明度が高くなっています。宝石の幾何学的な鉱物感と輝きを表現しています。


ですが、このイラストの宝石のカット面の輪郭が単純な直線ではなく、陰影の境界があいまいで、明度もやや暗めにする市川春子氏独特の彩色がされています。
宝石をただ美しく描くだけでなく、生々しい生物のように見せています。