そしてショーケースは消えた。中野新橋『つばき』(中華/東京メトロ丸の内線方南町支線) | ご近所の魔境《ここは店主さんの王国》

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料理のサンプルが並ぶ飲食店のウィンドウ。そこはサンプル以外に人形ガラクタ、店主さんの自慢のコレクション。時には理解しがたいものが飾られている。あなたの近所にもあるかもしれない、店主さんの王国をご紹介しよう。

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        ショーケースの中のチャーハンだ。
        米粒のパラパラ感がでている。


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        次いでラーメン。具のほうれん草の緑色も鮮やか。
        チャーシュウ、メンマ、ナルトが入って
        
典型的な街の中華屋さんのラーメンだ。

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       同じショーケースに飾られているニラレバ炒め。
       ラーメン、チャーハンのサンプルと比べてかなり印象がちがう。
       見て、おいしそうでないし、どちらかというと汚い。
       モヤシがなんか虫のようなヘンなものに見えて気色わるいのだ。

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       さらにコレ。酢豚なんだけど、もうヘタれすぎ。
       お皿の下側、高台が紙テープみたいなもので補強されて痛々しい。
       かなり昔につくられたサンンプルなんだろうな。

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         かなりヘタった古いサンプルと、そうでないのが、
         一緒に飾られているショーケースがコレ。
         庶民的な日本の中華屋さんの代表的メニューが
         シンプルに並べられているのだ。


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       中華『つばき』は中野新橋駅から歩いて6分ほど。
       駅からかなり離れた地味な商店街をぬけて、そのいちばん端っこ。
       店をビルに立て替えて、古いサンプルを並べるのもどうだろう。
       しかし長年、飾っていたものを全部すてるのも忍びないと、
       このショーケースになったのではなかろうか。


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       でも、このお店は地域密着型でお客のほとんだは近隣住民。
       店頭のショーケースを見る人なんて滅多にいない。
       ショーケースというものは手入れをおこたれば、ガラスは汚れ
       中に埃はたまる。維持しつづけるのは案外たいへんなのだ。


というわけで、イメージ 8
出た結論がコレ。
だと思う。

 もしかすると、
 新しいサンプルだけを小さなケースに移した。
 壁に取り付けられたランプは
 その照明用だったかもしれない。
 でも結局、撤去されてしまったのだ。




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     ショーケースのなくなった店頭で、出前のバイクが待機中だ。
     ショーケースが本来の目的からそれて、店主さんの趣味の展示場になったり、
     手入れされずに
棄景化する例も多い。その中でショーケースの跡だけ
     というのは、遺跡化したショーケースの究極の形かもしれない。めずらしいのだ。