白塗りの摩訶不思議。西小山『フルーツパーラーたなか』(スイーツ/東急目黒線) | ご近所の魔境《ここは店主さんの王国》

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料理のサンプルが並ぶ飲食店のウィンドウ。そこはサンプル以外に人形ガラクタ、店主さんの自慢のコレクション。時には理解しがたいものが飾られている。あなたの近所にもあるかもしれない、店主さんの王国をご紹介しよう。




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     "白塗りのメリーさん"と呼ばれた伝説の老娼婦が横浜にいた。
     いつも白いドレスを着て、顔を白塗りにして街の中を歩いていた。
     『ヨコハマメリー』(2006年公開)というドキュメント映画の主人公である。
     そのメリーさんを、このバナナパフェを見て思いだした。
     白塗りなのである、このパフェのサンンプルも。

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『フルーツパーラーたなか』の
ショーケースを飾るサンプルは、
驚くことにすべて店主の手づくりだ。
材料は木片、粘土や石膏など。
左の写真は氷アヅキ。氷の部分は
石膏か粘土で作られたように見える。
その氷部分を、娼婦のメリーさんに
負けじと、白塗りだ。


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      上は氷レモン。白塗りの上に黄色の塗料をかさねている。
      下はカキ氷のラインナップ。氷イチゴ、メロンは綿に塗料を吹きかけた
      ようにみえる。どのカキ氷も氷にシロップをかけただけの
      クラシックなスタイルだ。

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       他のサンプルを見ていこう。店主いわく
       「プロなんかには、こうは上手につくれない」なのだだそうだ。

       いずれも専門メーカーがつくる樹脂製サンプルとは、一味も二味も
       持ち味が違う。ひとつひとつに摩訶不思議な、店主さんの魂の
       ようなものを感じてしまう。


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        チョコパフェのアップ。
石膏を使ったのだろうか、
        アイスクリームが雲か海の波のようにも見える。
        単純に手づくりというよりもアウトサイダー・アートに近い。
        独特のいい味でている店主さんの力作だ。


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         フルーツパフェのアップ。
         切り込みの入ったリンゴの形の大胆さに驚く。

         下はフルーツアンミツ。
         木製の積み木細工みたいなリンゴやバナナは
         最高にキュートなのだ。

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          ドリンクのサンプルも手づくりだ。
          写真中央のレモンジュースはグラス内側の
          白塗りに、黄色の塗料を混ぜている。


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つい先ほどまで、売り場に並んでいた
果物をカットして供される各種フルーツのメニュー。しかも安い。
『フルーツパーラーたなか』は開店から
50年以上の歴史を持つ名店だ。
お店は老夫婦ふたりの営業で、
お母さんがフルーツのカットなど調理を
受け持つ。
さあショーケースの横にある木枠の
ドアを開けよう。
手づくりのサンプルよりさらに大胆。
フルーツポンチ、フルーツパフェ、
フルーツアンミツ。これでどうだ
というくらい、たっぷりと供される
フルーツ極楽をぜひお試しあれなのだ。

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