期待以上な Killing Eve シーズン4  | イギリスで映画学

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あとはイギリスでの生活。

 

イギリスでは2月末から放送が始まったKilling Eve Season 4

 

4月6日の時点でエピソード6まで視聴した印象をパパッとまとめます。

 

間延びした感の否めないシーズン3とは打って変わって、終幕に向けてこれまでに落としてきたフセンの回収をしつつも、新登場のキャラクターが良い感じにスパイスを利かしてくれています。

 

 

今シーズンは…

 

 

イヴ…ついに気が狂ったな。

エピソードが進む度に、そこはダメだろう。という一線をどんどん踏み超えていくイヴ。もうリミットが外れてしまったようです…。うーむ。

 

一方で、「変わりたい」「変われない」の間でもがくヴィラネルには感情移入せずにはいられません。

 

「私は元々こんな風に(サイコパス)に生まれたのか」「そうじゃない、私は変われる」と正しく生きようと努力するも「クソな気分」になってしまい、どうしたら良いのか分からなくなってしまうヴィラネル(エピソード3、心理カウンセラーとの会話より)。

 

あぁ、彼女にハグしてあげたいです。

 

自らの運命、人生を自分の手でコントロールすることはできるのか、選択肢はあるのか、という問い。

 

これがシーズン4のテーマかな?

 

Obsessed with ... Killing Eve』というポッドキャストでも今シーズンは二人の役割がスワップ(交換)され、ヴィラネルは一般人としての人生を歩み、逆にイヴは暗殺者となり、殺しに手を染めていくのではという予想がなされていました。ちなみにこのポッドキャスト、毎回新しいエピソードを観た後に観ています。こういう風に語り合うファン仲間が欲しかったのよ〜!

 

 

シーズン4あらすじ

シーズン3の終わりは二人とも背を向けあい、それぞれ違う道を歩いていくのか、それとも離れられないのか? 

曖昧なエンディングとなっていましたが、シーズン4のエピソード1ではそれぞれまた別の生活を送っていることが判明。

 

ヴィラネルは暗殺業からの脱却を試み、クリスチャンとして新たな人生を生きようと奮闘。

一方で、イヴはひとりで暗殺一味「12」(トウェルブ)を抹消するというミッションを掲げ、セキュリティ会社の同僚、ユセフの協力を得て12に関する情報集めに奔走。

 

でも結局はヴィラネルの方が先に我慢できなくなって、イヴに洗礼式の招待状を送りつけ、イヴの住んでいるホテルに現れるんですね。

 

「わたしは変わったの」と言うヴィラネルに、「本当に変わったんなら、(私に会いになんて)来ないでしょう」と言い放ち、なんと平手打ち。ああ〜。本当にこの二人はすれ違い。

 

70年代のクールでアナーキーなベルリン

個人的にテンションが上がったのはエピソード5。

70年代のベルリンには、キャロリンの姿が!

若者ならではの向こう見ずな姿勢のキャロリン。

 

 

若き日のキャロリンなのでもちろん違う役者さんなのですが、話しかた、口の動かしかた、笑いかた、目線、しぐさが「キャロリン」そのもので、さすが役者だなぁと感心させられました。

 

変わ(ってしま)ったイヴ…

おっちょこちょいで時に奇想天外な行動に出るのがイヴの良さでもあったのですが、リミッターが外れてしまったイヴは、自己中心的なただの暴君にしか見えず…。シーズン1から小出しされてきたイヴの自己中心性が今シーズンで一気に剥き出しになってしまいました。

 

ネタバレはしませんが、エピソード6でもキャロリンに復讐したいがためにある行動に出ます。

 

もちろんストーリー展開としては面白いなと思います。

でもやっぱり、イヴ…・

がっかりするキャロリン、したり顔のイヴの対比・・・

さずがにキャロリンに同情しました。

 

ここまでくればもう、どこまでイヴが落胆させてくれるのか楽しみましょう。いちファンとして。

 

残すこと2エピソードですが、イヴの運命がどうなってしまうのか?『Killing Eve』というタイトルがどうエンディングに結びついていくのか、楽しみです。