経済研究者ゼローさんの実弟

ソールコンセンサスさんの詩

 

 

瓦礫のなかに、一人の若い兵隊がいた。

あたりには、たえられないほど焦げ臭い煙が空高く立ち込めている。

今が、日中なのか、夕刻なのかさえわからない。

 

ひとりごとのように、

「あの地球人は、どうして「死せる地球」などというのか?」

といいながら

兵器の表面を大事そうに撫でると、

領土を拡大する準備に目を異様にギラギラと

輝かせている。

 

「あの地球人は、どうして「死せる地球」などというのか?...」


何やら、裏の瓦礫の方から声がした。

 

「どこでそれを? その地球人が、俺のことだ。」

 

ひとりの兵役から逃げてきた青年がこたえた。

 

「だって、そうだろ!この星は、戦争にコロナに異常気象だ。

滅ばずに何か希望が生まれそうな星に見えるか?

どれ1つ取っても、滅びるほど大きな大問題だ。なのに、領土拡大のために人をあやめる馬鹿者がまだいたとはな!」と続けて言うと、

 

 

 

「なにい!」と若い兵隊が銃を向けた。

 

若い兵隊は、彼の血に染まった軍服を見て、

ゾッとして足がすくんだ。

 

「戦争は敵だけが命を落とすわけじゃない。

恨まれて、自分がやられるか、自分の家族がやられる。

 

そして、生き残りをかけて戦っても、

この手で見知らぬだれかの人生を終わらせてしまう。

 

いまの今まで動いていた者が、この手の引き金1つでピタリと止まり冷たくなっていく。

 

命を落とした最後の兵隊は、育ちの良さそうなたおやかな顔をしていた。友だちにほしいくらいだった。

 

命がまさかあそこで終わると思っていなかっただろ..。反対に、それが俺だったら、と考えた。

 

俺と同じように、将来の夢がある若い兵隊だったんだ...。

彼の両親が彼の死を知ったら、せっかく育ててきたのに、とどんなに泣き崩れるだろうと、考えはじまった。

 

俺は、なんてことをしてしまったんだとそこに立っていられないほど腰の力がぬけて、その場でしばし立ち上がることができなくなってた..

 

あれから、もう何日も経つが、俺は俺のことがむしょうに嫌になり、その記憶だけが充満している。俺の人生の時間をその前の時間に戻したい。

 

あんな役目がいたたまれず、こうして国の命令から逃げてきて気づいたら俺はここに来ていた。

 

そして、“本当の役立たず”がここにいる!...

 

それが俺だ。撃つなら、いまだ、さあ、撃てよ!俺は上官に見つかればどっちみち撃たれ、命はない身だ。本当の地獄をお前も味わいたいか!」     

 

訴える彼の目には滂沱の涙があふれていた。

 

その逃亡兵の気迫に、

若い兵隊は銃をおろした。

 

そして、若い兵隊は、うつろな目で

遠くの激しく損壊した無数の家屋の山を眺めた。

そのあと、しばらくすると、何を思ったのか、

「母ちゃん、生きててくれ。俺はこんな人生やだよ!俺は人をあやめるために生まれてきた権力者のペットじゃない!」と叫んだ。

 

 

野蛮な兵隊に見つかり、その若い兵隊は命を落とした。

 

遠くで建物に身を隠していた兵役から逃れた青年は、

その遠くの光景を見ながら

ボロボロと大粒の涙をこぼして男泣きしていた。

 

 

彼は思った。

 

 

 

“敵は、人ではない”

 

“環境破壊と環境汚染と領土拡大のエゴだ。

それに対して、すべての国が力を合わせ、地球問題群に

立ち向かうときは今のチャンスしかない”

 

“俺たち全ての地球人は、刃物よりも鋭利なエゴという驚異を

首に突きつけられている”

 

 

 

この戦闘は、核戦争をしようとする司令官が

原発を占拠しそこを兵站に利用し、

再び偽旗作戦で国際社会の眼を撹乱させ、

濡れ衣を被せようとしているのかもしれない。

 

戦争は、残酷さに更に上乗せされた残酷さだけが山積みになって

返って来て、両者が破滅するだけだ。 

 

今回の一方的な侵略は、何て卑怯な戦争なのか。

 

戦場には、

躍動していた希望の命とは反対の、

破滅して形をなさない抜け殻だけが不気味に横たわっていた。

 

そこには、人間の家族のなきがらだけではなかった。

 

あの生まれて間もない時から、  

幼少期をともに過ごしてくれた老犬のなきがらもあった。

 

命は買えない、生き返らない。

 

そして、命はぬいぐるみでもスペアのある道具でもない。

 

この地球に今後も生きながらえられる希望があるのか?

 

ある、各国の協調あるのみだ。  

 

しかし、

地球でいちばん愚かな独裁者の感覚からは

それがわからない。

 

 

ただ、核使用をちらつかせて無敵の皇帝をふるまっている。

 

同じレベルの愚かな司令官は、げんこつにはゲンコツで、

と発想するものだ。

 

だが、目を向けるべきところはそこではない。

 

 

広島の祖父は、あの目も当てられぬ鮮烈な光景を

今も心に深い傷として持ちながら、

長い人生を悲しみに耐えて生きてきた。

 

もう、あんな残酷な戦争を繰り返したらダメだ。  

 

我々地球人には

時間はない!

 

死にゆく地球の哲学と死なない地球の哲学---

 

この2つの哲学は、いつまでも均衡を保っているとは思えない。

 

この2つは、緊張が、ピンと張っている。  

これ以上は緊張を維持できそうにないと見る国が

しだいに増えゆくだけだ。

 

 

 

やられる前にやるのはダメだ!

言うまでもなく、地球の破滅あるのみだからだ。

 

これを置き換えると、

敵基地攻撃能力とか

反撃能力とかと語る司令官もいる。

 

 

この界隈の表現は、いずれも

「げんこつにはゲンコツ」の哲学だ。

 

 

唯一、地球が生き残れるのは、

そうなる前にやめること。

 

これが国際社会の圧倒的多数の正しい声だ!

 

 

 

だから、独裁者の興味をそそる

反戦の映画をたくさん製作して、

戦争の惨めさを訴えたい!

 


 

正しき内発性を

原子爆弾よりも強く引き出させたい!

そこに初めて『死なない地球の哲学』が、

万人の心に、打ち立てられる!

 

俺たちは、お馬鹿な政治家や愚かなテロリストの駒ではない。

 

無血革命をめざす平和の要塞になれる世界で唯一の

被爆国の日本人------。

 

日本人は、元来、他の民族よりIQの平均的に高く

調和力のある誇り高い民族だ。

 

作詞

ソール・コンセンサスさん

 

かなり実話も織り混ぜているとのことです。涙💧

お読みいただきありがとうございます♥

 

投稿依頼者&編集者

BeePencils

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