「おい、びーわん、レコード聞きに来い」
時は、1972年の夏?
休日恒例の早朝5時からの洗車を終えたときのこと。
私より5つ上の先輩からの命令です。
車でついて行きました。
小高い住宅地にある先輩の家に到着。
「おお、上がれや」
「おじゃまします」
先輩の家の応接間に通されました。
引き戸を開けて、私の目に飛び込んだのは、
「何、これ?」
「アルテックのスピーカーじゃ」
「これが!?」
当時は、ブックシェルフしか知らなかった私は、
A‐7の大きさとその形に仰天しました。
「びーわん、ステレオはピアノが難しい。こいつは、エエ音でなる」
といって、ピアノのジャズを聞かされました。
私には、ピアノジャズなんてよくわかりません(^_^;)。
「他のレコード聞かせて」
先輩は、「しょうがないのぅ」
と言いながら、大事そうに
出窓の窓を開け放ち、爆音再生したのです。
私は、前奏で鳥肌が立ちました。
いい音とかいうのではなくて、戦慄ってやつが。
今思えば、音も良かったし、音圧も凄かったのだと思います。
「本物が歌いよる様じゃね」
「やっぱり麻丘めぐみはエエのぅ」
出窓にはアンプとプレーヤーが置いてありました。
プレーヤーはよく覚えていませんが、
アンプは、
燦然と輝くSQ38FD!
「びーわん、お前もステレオやれぇ、面白いど」
「スピーカーはのぅ、JBLというのもエエが、アルテックがええど」
「まだ、車の月賦が終わってない」
「バカタレ、月賦の一つや二つ。わしゃぁ3つじゃ」
「それもそうじゃね」
この出来事を切っ掛けに私の「びーわん」バカへの第一章が始まりました(笑。
オーディオ道への「芽生え」です(爆。
麻丘めぐみチャンも目出度くこの年のレコード大賞最優秀新人賞に輝きました\(^▽^)/!
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で、
想い出の「芽ばえ」の入ったLPをずっと探していましたが、
状態の良さそうなのがありません。
結局、CDをポチって先日届きました。
早速、聞いてみます。「芽ばえ」
やはり、現在の麻丘さんを知っているので・・・・(笑。
でも当時の爽やかな前奏、可憐な歌声が我が家に蘇りましたよ。
チョット、エコー効かせすぎかな(^O^)。
でもエエですね。爽やか~(^O^)。ミリンダみたい(笑)
ここで、賢明な方は気付かれたのでは?
私が何時まで経っても
可愛子チャンや女性ボーカルから脱却出来ない理由が。
そのルーツは、「芽ばえ」にあったのでした!納得!
※ 会話部分は敢えて方言を使わせて頂きましたm(._.)m