長江俊和 著『出版禁止』を読み終わりました。
そんなに厚くない本だったし、事件の真相が気になってあっという間に読み終わりました。
就寝前に読んで、2日で読了です。
話題になったとても面白い本です。
ネタバレはあまりにもったいないので、未読の方はここでサラバして下さいませ。
ここから下、おもいきりネタバレありの感想とか考察になります。
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以下、ネタバレあり〼
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叙述トリックを含むモキュメンタリー、でしたね。
前情報がほぼ無しで読み始めたので、そう言うことも知らず、なにやら暗い雰囲気の不穏なお話だなーとドキドキしながら読み進めました。
心中を扱ったお話ですものね、暗くて重苦しい雰囲気は当たり前なんですけど。
肝心の叙述トリック部は、私は普通に読んでてそのまま気づいてしまいました。
叙述トリック慣れしてるので、すぐに文章の不自然さにピンときました…というか、逆にむしろ、叙述トリックと思わせて実は違ったというミスリードではないか?とあやしみながら読んでいったくらいでした。
作者のヒントをほとんど全部拾えたんじゃないかな?
冷蔵庫のドアとか、胸肉もも肉に鶏って言葉が付いてなかったこととか、並んで座って目を合わせるのに見下ろすはずがないとか、そのほかにも色々。
このお話は、私の考察というか理解では、
熊切の心中は、永津佐和子の依頼によって新藤七緒が企てた殺人。
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神湯は熊切の事件を疑っていて、事件の真相を探ってもしも殺人犯がいるなら処理させる刺客を送り出すことにする。
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若橋呉成は神湯の配下の高橋によって、催眠術で深層心理(無意識の領域)にカミュの刺客の役割を刷り込まれる。
その後に今度はただの取材依頼として、熊切事件を探る仕事を若橋に与える。
それで、若橋は、無意識ではカミュの刺客として働いているけど、自分の意識下ではあくまでただの取材依頼として仕事を受け働いているという状態になる。
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若橋は取材を続けるうちに七緒を愛してしまい、その後で熊切殺害の真相にたどりつく。
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ここから、若橋本人の意識とカミュの刺客としての意識が別々に働きだす。
カミュの刺客として七緒を殺害するが、本人は七緒を生きてるものとして扱いつづける。
本人は七緒と生きて未来につながる愛を育たいと思っていたのだろうけれど、(カミュの刺客として)殺してしまったし、心中するという方向に愛をシフトチェンジして、うまく無意識の行動との辻褄を合わせて自我崩壊するのを回避してるような感じ?
カミュの刺客として熊切事件の真相を探り、もしも心中でなく殺人ならば七緒を殺し、その後は真相を神湯たちに報告するために、心中事件を起こして生還するという指名を帯びていたので、生還するために頭がおかしくなったような行動(七緒の鍋)をとる←この一連の行動は憎き熊切殺人犯に皮肉で残虐な方法で罰を与えるのにも有効だし。
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でも結局カミュの刺客としての洗脳より、本人の意思が勝ってしまって、最後には自殺に至る。
なんかめっちゃ雑な感じですけど、こんな流れかな?と。
高橋の催眠術みたいな行動は、本当に催眠してたんじゃないかと思って、こんなふうに考察しました。
アナグラムのわれはしかくなりとか、◻︎◻︎とか、視覚の死角とか、いわゆる縦読みとか、そういうお遊び的な部分はもう触れなくてよいかなと思うので略。
最後の「生還」だけがちょっとよくわからなくて、んーと、神湯たちに報告するために頭おかしいふりして生き延びることかなーと解釈したんですけど。
ちょっとこじつけすぎかなぁ。
読み終わった後もしばらくネット上の考察サイトなんか読んで楽しめたり、すごく面白い本でした。
禁止シリーズ、他のも面白いのかな?
いつかそのうち、読んでみようかなと思います。
さて、ところで。
古本のまとめ買いしましたー!
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たまに利用させてもらってます。
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三津田信三『七人の鬼ごっこ』
大山正『色彩心理学入門 ニュートンとゲーテの流れを追って』
細矢治夫『三角形の七不思議』
川崎悟司『カメの甲羅はあばら骨』
中村淳彦『職業としてのAV女優』
4年前の1月の記事です。
4年前は子年だったのかー。
そして、4年前はもう令和だったんですね。
平成は遠くなりにけり〜
時間が経つのって本当に早いわ。