電子書籍で何冊かルポを読みました。


その感想です。





今回は2冊分、酒井あゆみの『セックスで生きていく女たち』と『東電OL禁断の25時』の二つです。







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酒井あゆみ 著、『セックスで生きていく女たち』を読みました。








2017年に三交社から刊行されたものを加筆修正したものらしいです。

電子書籍としては、株式会社アドレナライズ、2021年4月23日第一版発行。



年齢も職業もバラバラのさまざまな、主に女性一部男性の性事情をたくさん集めてまとめた一冊です。

一人分のエピソードが短いので、サクッと読みやすい本です。



タイトルにあるとおり、セックスを仕事として生きている人や、あるいは生き甲斐として生きている人のことが載っています。


2017年の本なので、まだパパ活という言葉は使われておらず、援交って言葉が使われていたりして、微妙に時代を感じさせます。

(しかしこんな援交なんて言葉でさえ、時代とともに移り変わっていくのですねー…いやむしろ、こんな言葉だからこそかな。)

コロナ前のお話です。



世の中本当に色んな人がいるもんだなーとか、女の人はいつまでも女でいたい人が多いんだなーとか、性産業の種類ってたくさんあるんだなーとか、こういう性癖もあるんだなーとか。

興味津々です。

文章もしっかりしてますし、あまり頭を使わずに好奇心に引かれてワクワクと読んでいけました。

あっという間に読み終わりましたよ。



ところでこの本の著者の方、酒井あゆみさん、元風俗嬢とかav女優さんとかやってた方だそうです。


少し前に同じく風俗嬢ライターの菜摘ひかるさんの本を読んで、良い文章を書く文才のあった方だったのだなあと思いましたが。

酒井あゆみさんも、すごく綺麗でしっかりしたわかりやすい文章を書かれてますね。

とても読みやすいです。



電子書籍だと安いし、面白いし、短いお話が沢山あるのでちょっとした時間に読めるし、この本はかなりオススメですよ。

特に女性の方に。

やっぱり著者が女性ですから、男性が読むよりも女性が読んだ方が共感できたりする部分や興味深く感じる所も多いかなーと私は思いますので。


ちなみに、エロを扱っていてもこれはルポなので、ポルノみたいにいやらしい感じの文章はないですよ。

アングラ好きな人が好きそうな感じです。










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酒井あゆみ 著、『東電OL禁断の25時』を読みました。







1997年にザマサダより刊行された『禁断の25時』を改題し、加筆・修正したものだそうです。

電子書籍としては、さっきの本と同じく株式会社アドレナライズが発行しています。

発行年度がはっきり書かれてないので分からなかったんですけど、多分2012年なのかな?



東電OL、懐かしい響きです。

1997年の事件ですから、もう25年くらい前のお話になりますね。

一流企業に勤めていた女性が夜は売春婦をやっていたというので、当時としてはかなりセンセーショナルな事件だったと思います。

マスコミでも騒がれていたなーと、なんとなく覚えています。

私はその頃はまだ10代だったはず、多分大学に入って東京に来たばかりの頃のことじゃなかったかなぁ。


当時の私としては、この事件のマスコミの騒ぎ方は、なんか変なのーって感じてました。

一流企業に勤めているからって、なんで夜にまったく別の顔を持っていることがそんなに不思議なことなのか、ピンとこなくて。

人それぞれ色んな事情があるだろうになぁ、なんて思ってました。




最近、たまたまAmazonで本を探していた時に、この『東電OL』の文字が目に入ってきて、あーそういやそんな事件あったなぁとふと思い出しまして。

どんな事件だったっけと、少しWikipediaを読んでみたら、未解決事件になっちゃってることがわかりました。

未解決事件…となると、俄然興味が湧いてしまうのが人のサガです。

それまで忘れていた『東電OL』の事件が気になり、この事件について書かれた本を何か読みたくなり、色々物色してるうちに、一番事件について公平に書かれていそうな酒井あゆみの『東電OL禁断の25時』を選んで読むことにしましたよ。


この本では事件の犯人については何も触れられていなくて、被害者の女性についてただ考察されています。

著者自身がかつて被害者女性と同じ職場(ホテトル)で働いたことがあったそうです。

いわば同僚だったと。


著者は自分の性産業での経験を踏まえて、被害者女性がどうして夜の世界に踏み込むことになったのかを推理していきます。


やはり同じ職種で働いていた人の考えることだけあって、その推理がすごくあり得そうな感じなんです。


現在ですら日本の男女平等は全然実現されてないと批判されているわけで、25年前なんてまだまだ「男女平等」なんて言葉だけって感じでしたしねー。

女の人が出世して管理職でバリバリ仕事できるような環境だったとはとても言えないですよね。

結婚適齢期なんてものも、うるさく言われてた時代だし。

それに、風営法とかも今とは違ってたんじゃないかな?

たった25年前でも、思い返してみたら今とはまるで違う時代のお話みたいです。



そんな時代に被害者女性が何を感じ何を考え何に救いを求めて生きていたのか、著者の推理はかなり核心に近いところに迫ってるんじゃないかなと思います。

まあもっとも、本当のところは、人の心なんて他人が分かるわけはありませんが。





さっきの本もオススメでしたが、こちらもかなり面白いです。

こちらはさらに読み応えがあります。

被害者女性のことを、当時のマスコミみたいに変に煽ったりせずに、普通の一人の女性として扱って書いているところと、迷宮入りした事件の犯人については何も触れていないところに、信用がおけます。





















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