知里真志保 編訳『アイヌ民譚集 付,えぞおばけ列伝』を読みました。
岩波文庫です。








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今回の本のお供は、百均のワッツで買ったお人形さんです。
「ブリリアントドール ミニョン」という商品名で、箱入りで売られていましたよ。
お洋服と髪色で、五色のカラーバリエーションがありました。
小さくて可愛らしいお人形さんです。

あ、着ているお洋服はまた私の手編みでーす。




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つい先日までのお話なのですが。

ある人気の漫画の連載が最終章に突入するということで記念キャンペーンとして、その漫画が一定期間すべて読み放題になるという、かなり太っ腹なありがたい企画がありました。








それが一体なんの漫画かというと↓






↑これです。

『ゴールデンカムイ』!








この漫画、前にも、私が数学を教えさせてもらっている高校生からオススメされていまして。
『一番面白いマンガだと思います』ってかなり強くプッシュされていたので、読みたいなぁと思っていたのです。

そこに、さっきの無料キャンペーンです!
こりゃいい機会だから読もう!と、ただで一気読みさせてもらいました。

そしたらマジでめっちゃ面白くて!
結局、私は無料キャンペーン中にゴールデンカムイを3周も完読してしまうという暴挙に出てしまったのでした。
寝不足になりました。


さて、そのゴールデンカムイというとても面白いマンガでは、タイトルからもわかるように、アイヌ文化が取り上げられておりまして、それがとても魅力的で面白いものでした。

おかげで俄然アイヌ文化に興味が湧いてきてしまいました。



特に漫画のヒロインであるアイヌの女の子アシㇼパさんの語るアイヌの昔話が面白くて気になりました。






そういや、アイヌといえば…

私が小学生の頃に読書にハマって色々本を読んでいたら、「そんなに本が好きなのなら」と、父が自分が子供の頃に祖母に買ってもらったという少年少女向け文学全集を私にくれたんですが。

その全集の中でお気に入りだった日本の昔話の巻の後ろの方に載っていた、アイヌの昔話を思い出しました。


さらに同じく私が小学生の頃、今は亡き祖父母が北海道旅行に行った時、お土産にアイヌの木彫りや刺繍の入ったポーチなどもらいまして、気に入ってずっと使っていたりしたのも思い出しました。



アイヌをキーワードとして、なんだかとても懐かしい子供時代の記憶が蘇ってきましたよ。







そんなわけでして。

生徒さんにゴールデンカムイを勧められたのも、それで気になってたところで無料キャンペーンが始まって全部タダで読めちゃったのも、そこからアイヌに興味が湧いたのも、子供時代の幸せな記憶を思い出したのも、こりゃ全部良い機会で良い流れだなぁと思いまして。

手軽に読めるアイヌのお話の本を手に入れて読んでみました。
…というのが今回の本のチョイスの理由であったことでした。









前置きがやたら長くなりましたが、ここから、『アイヌ民譚集 付,えぞおばけ列伝』の感想です。


漫画『ゴールデンカムイ』中でアシㇼパさんが披露したアイヌの口承文芸に、パナンペペナンペ物語っていうのがありました。



これ、良い人のパナンペさんが良い目に合い悪い人のペナンペさんが悪い目に合うという、例えば花咲か爺さんとかこぶとりじいさんとかおむすびころりんとか、そういった昔話と同じパターンの物語群なんです。



このパナンペペナンペ物語が、下ネタやら艶笑譚だらけで、すごい面白いんですよ。


漫画の中で取り上げられてたエピソードも、やはり下ネタ満載のお話だったんですけど…チン○でお魚を捕まえる話とかチン○をどこまでも伸ばすお話とか…それがあまりにしょうもなくて面白くて仕方なく。

私、下ネタ満載の民話とか艶笑話とか大好きなので、ゴールデンカムイでパナンペペナンペ物語を知ってすごく気に入りました。



そのパナンペペナンペ物語が集められているのが、この『アイヌ民譚集 付,えぞおばけ列伝』です。


このパナンペペナンペのお話はアイヌのウエペケㇾと呼ばれる口承文芸、つまり筆で書かれた文章ではなく、口で話された語りで受け継がれてきた物語です。



だから、この本では左ページにはアイヌ語の発音そのままに物語を移し取っていて、右ページに日本語訳が載っているという構成になっています。


私は左ページを見ても何にもわからないので、右ページのみを読みました。

そしたら。
ゴールデンカムイで知った通りの、しょうもない下ネタ満載の面白いお話の連続でした!
よくもまあ、チン○やらオナラやらお尻の穴やらを使ってこんなに想像力豊かなお話を作れるものだなぁと、感心しきりです。

中にはどこかで聞いたことのある昔話と同じようなエピソードも混ざっているので、日本の昔話も取り込まれているみたいです。
色んな面白話を取り込んで、パナンペペナンペ譚はどんどん豊かになっていったのでしょうねー。

喋ることで伝わってきた物語ですから、ウケも狙って表現が大袈裟になったりしたでしょうし、ストーリーも話者によってますます面白いものに変更されたり、みんなで練り上げて作られてきた物語群なんでしょう。


付属の「えぞおばけ列伝」の方は下ネタよりも艶笑寄りかな?

なんか妙にエロい化け物のお話など読めましたよ。

それに、あのゴールデンカムイにも出てたラッコ肉の話も載ってました 笑





本当にしょうもない(←褒め言葉)下ネタだらけのお話です。

何も考えずに面白いなーっと肩肘張らずに読めるので、昔話好きな方とか、江戸の艶笑話とか艶笑落語とか好きな人に良いと思います。



あと、この面白い民話に対して、著者の後書きはかなり民族や文化について考えさせられます。

時代によって考え方は変化していくけれど、一体何が正しいのか…正しい答えはないのでしょうけれど、答えをみつけることよりも、考え続けることこそが大切なことなんだろうと思います。

そういうところも、この本の読みどころだと思います。










***






アイヌの本、他にも数冊買ってあるので、順番に読んでいこうと思います。

そのうちアイヌ刺繍とかにも手を出してみたいなぁ。
最近人気が出てる手芸みたいだし、とても素敵な模様だし、子供の頃にお土産でもらったポーチっぽいものとか作ってみたいなぁとか考えてます。


















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