西多昌規 著『自分の「異常性」に気づかない人たちーーー病識と否認の心理』を読みました。


草思社文庫です。









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今日の本のお供は、リカちゃん人形の三つ子の弟妹たちの一人、ミクちゃんです。

リサイクルショップでお肌が派手に変色してしまっていたこの子を格安で手に入れて、リペアしました。
可愛くなりましたよ。






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『強すぎる被害妄想、しつこい他者攻撃、いくら人を傷つけても罪悪感がないーーー。
なぜ彼らは自分の異常に気づけないのか?
精神科医が診察室で出会った「病識なき人たち」への処方箋。』
(帯より)


『強すぎる被害妄想、執拗な他者攻撃、異様なハイテンション、他人をふりまわすサイコパス……それは許容できる異常性なのか、治療介入すべき異常性なのか?精神科医である著者が診察室で出会った、さまざまな「自分の異常性」に気づかない人たちを取り上げ、その心の病理と対処法を明らかにする。診察でのエピソードを通じて、医師の苦悩や精神医療の問題点を浮き彫りにする。』
(カバー裏より)







タイトルから解るように、メンタルヘルスの本です。

Amazonで他の本を探していたときに、ふと目に止まってついタイトルに釣られてポチってしまった一冊です。

私はこの本をタイトルから、「きっと学校や職場やサークルとか町内会とか、とにかくなんらかのコミュニティに時に現れる変わった人(というか、ハッキリ言っちゃうと困った人)の巻き起こすエピソードなどを中心に書いた本なのかな?」と思って期待して読んだのですが。
そうではなくて、単に、精神科医が自身の患者さんの治療のお話を精神科医目線で書いただけの本でした。

自分の勝手な予想とは内容が違っていて少し拍子抜けしちゃいましたが、本自体は面白いものでしたよ。

ただのノンフィクション風な整然とした(そのせいで少し冷たく感じるような)描き方ではなく、ちょっと文学的に小説風に描かれていて、温もりを感じる生き生きとした文章がとても読みやすいです。

統合失調症、うつ病、双極性障害、自閉症スペクトラム、パーソナリティ障害、認知症…と、色んな患者さん(しかも病識の無い)のお話を読むことができます。

一通りの精神疾患のお話が出てくるので、そういった知識を広く浅く得るには読みやすい気軽な一冊でいいかなと思います。
が、この手の本を読み慣れた人にとっては、精神疾患を幅広く扱っているだけに、逆に物足りない感じもあるかとも思います。






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メンタルヘルスの本を読むと、本当に人間の精神って不思議なものだなぁと思います。
とても興味深く面白いです。

しかしそれと同時に、普段は堅固に思える「自分」というものが、実はいかに脆いものであるのかという事実を突きつけられて、少し怖くもなります。


もしも精神に異常をきたした時、私は自分の異常性に気付けるのかしら?

…きっとわからないんだろうなぁ、だからこそ病気なんだろうし。
まあでももしもの時には、自分の場合はきっと旦那さんが病院に連れてってくれるなりなんなりしてくれるかなー?って信じてます。
逆に旦那さんに何かあった時は、私が力になれるかな、多分。





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読みやすい本なので、メンタルヘルスに興味がある人にはおすすめの一冊です。
一気に読めちゃいますよ。













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