画集を取り寄せました。
花蟲というクリエイターさんのものです。
タイトルは『花蟲幻想』。
奇妙で、グロテスクで、不安定で、でもとても可愛らしい、不思議な動物や少女達の絵がたくさん収められています。
デジタルで描かれた絵なんだと思いますが、タッチは木版画みたいで、味があります。
私、アートアニメーションが好きでして。
気が向いた時にYouTubeで動画を漁って、面白そうなものを探しています。
今回画集を取り寄せた「花蟲」も、そうやって見つけました。
花蟲の作った『ひとりだけの部屋』というショートアニメをたまたま視聴して。
その独特の世界にハマってしまいましたよ。
このアニメーションはたくさんの賞を受賞しています。
・『第13回 文化庁メディア芸術祭』審査委員会推薦作品 入選
・『しずおかデジタルコンテンツグランプリ2009』グランプリ
・『第15回 学生CGコンテスト』優秀賞
NHKでも放映されたみたいですね。
・NHK『デジタルスタジアム』放映
・NHK『デジスタプチ劇場』放映
ちょっと切ないようなストーリーなんです。
鳥みたいな姿の(多分)男の子が、ひとりぼっちのお部屋で、寂しくて、お友達を作ろうとします。
絵本に描かれていた通りに、お人形をつくって、キスをして、それに命を吹き込もうとします。
そのお人形さんには命が宿り、お姫様みたいな可愛い女の子になるのですが。
それと交換に、鳥の男の子は崩れ去ってしまいます。
今度はその女の子が、ひとりぼっちのお部屋で、寂しくて、お友達を作ろうとします。
絵本に描かれていた通りに、お人形をつくって、キスをして、命を吹き込もうとします。
そのお人形さんには命が宿り、鳥の男の子になるのですが。
それと交換に、女の子は崩れ去ってしまいます。
窓から外に逃げ出しても、なぜかループして部屋に戻ってしまう、出口のない部屋の中で。
鳥の男の子とお姫様みたいな女の子の存在は、けして出会うことなく命を交換し続けます。
所々にちょっと性的な暗喩なんかもありつつ、木版画タッチの奇妙に有機的で不気味に描かれたスチームパンクな雰囲気の閉じられた世界で、不思議な鳥の男の子と可愛い女の子が繰り広げる切ない生活に、惹き込まれて、見入ってしまいます。
そして、音楽の使われ方が良いんです。
これ、セリフの一切ないアニメーションなんですが、使われている音楽は多分ドビュッシーの『よろこびの島』なのかな?、すごくアニメにシンクロしています。
花蟲のアニメーションは、この他にも何点かYouTubeにアップされています。
この人は音楽PVなんかも作っているようですが。
私が見た中では、他の人とコラボした作品よりは、オリジナルのものの方がずっといいですね。
この二つのアニメーションも、とても素敵でした。
もっと色々と、この人のオリジナルアニメーション作品を観てみたいものだなぁと、私は思っていますよ。
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