「戦国自衛隊 女性自衛官帰還セヨ」感想② | Berryz LogBook

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彼女たちを登場人物にした、小説も書いてます。

「戦国自衛隊 女性自衛官帰還セヨ」ネタバレ感想、続きです。


とにかく、楽しく笑わせてもらった帰還組。

特に、茉麻となっきー2人のコンビネーション、

帰還組、死守組通じて最高でした。


ある意味、死守の上杉二士と河合二士に、

あの空気感が欲しかったです。


なんですが、そんな帰還組にも、残念な部分もありました。


ということで、遠慮なくダメ出し行かせてもらいます!



まずは、梨沙子がエロ親父と永遠に一緒にいなければならないなら

死んでやると、喉元にかんざしを突き立てるシーン。エロ親父が、


「構わん、死は永遠じゃ。そちは永遠に我が物となるのよ!」


すると梨沙子「ああ、私には死ぬことも許されないのですね…」


ん? なんでそうなるの?

どうして死を踏みとどまったのか、意味がわかんないです。


あれが「殿に輿入れしてすぐに、そなたが自刃すれば、

本多殿の責任うんぬんかんぬん」ならば

「あぁ、死ぬことも許されない」に繋がると思いますが。



そして、「越後の上杉」。長尾ではなく上杉な点。


観に来るのは歴ヲタではなく、ハロヲタですから

史実に忠実であるよりも、わかりやすいほうがいいでしょう。

そういう意味では、上杉で正解です。


ただし、それは帰還組単独で見ればの話。


ところが死守組と連動してるんですよね。

で、あっちは長尾景虎、のちの上杉謙信として登場してます。

ここはひと手間惜しまず、ちゃんと説明して欲しいです。



とまあ、ここまでは瑣末なこと。本筋とは関係ないです。


やはり、最も残念だったのは、本多殿が切腹する理由がわからない。


重臣が相次いで死に、残されたのが幼君では国が滅ぶのは必至。

後を託せる重臣が、他にも居るのかも知れませんが、

そんな描写はなかったですよね。


このシーン、泣きたいんです。なんせクライマックスですから。

泣きたいのに、そんなことばかり頭に浮かんで、泣けないんです!


でもね、本当に泣けない理由は、

そんな物語の背景の部分ではないんです。


自分が切腹しなければ、娘が幸せになれない。

だから、腹を切る!! 

腹を切るしか、麗姫が救われる道はない!


こうじゃなきゃ、泣けません。


娘を騙して政に利用した、その責任を取って腹を切る。

確か、こんな理由じゃありませんでしたっけ。


それで麗姫は救われるんでしょうか?

もし、腹を切ってなかったら、

義明とは結ばれなかったのでしょうか?


そんなことは、ないですよね。


例えば、ですけど…。


義明は養父を殺害してるわけです。

しかも、主君の正室になる人を連れ去ってるんですから重罪です。

これは出奔するしかありません。


実際、後日の自衛隊員の会話から察するに、

2人は行方をくらませてるようです。


ここで本多殿の切腹です。


あれは麗を欲する斉藤殿と自分が起こした策略で

殿を謀ったのは、我ら二人だ。

それを知った義明殿に、斉藤殿が斬られたのでは

もう申し開きようがない。だから己は腹を切る。


であれば、筋は通りますし、義明も出奔せずにすみます。


ついでに「義明殿、幼き殿を助け、民を、この美麗の国を守ってくれ。

そして、麗を、麗を頼む!」


と言って腹を召してもらえれば、完璧です。

麗姫に感情移入して、号泣できます。


もう美麗の国の行く末なぞ、知ったこっちゃありません。

後釜の重臣がいるかどうかなど、どーでもいいです。


導入部分は、細かい設定や世界観がしっかりしてないと

物語に入り込んでいけませんが、

佳境に入れば、幹さえしっかりしてさえいれば、

枝葉が多少、雑でも引き込まれるものです。


今回、その点が残念でした。


まあ、普通に泣けた人もいるでしょうけど。

私はダメでした。妙に醒めてしまいました。