「  譲渡  」



      譲る。

       明け渡す。

         俺の享受したもののすべてを。

            これから受け取るはずだったすべてを。

          あの人の愛情も

        注目も

         限られた資源も

           幸運の確率も

             地球上の酸素も

               俺が他の人に与えるはずだった

             関心と善意とそのための時間も。


          すべて譲り渡し

        降伏するから。

         その代償として。

            わかるよな。

              わかっているだろ。

                俺の口から言わせるな。


                              傷つけ。

                              絶望を知れ。

                              恋焦がれて

                              夢やぶれて

                              辛酸をなめろ。

                              

                            そんなスパイスを味わって

                              黄色い太陽を呪って

                                 開いた瞳孔に

                              深い闇をたたえろ。

                          俺の闇をわけてやるから。

                       俺も誰かに譲ってもらった。

                         この深遠なる

                           生の甘露を。

                                          

                                        <S>




  「おひさしぶり」




 あたしのこと おぼえてる?


 兵士だったあたしに 戦火のなか


 あなたは最後の水をくれた




 からだが弱くて 心配ばかりかける


 無精の息子だったことも


 もちろんあなたが




 乳飲み子をかかえたあなたを置いて


 他の女のもとへ 

 

 あたしが去ったこともあった




    すべて忘れて


    許して


    失って


    それでも


    あたしを見て 思い出したでしょ


    おとうさん


    あたしと どこかで会ったこと




 いろいろ心配かける予定だけど


 それもこれも ぜんぶ


 あのときのお返しだから


 今度もまた 許してね


 おひさしぶりです



                        <M>




詠み人シバタ&MICHIOのつぶやき


「傷つけ」の詞は、いやがらせじゃないです。w

深く生きてほしいと思っただけ。

僕もまだ浅瀬をさまよってる。

でも、命の誕生という知らせを聞いた瞬間、それだけでも、僕の情緒は少し深くなりました。

心から、彼女の誕生を祝福し、どんなときにも力になる、味方になると誓います。

                                 (by シバタ)



 おるすばん組による、久しぶりの更新。

そんな機会を与えてくださった<K>さんと、その赤ちゃんに感謝します。

縁あって、<K>さんの子として生まれてきたRちゃん。

その友人である私たちとも、不思議な縁を感じます。


 これからの人生の目盛りに、わが子の成長が細かく刻まれていきますね。

時計で言うと、文字盤のような役割を果たしてくれる存在でもあります。

愛するからこそ、わが子のこともあえて「他人」と呼ぶとするなら

これほど、自分の人生を彩ってくれる他人もいないと思います。

貴重な存在に出会えましたね、<K>さん。

本当におめでとうございます。

                                 (by MICHIO)



※ コメント欄を開放いたします。

  <K>さんへのメッセージがありましたら、ご自由にお使いください。

  コメントへのお返事はしておりません。 ご了承ください。  (S&M)





 皆さま、本文記事では大変ご無沙汰しておりました。
元・管理人のMICHIOです。


 今年1月に休止宣言をした「詞人集団 Beehive」。
そして、その最終記事コメント欄満了を受け、3月より休止中の事務局として開設した「みつばち果樹園」。
ふたつのブログにわたって、たくさんの方にご訪問いただき、親密な交流を持たせていただきました。
ありがとうございます。


 本当に楽しく、また学びも多く、有意義な数ヵ月を過ごさせていただきました。
共同管理人の〈S〉くんとのごたごたで、皆さんには多くのご心配もおかけしました。(はにかみ…)
その際にも、たくさんのお励ましとご教示をいただきまして、ありがとうございました。


 そのときに逃げ出してしまった私にかわって、〈S〉くんがここをずっと守ってきてくれましたが、彼とも話し合いまして、11月末日をもって、ここを完全休止することに致しました。
 本来、私のIDで開設したブログなので、「MICHIOさんの息抜き用の個人ブログにしたら?」とのアドバイスも〈S〉くんからもらっていましたが、自分の体調と精神管理、仕事や家庭生活との両立などをかんがみて、一度きちんと私とBeehiveの関係を清算したほうがよさそうだ、と判断いたしました。
自分勝手な判断であるうえに、当の本人もさびしい気持ちが拭えない、迷いの多い結論ではあります。
ですが、〈S〉くんも〈K〉さんもいないここで、一人でも綴りたいことがあるのかな、私…と考えたとき、結論が出ました。

 今は、ここで得たさまざまな思いや経緯から学んだこと、それらが気づかせてくれた諸々の発見と今後の決意を胸に、自分の成長を見つめる内観の時期を過ごしたいというのが、偽らざる気持ちです。
そんな時期を終えて、いつかまた再び「発進!」という気持ちになったとき、ここでの遠花火を振り返りながら、新たな花火を打ち上げることもあるかもしれません。
そんなセカンド・ステージまでの間、しばらくは、ここでご交流を持たせていただいた皆さんや、〈S〉くんの個人ブログ「Rの夜/Sの昼」 の一訪問者として、ゆるゆるとおつきあいさせていただければ幸いです。


 Beehiveも果樹園も、本当に楽しかった!
ここでの交流とドラマのすべては、私の人生の宝です。
皆さん、ありがとうございました。


 それから〈S〉くん!
長い間ありがとう!!
昨夜も、長々話をきいてくれてありがとう。
めそめそシクシクしたけど、今朝はすっきり爽やかでしたよ♪
そっちは寝不足でしょ~。
許してね。

 〈K〉さんも、いつも遠くから見守ってくれてましたよね?
ありがとうございました♪


 それでは、コメント欄… 閉鎖!


 皆さま、お元気でいらしてください。
 
                                       Beehive〈M〉




※下のコメントは、本日〈S〉くんが
 メールで送ってくれたここへの最終コメントです。
 うれしかったです。
 〈K〉さんからは、「To M&S」というタイトルで


 I'd like to send you my sincere congratulations on your RE-START!!


 というメッセージをもらいました。

 Thank you fot your sincerety !


 

 風がやんだんだ。

 水面は鏡のようだろう。

 こわごわのぞきこむ あなたが映る。


 波を立ててはだめだよ。

 涙のひとしずくだって

 波紋となるほどの凪。


 それは

 激しい静けさだ。

 静寂に

 すべてが映る。 響く。 震える。

 岸辺の落葉の

 そよりとした気配さえも。


 静かな嵐を生きようと思った。

 水面の下は爆流。

 すべて沈めて

 あなたの鏡像を

 決して揺らさない。

 僕は凪。


                <S>



「凪(なぎ)」という言葉がありますね。

ふと風がやみ、無風状態になった状態をさす言葉です。

もともとは海岸地方の、昼間の海風と夜の陸風の間にある、夕方と明け方の無風状態を言うんだそうです。


日中は陸のほうが地熱が高くなり、陸側の空気が上昇して、海上との気圧差から、海から陸へ風が吹き込む。

これが海風。

夜は逆に、保温力のある海側のほうが気温が高いので、海上のほうが上昇気流を生みやすく、陸から海に向かって風が吹き出す。

これが陸風。

この海風から陸風、あるいは陸風から海風への転換期に、一瞬のベタ凪が訪れる。

だから、いわば凪とは、気温差がなくなる平衡状態に生まれる状態。


無風状態とは、実はそんなふうに、陸側の必死の放熱と、海側の対流下の保温といった、めまぐるしく激しい力学的なダイナミズムの末に、ようやく訪れる奇跡のような一瞬なんだ。


静けさとは、嵐の中に訪れる。



ブログ「詞人集団 Beehive」が開設されて、はじめてアップされた詞「はじまりの歌」(by<K> 2009/1/16) に、「胸つまる沈黙という叫び」、そんな語があった。

なんでだか、今それを思い出して、その詞を読み返してみました。

「はじまり」と「おわり」はなんだか似てる。

円の最初と最後みたいに。







連載 第8回  

「しんみりじわじわ Beehive語録」

                 



 ―― 昨日の私は 誰も傷つけぬまま永遠で

    未来に負うべき傷は もうすでにここにある

                     <M>


  ('10年1/7 「最終章 さらなる飛躍に向けて」  より)




冒頭ではBeehiveの最初の一矢、<K>サンの詞を引用してので、ここではBeeの最終記事、MICHIOさんの詞から引用させてもらいます。


未来も過去も、すべて同時に存在している――。

そんな摩訶不思議で先端物理学的なパラレルワールドの概念を、わずか2行で言い表してしまった<M>サンの文才に舌を巻きながらも、僕がこのフレーズに心が震えたのは、「永遠」「在る」ということへの、心強さと諦めです。


心なんてコントロールしなくたっていいんだね。

悲しんだことは、もう存在しちゃったし、昔から存在してたんだから。

立ち直ったところで、過ぎ去るものも、なくなるものも、新たにやってくるものすらない。

すべては一枚のディスク上のこと。

僕という針が、あっちをなぞったり、こっちをなぞったりしているだけで、すべては最初から在って、しかも永遠に在り続ける。

針がなぞりきれなかった、僕の知らない無数の現実さえ、あらゆるパターンがすでに在って、起こっていて、起こり続けている。

僕という存在が生まれてなかった場合のパターンさえ。


なぞりきれなかった無数のパラレル宇宙の<僕>を追うより、僕が選んだ、あるいは出くわした、あるいは運悪く押しつけられた<今>を生きようと思います。

そんな壮大な決心が、実はたかが失恋だったり、たかが日常のすれ違いがきっかけだったりするところが、人生っておもしろくてオーゲサ。w






最終号特別企画・・・ 

「迷えるミツバチの 教えて! メンバーの近況



とうとう「おるすばん」の果樹園に、Beehiveのメンバーが、全員そろうことがなかったですね。w

まあ、だから「おるすばん」だったのですが。


そこで、そんな心残りを最後に晴らしたいと思います。

おるすメンバーの倉本サン、MICHIOさんから、近況とメッセージをいただきました。

どちらも、本人によるテキストママです。

倉本サンがメッセージよこしてくれたのなんか、実はほんの30分前。

おせーよ。w



倉本より


皆様、ご無沙汰しております。Beehiveの佐藤浩一、海外支店長(たまに音信不通)、災害地域担当の倉本でございます。

災害地域担当の癖に、いちばんの被災地であるここを放置していてすみませんでした。

「で、どうなったの?」と情報収集をかける折には、いつも留守番組が機嫌が悪くて、倉本、おのれの気まずい登場に悔恨やまずといった調子なので、もうはげさんに後見を任せることにしたのですが、そのはげさんも何やら被災していらっしゃいました。

改めておのれの無力を痛感しております。


Beehiveは、本編も、そして休止後のここでも、Mさんとシバタのドラマがブログの核をなしていました。それを他人事のように楽しんでいた僕は、もうMさんには呆れられてしまって、すっかり嫌われてしまったようなのですが、僕は依然としてMさんが好きです。Mさん、そんなに怒らないでください。(笑)

でも、このままではちょっと“Beehive セカンドステージ”は難しいかなァ、という感じですので、お二人さん、ちょっと距離をおいて頭を冷やしたまえ、とアドバイスしましたら、「だからそうするって言ってるだろ」と、二人から同時に突っ込まれ、「すみません、お任せします」と答えるしかありませんでした。(笑)


ここは、MICHIOさんが、Beeとはまったく関係ない個人ブログを続行してくれる、という噂もありますが、そういう期待とプレッシャーが、彼女の今の状態には一番負担になると思いますので、それもまあ、成り行き次第でいいのではないですか。ねえ、皆さん、どうです。

ああ、また「だから、そうするって言ってるだろ」と、二人に怒られそうです。


近況ということですが。カミサンのお腹、せり出てきましたねェ。

産後に体型が戻るのかどうか心配していましたが、MICHIOさんの華麗な復活事例を励みに、彼女から奨められたナントカクリームをせっせと腹に塗っては、妊娠線の発生を防いでおります。

お腹が割れても僕は構わないよ、と愛をこめて言ってあげたのに、「私のお腹よ! 勝手なこと言わないで」とキレしてしまった僕の奥さんは、今後いったい誰にお腹を見せるつもりなのでしょう。まあ、それも深くは考えないことにしています。


僕の近況ですか。忙しいですね。

今年も地震が多かったですね。ハイチ・チリ・中国青海省の復興がまだ途上のところに、昨年に続きインドネシア・スマトラ沖がやられました。近日、現地入り致します。

日本も奄美の水害、深刻ですね。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

皆様、これら復興支援の呼びかけなどにピンと来ましたら、幾許かのご協力をお願いします。明日は我が身ですからね。人助けなんて、自分が無事なあいだしか出来ませんよ。今のうちです。


それでは、また機会があればお会いしましょう。機会がなければ、どうしよう。(笑)それものんびり考えます。

おるすばん組2名への、これまでの温かいご支援とご交流、心より感謝致します。取り急ぎ倉本でした。


 ※シバタへ、

  改行などのBeehiveルール、すっかり忘れてしまいました。適当にいじってください。



MICHIOより



 みなさま、お元気ですか?

るすばんブログの管理人でありながら、途中から<S>くんに押しつけて逃げだしてしまって、本当に申し訳ありませんでした。

私って、こんなに責任感なかったっけ?? とちょっと自分にがっかり…。


 でも、みなさんと<S>くんに甘えて、ちょうだいした夏休みと秋休みは、私にとってかけがえのないバカンスになりました。

バカンスといっても、普通に自宅と職場を往復し、家族と同僚と日常を過ごし、ときどきボンヤリするだけのバカンスでしたが。


 この11月から、そろそろ薬も減らしていくことになりました。

自分では「大丈夫」という予感がありますが、「治りがけがいちばんキケン」とみなに脅され、「えー、そうなのー?」とこわごわ、一方でちゃっかり、業務の軽減や家事サボリ放題に甘んじています。


 それから突然ですが、ゆゆさん、∞メリーさん、エランシルのボディ美容液、いいですよ。

細胞のミトコンドリアに働きかける自然由来の有効成分が秀逸です。

それから、エレクトーレのフェイシャルトリートメント、すごいです。

-700mvという、高いマイナス電位をもった「還元電位」化粧品ですよ。

プラチナ美顔器とか、ゲルマニウム・ローラーとかは、もう不要です。

これが言いたくて、言いたくて。(笑)

しまった、実はすごく元気だということがバレる…。


 最後に<S>くん、ひとりぼっちでおるすばんさせてごめんなさい。

そして、ありがとう。

お疲れさま。

もうお互いに、何の義務も義理も存在しない、自然な情と思いやりだけでのんびり交流する、そんな関係になりましょう。

「距離」って、意識的に、がんばって、死に物狂いでとってるうちは、見かけだけの遠距離で、かえって離れられない、ということがあるかもしれません。

もっと肩の力を抜いて、ちがう場所から親しげに「おーい」と呼びかけるようなユルイ関係でいるうちに、自然にできていくのが「距離」なのでしょう。

だから、まずはここを散会しましょう。

来月からのことは、もう少し考えて、<S>くんとみなさんに、このブログを通してお返事いたしますね。
それまで、ボディとフェイシャルを磨いておきます。(笑


 それでは落ち葉の季節、秋のメランコリーに負けず、情緒のスパイスくらいに受けとめて、彩り豊かなこの季節を楽しみましょう。

みなさん、どうぞお元気で。





・・・というわけで、再びマイクをシバタに戻します。w

<K>サン、現地視察、気をつけて行ってきて。

無事の帰り以外は何も望みません。


<M>サンは予後も女磨きに余念がない様子。

あなたの元気はその美貌に宿るから。

気がすむまでやってください。w

来月からのことは無理しないでね。

業界が忙しい年末は様子を見て、年が明けてから考えてもいいじゃない。


さて、この記事本文だけご覧になった方には、なんだかよく事情が飲み込めないと思いますが、実は、はっきりとした事情なんてそもそもありません。

わたくしシバタは、今回のこの記事更新をもって、ここの管理人を引退することに致しました。

もともとここはBeehiveメンバーのMICHIOさんのIDによるブログで、一時的に留守番をつとめていただけですので、この度、その部屋の鍵を家主に返還することに致しました。

皆さまには、長らくお世話になりました。

今後は「Rの夜/Sの昼」 でのご交流を、よろしくお願いします。

あ、でもあそこは記事本文がいちいち長いので、義理がたく読破しないで、メッセージのある方は、最新記事の拍手コメや、「Sの昼」カテゴリーの最新記事コメ欄でも使ってください。



では、最後の決め言葉。

おするばん最終号、コメント欄 開放!!


  自分のことばかり考えていた


  自分の時計ばかり見て


  きみはきみの


  流れを生きているというのに




  「ただ漫然と


   待っていたわけじゃありません


   私にも時間が必要でした」


  きみの整理したかったことは何


  のりこえたかった人は誰




  ばかみたいに暑かったこの夏に


  汗ばんだ蹉跌を置いていこう


  今度は僕が待つから


  待つどころか


  どこへでも行って


  いっしょにのりこえてあげる


                <S>




好きな子に思いだけを告げたまま、中途半端に待たせていました。

俺に整理すべきことがあったからです。

そのゴタゴタを整理したというよりは、破綻の末に投げ出して、仕方ないから「卒業した」と言い換えて、俺の中で終止符を打ったのが8月。

その傷心に甘えてぐずぐずしていたのが9月。

でも、俺の中の時計は、俺の準備も待たずに出発の時を打ち鳴らし、俺を取り囲む状況が背中を押しました。


「待たせてごめん」。

そんな自己チューな言い草とともに、彼女のもとにおずおずと歩み寄ると、彼女はとまどった様子を見せました。

「もう少し時間がかかるかと思ってました。意外と早かったですね」

聞けば、整理すべきことがあるのは、俺だけじゃなかった。

彼女のほうにも、長年の確執から自由になるための闘いがあったようです。

「こちらも、もう少しです。必ず終わらせますから。もう少し待ってください」


彼女の真摯な眼差しに、思わず笑ってしまった俺。

なんだ、俺だけが一方的に待たせていたわけじゃないんだ、とホッとした気持ちと、それから、俺たち似たもの同士じゃん、という共感。

なんて愛しい偶然の一致。


いいよいいよ、お互いさまじゃん。

でも、もう俺が乗りこんだ以上、この流れは急流になるよ。

しっかり筏をこげ。

俺は、きみが投げ出されないよう、しっかり支えててやる。

そしていつか

あのフェンスのむこう

土手の向こうの

ススキとアワダチソウの深い森に

きみと埋もれたい昼休み。






連載 第7回  

「いけしゃあしゃあ Beehive語録」

                 



 ―― もうやめましょう
    今度こそ
    勝ち負けのない地平で
    あなたの臆病を抱きしめる
    避けつつ見据えていた
    あなたとの長い日々を
    今こそきちんと終わらせる
    それが
    あなたに会いに行く
    私の意味

                    <M>


  ('09年7/13  「再会 <M>version」  より)




昨年の夏、MICHIOさん、こんなの書いてたね。

その後、MICHIOさんは、そんな宿命の相手との間にピリオドを打つことができたのだろうか。

それとも。



 ―― 他人のふりしてたけど、遠くからずっと意識しあってた私達。
    悔しいけど「他人じゃないんだね」という確認をすることが、

    今回は「負け」ではなく、「終戦」となるような気がしたのです。



コメント欄に、こんなMICHIOさんの言葉をみつけました。


当時はわからなかった。

俺のMICHIOさんへの気持ちを知りながら、よくもこんなあてつけがましい記事を書けるものだと憤慨していました。

でも、今なら、こんな関係の異性が、誰の人生にも消えない染みのように存在することが、少しだけわかります。


完全に切れなくていい。

無理に終わらせなくていい。

消せない思いを抱きながらも、それとは別に新しい扉を開けて歩み出すことはできる。


いま俺を待たせている彼女に、そんな思いをこめて、陰ながらこの<M>さんの詞を贈りたい気持ちです。





今月の・・・ 

迷えるミツバチの 教えて! ビジター!」



読書の秋です。
みなさん、本読んでますか-。
ネットだの、ブログだの、電子書籍だの、文字媒体はもはや本だけではない世の中ですが。
たまには紙の手触りと匂いを味わいながら、本を手に、秋の木陰に
寝転んでみるのも悪くありません。
というわけで、出版不況の荒波に生きる、MICHIOサン応援企画。w


 最近読んで面白かった本はありますか。
 あるいは、過去に読んで印象に残っている本は。

 
俺は最近、「再読」ブーム。
以前読んで、書棚に眠っていた本を引っぱり出して、「へえ、こんな本読んだっけ」と思いながら再読してるこの頃です。
同じ本なのに、当時と今とでは、反応する箇所がちがうのが面白くて。
「つまんねえ」って思った本が、今読むと意外に深い内容だったり。
最近のシバタの読書履歴は、コメント欄で、気が向いたときにでもつらつら綴ってみます。


旅行は金がかかる。
休みをとって日常からトンズラするから、同僚にも迷惑かけるし。
でも、心の旅は手軽で自由ですね。
みなさん、本を読みましょう。

(MICHIOサン、このくらいでいい? w)


というわけで、今月もコメント欄、開放。






   蜩(ひぐらし)や 決意の庭に水をまく


 

   思われて思いて悔いなし 遠花火


   

                     <S>

 



入院中の病室から、前記事コメント欄に、<M>サンが真砂女ばりの自作句を贈ってくれました。

だから急遽、その返歌をもって、今月の記事とさせていただきます。


実は「9月号」の記事更新、迷ってたんだけど、あのまま蝉時雨に閉じ込められた8月を生きてはいけないような気がして。


今月、僕はまたひとつ歳をとります。

だからそろそろ、新たなスタートを切ろうと思います。







連載 第6回  

「いけしゃあしゃあ Beehive語録」

                 



―― 無言の中にすべてがある。

    いつだって

    語られない中に すべてが。

    そこだけ深くなりすぎて

    影さえ落とさぬ闇になっても。

                         <S>


  (嬉羅璃さんのブログ「日々のつれづれ・・・」

             '09年某月某日  某記事へのコメントより)




先日、ちょっとわけあって、ここによく顔を出してくれる嬉羅璃さんのブログの過去記事をぶらぶらさまよっていました。

そしたら、嬉羅璃さんの記事に寄せた、当時の自分のコメントを見つけてびっくり。

もう一年も前の日付だったので、どうしてこんなコメントを、どんな心境で投稿したのか、思い出せない。

まるで他人が書いたコメントの様な、しらじらしい気持ちでそれを読み返したわけなんだけど。

すんごいキザなんだ。

「慕情」というタイトルで、なんと自作詩をアップしてるんだよ。



 ―― 慕わしいなら

     近くにはいかない。

     それでつのる思いなら

     勝手につのらせておけ。


     会いたい人には

     会いに行かない。

     会わないことで

     救われる何かもある。


     金木犀が連れてくる

     むせかえる慕情。

     香りが目に見えぬように

     黙っていればわかりゃしないさ。 




コーナー冒頭の引用は、この自作詩の最後に、追伸のように附した<ひとりごと>でした。


ああ、あのままストイックに「勝手につのらせて」「会いに行かない」俺だったら。

この夏のゴタゴタと、ある女性の心身の健康は守られたのに。

無言でいられずに、すべてをぶちまけ、そして相手にもすべてを語ることを強要し、「影さえ落とさぬ闇」になるべきだった場所に、強烈な光と強風と狂騒を招き入れてしまった。

でも、おかげで、今やそこは白々と明るい無人の部屋となって、ようやくその扉を開け放って、僕は外の世界に出て行けそうです。


むせかえる慕情は、ほんのりと香る余情になって、いつか、許しを乞う気持ちも感謝の気持ちに変わるだろうか。


詩人気取りだった昨年の自分をからかいつつ、今年の僕は旅人気取りで、いろんな場所にでかけ、自分の小ささと世界の広さを実感しようと思います。

苔むすのはまだ早い。

旅人シバタ、あなたの街にも行くかもしれません。w


 ※今月の「教えて! ビジター!!」コーナーはお休みします。


  いつも、コメントのやりとりを通して、

  いろんなことを僕に教えてくれて、ありがとう。



  それでは、今後も引き続き、コメント欄、開放!