こんにちは。今回は、脊柱管狭窄症のしびれや痛みの原因を含めた病態について解説していきます。
①脊柱管狭窄症とは?
腰椎において神経組織と血管スペースが減少することにより、腰痛はなくてもよいが、殿部や下肢痛がみられる症候群(North,2013)と定義されています。腰痛があることが脊柱管狭窄症の条件では無いことに注意する必要があります。
そもそも脊柱管というのは、椎体と椎弓に囲まれた枠の中のことを指します。この脊柱管内が椎骨の変形や靭帯の肥厚、椎間板によって狭くなることを脊柱管が狭窄している状態と言えます。
②脊柱管狭窄症の診断基準は?
脊柱管狭窄症の診断基準としては以下の4つがポイントです(日本整形外科学会,2011)。
これだと画像所見が必要になるため、脊柱管狭窄症由来の疼痛・しびれかどうかの鑑別は難しいです。そのため、もう一つの診断サポートツールを紹介します。
特徴としては、①年齢、②動作評価、③ヘルニアや末梢動脈疾患との鑑別があります。
例えば、上記の「病歴」にある糖尿病や「身体所見」にあるABI(足関節上腕血圧比)は末梢動脈疾患との鑑別に必要な項目です。
つまり、脊柱管狭窄症は、腰椎ヘルニアと血管性疾患と症状が似ているため、評価を通して判断していかなければなりません。
③脊柱管狭窄症はなぜ痛みやしびれが生じるのか?
原因としては、神経内に存在する血管の狭窄が考えられます。
これは腕や足の部分的な血管ではなく、神経内の血管を指します。
神経内の血管には馴染みが無い方がほとんどだと思いますが、かなり細く、圧迫に弱いのが特徴です。
この神経線維が100万本の束となっているのが脊柱管を通る脊髄神経です。
この脊髄神経内にある神経を圧迫することによって、臀部や下肢にしびれを来すことになると予想されています。
ですので、脊柱管狭窄症は整形疾患ではありますが、病態的には神経内の血管を圧迫していることによって症状が出てくることから、見方を変えると血管性疾患と言えるかもしれません。
このしびれは正座を長時間した時に生じるしびれと一緒のものですが、脊柱管狭窄症はそのしびれがずっと続いている状態です。そのような血流障害が続き増悪してくると、運動時に十分に血流が行きわたらずに強いしびれや痛みを引き起こす場合があります。これを間欠性跛行と言います。
また、人によっては痙性のような筋緊張の増悪や腱反射の亢進など神経症状を認めることもあります。
④どんな治療が良い?
一般的にはコルセットの装着や運動などの保存療法と血液をサラサラにしたり神経の過剰反応を抑えるための薬物療法です。重症化してくると、脊柱管内を広げる手術療法が一般的になってきます(日本整形外科学会,2009)。また、神経に直接注射をする神経ブロック療法も有効とされています。
しかし、どの治療法でも完治するとは言いづらいのが脊柱管狭窄症の厄介なところでもあります。
それぞれの治療法がどのような効果があるのかを次回の記事で述べていきたいと思います。
引用文献
North American Spine Society(2013) ::An evidence-based clinical guideline for the diagnosis and treatment of degenerative lumbar spinal stenosis (update)
日本整形外科学会(2011):腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011
日本整形外科学会(2009):整形外科シリーズ8 腰部脊柱管狭窄症



