GPファイナル2026 マルセイユ

 

マルセイユ=プロバンス空港に12月6日到着。

飛行機の到着が大幅に遅れました。

 

 

 

12月7日

お誕生日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛行機の到着予定時刻から約1時間半遅れて現地入りした羽生。

22歳の誕生日を迎えた7日未明にマルセイユ市内のホテルで取材に応じ、「21歳の最後の試合(11月のNHK杯)もうまくできた。今年は健康な状態でファイナルに出られ、誕生日も迎えられたのはうれしい」と喜んだ。

 

 

笑い泣き2016 懐かしい~~~

 

 

 

 

 

オッドアイ猫長久保さんのカメラマンの方々のお話も大好き音符

 

 

 

 

カメラマンの1日は長い。朝はコックエリコ(おフランスのコケコッコー)の合唱の中を歩き、夜は街娼たちの視線を浴びながら帰る。今大会の1日を例に取れば、ジュニアの練習が始まるのが午前7時。競技が終わるのは午後10時30分。この時間になると百鬼夜行するのは万国共通だから、宿泊先が近いもの同士が隊列を組んで帰途につく。

 「写真撮ってもカメラは盗られるな」。各自200万円程度の機材が入ったバックを背負っての集団下校だ。 

 カメラマンたちは古くからの住人、新参者、旅人が入り交じって村のようなものを形成して暮らしている。

 

村長はデビッド・カーマイケル。表彰式などの撮影で真ん中に陣取る小柄なおじさんだ。教師生活30年、カメラマンとして第二の人生を送る幸せな人。選手に写真を頼む際には「ユヅル!スペシャルフォト フォー ミー」などと弱った老人を装うが、実は一番元気な75歳。

 住人の一人のNさんは羽生結弦選手の写真集などで著名な方。その一方でまかない料理人としての顔も持つ。今回も包丁、まな板、各種調味料をカバンに詰め込んでのマルセイユ入り。午前練習と競技開始までの少ない時間に地元の食材を仕込み、下ごしらえ、これにフィギュア愛をスパイスに加えて煮込んだ「Nさんカレー」は冷えた体と、日本食に飢えた心に優しい。「写真を撮ってるよりダシを取ってる時間の方が長い」という噂もある。

 

Tさんは選手に寄り添うことができるカメラマンだ。勝った選手と同等、あるいはそれ以上に負けた選手に声を掛ける人。ジュニア時代から築いた選手との信頼関係は強く、助けられることも度々だ。だが、撮影位置抽選で2日連続、25番(最下位)を引くなどクジ運が悪いのが玉にきず。彼が選手に言うように「大丈夫。次があるよ」と言ったが、聞いちゃいなかった。

 彼ら定住者と比べると、勝者に群がり、一騒ぎして帰って行くわれわれは旅人のようなもの。撮れる写真も違う。

 「こっち向いて」とか「笑顔で」という言葉が飛び交うメダルを持ってのフォトセッション。旅人はニッコリ写真は撮れるけど、無防備な本当の笑顔は撮れない。笑顔の「質」の違いにがく然とすることも度々だ。

 

 前回、お話しした羽生選手のリンクサイドのエピソードもN、T両カメラマンがそこにいたからできたこと。悔しいけれど撮らせてもらった感はある(いや、撮らせてもらったんですけど)。

 フィギュア・カメラマン村は居心地がよいので、旅人もついつい長逗留になりがちだ。でもデビット村長のように「スペシャルフォト フォー ミー」と言えるまでにはあと21年ほどかかるかな。(編集委員)