私の中に、これほどの母性があることを、今日まで知りませんでした。
スーパーマーケットにお買い物に行くと、入り口の外で、これ以上寂しい顔は無い! と言うくらいの表情を垂れ流しにする女児を発見。
思わず、声をかけずにはいられないほどでした。
レイ「どうしたのー? ひとりなのー?」
女児「ぅわぁああ〜!!」
女児は突如、私の足元に抱きついてきて、派手に泣き始めました。
パッと見た感じ、完全に親子です。
濡れると色が変わりやすい、カーキのパンツが一瞬でびしょびしょになりました。
見知らぬ子供が私に抱きついてきて、しかも大声で泣かれる。
初のシチュエーションに、私は戸惑いながらも「なんとしても、この子をレスキューしてやらねば!」とヤル気満々です。
レイ「ママはー? いなくなっちゃった?」
女児「う〜」
(↑涙と鼻水と汗でグチョグチョ)
レイ「スーパーでおかいものしてるかもしれないよー?」
女児 首を振る。(違うと言いたいらしい。)
レイ「ここまであるいてきたのー?」
女児「ワガラダイ〜」
(↑嗚咽しながら)
レイ「もしかしたら、おみせにママがいるかもしれないから、いってみよっ♪」
(↑若干テンションを上げてみる)
女児と手をつなぎ、店内に入りました。
女児が立ち尽くしていたのはスーパーマーケットの入口。
きっとママはお買い物中だと思ったのです。
女児から名前を聞き出せた私は、店内で迷子のお知らせを流してもらうことにしました。
力強く泣く女児。
スーパーマーケットの出入り口付近の人通りはとても多い。
中国の朝は早い。
通りすがるチャンジー、チャンネー、チャンオバ、みんなが女児に声をかけます。
チャンジー「オォーがんばれがんばれ!」
チャンネー「あららら。お母さん見つかるといいわねぇ」
そして、ここでチャンバー登場です!
チャンバー「私もね、なんだか寂しそうな顔した女の子だわー、と思って見てたのよー。やっぱり迷子だったのねぇ。だいじょうぶよー、ママ見つかるからね〜」
チャンバーが発する言葉は、やたらと説得力があると感じた、子育て経験がない若輩者の私。
店員さんに、迷子の店内放送をお願いしようと話していたら。。。
ママ「すみませ〜ん! うちの子です〜!」
女児「う泡絵かファぇぐまrl流gh前rghs痔gジャイrjたご;裏gじゃ;医j!!!!!」
言葉にならない言葉を発し、私の手を振りほどきママに抱きつき泣きわめく。
なぜかここで、私の目にも涙。
しかも、少量ではなく、隠しきれないほどの涙。
レイ「あぁ! よかったです〜! なんだか安心して、私まで涙が出てきちゃいました〜!」
ママ「(笑)どうもすみません、ありがとうございました〜!」
安堵、そして、女児が可愛すぎたために、涙がとめどなく出る私は、自分が泣いていることを周囲の人にバレぬよう、人が少ない缶詰コーナーで鯖の水煮缶を手に取り、なんとかやり過ごしました。
そして帰り道。
達成感、充実感、高揚、そして自分の中の超母性に驚きながら帰路に着きました。
エラく貴重な体験でした。