例えばいい男を連れてこいと言われたら読者諸君はどうするだろうか?
青二才の僕が選ぶ手段は一つしかない。

いかに華麗に鍋を振って胡椒のよく効いた例の奴を仕上げる人がいい男だと言えよう。

その事を自分で思いついて以来、男磨きとして無駄に薄く切った玉ねぎとベーコンを炒めている。

鍋の横では水を張ったフライパンに火をかけあぶくが出るのを待ち、その間に全卵1つと塩と生クリームとほんの少しの砂糖を混ぜる。

水がそろそろ良いんでないかいとポツリと呟けば、右手で計測しておいたパスタを突っ込む。

パスタの茹で加減とは大事で特にこのカルボナーラを作るときは気持ちのアルデンテである必要がある。
真剣に鍋を見つめたまに一本取って食べたりする。首を傾けたら、もうそれは街ゆく乙女が振り返ること請け合いである。

茹であがりにバターを加えほぐしてやり、具と一緒に軽く炒め、牛乳で伸ばしたチーズと卵液を入れればカルボナーラが出来上がる。

この手順を踏まえて作ればいい男といえると僕は思ってる。しかし、台所で行ってる格闘は街ゆく乙女には伝わらない。
残念。