ロマンスグレーの大人達はちょっと激怒した。
かの邪知暴虐のコーヒー王を除かなければならないと決意した。

二人の男は足を止めて同時に口を開いた。
「なんて愚かなのだ。」
それから顔を合わせて半ば興奮気味に話し始めた。

「何が楽しくてあんな物を買う為に並んでいるのでしょうね」
「まったくその通りです。流行りだかなんだか知らないけど、生クリームと甘いソースでゴテゴテになったものを飲むなんて、正気の沙汰では無い」
「珈琲のこの字も販売していないのに珈琲店と名乗るなんてはなはだ可笑しい」

1人の男は口を止める、
「あの、あなたはコーヒー嫌いですよね?」
「いえ、愛していますが」
「なのにコーヒー店が嫌いなんですよね?何故?」
「ほらみて下さい。無垢な珈琲達がああして、生クリームや砂糖、キャラメルソースで脚色されていきます。あれを見て胸にくるでしょう」

道路をわたる人々は向かい合って無言で向き合ってる大人達を横目に立ち去っていく。

「君はアレかコーヒーをわざわざ珈琲とか言い直すような腐れ外道だな」
「そんな、同志だったと思ったのに…」

かくして、ロマンスグレーの大人達の口論の火ぶたが落とされた。

次回に続く
書いてる人は全然スタバ行ってしまう人です。申し訳ないです。