どうも!
たまに食の審査員をしている姫です。
先日、協同組合全日本洋菓子工業会(世界洋菓子・パン連盟日本本部)主催の
『ROLL-1(ロールワン)グランプリ/第4回 スイーツコンテスト』の最終審査に行ってまいりました。
審査開始の様子
このコンテストでは、全国の洋菓子店等からロールケーキを募集して、
上野毛にある日本菓子専門学校で行われた13名がファイナリストとして最終審査に挑みました。
ファイナリスト達のロールケーキのラインナップ
長さは規定があるのですが、太さと高さは自由なので、
厚みがの違った色とりどりの作品が並んでました。
食べてみると、もっと個性豊かなことに驚くものばかりでした。
ここからは、ファイナリストの商品をご紹介します。
それぞれ審査では試食用にカットされての提供でした。
1.北海道酒薫ロール
「パティスリー フレール」の古賀義和さんの作品です。
北海道の深川産ふっくりんこの米粉、小樽市田中酒造の大吟醸の酒粕を生地にしてます。
酒まんじゅうからヒントを得て大手亡豆の白あんをムースリーヌに使用してます。
甘酒にも通じるほんのり甘い香り、そしてしっとり感が心地良かったです。
2.会津味噌ロール
「柏屋」の遠藤聡美さんの作品です。
福島県会津創業130余年会津天宝酒造の会津味噌、福島県の米粉、もち粉、豆乳を仕様してます。
穀物を中心とした素材で広大で豊かな田畑を粉糖で雪国の景色のように表現してます。
グラノーラのクリスピーな食感も好きだけれも、お米を主とした和の表現力も素敵でした。
3.黒糖くるみロール
「ダロワイヨ・ジャポン」の高橋光行さんの作品です。
母方のご実家で東北の銘菓胡桃ゆべしからヒントを得て、岩手の鬼クルミ、奇跡の醤、
沖縄の黒糖にあう素材を徹底的に探してます。
ロールケーキだけれどもゆべしの要素が上手に入っていてハイブリッドスイーツな感じがしました。
4.ジャガイモロール
「文明堂壱番館」の遠藤亜耶さんの作品です。
ご両親の新婚旅行先北海道の特産ジャガイモをシフォン生地にしてます。
でんぷん質に米粉を加えてもちもちしていてシフォンケーキの軽さがありました。
オレンジピールが入っていて、甘味が引き立っていました。
5.太陽のグリーンロール
「シンガポール・リパブリック品川」の山﨑隆光さんの作品です。
出身地千葉はほうれん草の出荷が全国1位。
野菜嫌いの息子さんにおいしく食べてもらいたいという想いから
ほうれん草のピュレを生地に練りこみ、ミニトマトは桃風味のコンポートに、
人参はプリンにして、野菜を食べやすくしてました。
素材の味がするけれど、原型がないから先入観がなくなって面白かったです。
6.京都丹波栗ロール
「エコール・クリオロ」の中塚隆雄さんの作品です。
故郷の秋の味覚丹波栗を使用。
京都丹後の琴引の塩をキャラメルにし、まろやかな仕上がり。
牛乳は京都美山町でとれた美山牛乳を使用し、京都愛を感じるロールケーキでした。
産地はこだわっていても素材の組み合わせはオーソドックス。
焼きむらがなく美しいだけでなく、安定した美味しさも感じました。
7.房総ピーナッツロール
「ラ パティスリー ベルジュ」の浅井加奈子さんの作品です。
ベルギー修行時代のお気に入りのボンボンショコラの素材がピーナッツ。
千葉の特産品の一つ落花生を使ってました。
ふわっとした生地にピーナッツがアクセントになっていました。
ピーナッツバターが人気なだけでなくバタークリームが保存性にも優れいてる
そういったことも考えられてました。
8.千の恩恵(千葉の恵みに感謝)
「新横浜プリンホテル」の小形真衣さんの作品です。
千葉県といえば、落花生。祖母の作った落花生の煮豆を思い出してすり潰し、
美しい緑色をしたサラダ菜のロール生地の食感に合うように餡にしてます。
朝収穫したばかりのいちじくのコンポートを中央に入れてます。
餡だけでなくフルーティーなコンポートまで入れる発想に驚きました。
9.珈琲ロール(思い出の香り)
「和楽 紅屋」の宇野博文さんの作品です。
地元岐阜といえば喫茶店で珈琲を飲む文化が根づいており、
コーヒー生地にラム酒で香りを楽しむベースを作りました。
さらに岐阜の特産「ぽろたん」を焼き栗にして鬼皮から丁寧に剥がしたものを中に入れて巻いてます。
これに合わすビターな珈琲を考えたくなる味でした。
10.宇治抹茶とほうじ茶ロール~源氏恋絵巻~
「伊藤久右衛門」の吉本多可人さんの作品です。
宇治茶の美味しさを広めたいという思いで、宇治の抹茶とほうじ茶を使用してます。
宇治は源氏物語縁の地ということで、源氏物語の絵巻物のような形にしてます。
お茶の配合やクリームチーズの合わせ方が上手でした。
表面のざらめ糖は食感に斬新さを与えてました。
11.柚子薫る京蜂蜜ロール
「マールブランシュ」の吉井敦希さんの作品です。
京都水尾の柚子と相性抜群の丹波の山椒から採れる蜂蜜を合わせてます。
すっと鼻に抜ける香りが印象的でした。
12.千時(せんと)ロール
「ホテルグランヴィア大阪」の市原健太郎さんの作品です。
奈良の高級な吉野葛を使用し、きめが細かくて上品な生地でした。
奈良の名産富有柿のバニラ香るマルムナードのジュレ、
餡ときなこのクリーム、
これらがまとまりよく感じました。
13.瀬戸風ブラッドオレンジロール
「一六本舗」の黒佐藤洋一さんの作品です。
柑橘大国愛媛宇和島で育ったブラッドオレンジの果汁を使用。
ブラッドオレンジのクリームとカスタードショコラの組み合わせは、
オランジェットを思い出しベースからアイディアへの革新を感じます。
表面はメレンゲと瀬戸産のレモンゼストで表現力の深さを感じました。
以上、13作品です。
審査基準は、味覚、独創性・デザイン性、特産品の活かし方・ストーリー性、市場性です。
いくら味が良くても、コンセプトが不明だったり、目新しさがなかったり、持ち歩きや時間がたってからの状態が向いてなかったら
好評かにはならないのです。
そして、審査です。
3位は、中塚隆雄の京都丹波栗ロールで、
2位と農林水産省 食料産業局長賞は、古田義和さんの北海道酒薫ロールでした。
どちらも上位になることは姫も予想してました。
市販されていても納得のいく見た目や味でした。
グランプリの発表
グランプリは、浅井加奈子さんの房総ピーナッツロールでした。
浅井さんはひと際目立つほどプレゼンまで好印象で、特産品の魅力を引きだすロールケーキを作ってました。
96名の中から、一位に輝くことはすごいことであり、
皆様、一生懸命頑張ってここまで来れた苦労を考えると、
職人さんって器用さだけでなく努力と発想力そして真心など色んな力量があってこそなんだと思いました。
ロールケーキ 想いを巻いて 世界広がる ~姫心の俳句よリ~
ROLL-1(ロールワン)グランプリ/第4回 スイーツコンテストの特設サイトは、こちら
たまに食の審査員をしている姫です。
先日、協同組合全日本洋菓子工業会(世界洋菓子・パン連盟日本本部)主催の
『ROLL-1(ロールワン)グランプリ/第4回 スイーツコンテスト』の最終審査に行ってまいりました。
審査開始の様子
このコンテストでは、全国の洋菓子店等からロールケーキを募集して、
上野毛にある日本菓子専門学校で行われた13名がファイナリストとして最終審査に挑みました。
ファイナリスト達のロールケーキのラインナップ
長さは規定があるのですが、太さと高さは自由なので、
厚みがの違った色とりどりの作品が並んでました。
食べてみると、もっと個性豊かなことに驚くものばかりでした。
ここからは、ファイナリストの商品をご紹介します。
それぞれ審査では試食用にカットされての提供でした。
1.北海道酒薫ロール
「パティスリー フレール」の古賀義和さんの作品です。
北海道の深川産ふっくりんこの米粉、小樽市田中酒造の大吟醸の酒粕を生地にしてます。
酒まんじゅうからヒントを得て大手亡豆の白あんをムースリーヌに使用してます。
甘酒にも通じるほんのり甘い香り、そしてしっとり感が心地良かったです。
2.会津味噌ロール
「柏屋」の遠藤聡美さんの作品です。
福島県会津創業130余年会津天宝酒造の会津味噌、福島県の米粉、もち粉、豆乳を仕様してます。
穀物を中心とした素材で広大で豊かな田畑を粉糖で雪国の景色のように表現してます。
グラノーラのクリスピーな食感も好きだけれも、お米を主とした和の表現力も素敵でした。
3.黒糖くるみロール
「ダロワイヨ・ジャポン」の高橋光行さんの作品です。
母方のご実家で東北の銘菓胡桃ゆべしからヒントを得て、岩手の鬼クルミ、奇跡の醤、
沖縄の黒糖にあう素材を徹底的に探してます。
ロールケーキだけれどもゆべしの要素が上手に入っていてハイブリッドスイーツな感じがしました。
4.ジャガイモロール
「文明堂壱番館」の遠藤亜耶さんの作品です。
ご両親の新婚旅行先北海道の特産ジャガイモをシフォン生地にしてます。
でんぷん質に米粉を加えてもちもちしていてシフォンケーキの軽さがありました。
オレンジピールが入っていて、甘味が引き立っていました。
5.太陽のグリーンロール
「シンガポール・リパブリック品川」の山﨑隆光さんの作品です。
出身地千葉はほうれん草の出荷が全国1位。
野菜嫌いの息子さんにおいしく食べてもらいたいという想いから
ほうれん草のピュレを生地に練りこみ、ミニトマトは桃風味のコンポートに、
人参はプリンにして、野菜を食べやすくしてました。
素材の味がするけれど、原型がないから先入観がなくなって面白かったです。
6.京都丹波栗ロール
「エコール・クリオロ」の中塚隆雄さんの作品です。
故郷の秋の味覚丹波栗を使用。
京都丹後の琴引の塩をキャラメルにし、まろやかな仕上がり。
牛乳は京都美山町でとれた美山牛乳を使用し、京都愛を感じるロールケーキでした。
産地はこだわっていても素材の組み合わせはオーソドックス。
焼きむらがなく美しいだけでなく、安定した美味しさも感じました。
7.房総ピーナッツロール
「ラ パティスリー ベルジュ」の浅井加奈子さんの作品です。
ベルギー修行時代のお気に入りのボンボンショコラの素材がピーナッツ。
千葉の特産品の一つ落花生を使ってました。
ふわっとした生地にピーナッツがアクセントになっていました。
ピーナッツバターが人気なだけでなくバタークリームが保存性にも優れいてる
そういったことも考えられてました。
8.千の恩恵(千葉の恵みに感謝)
「新横浜プリンホテル」の小形真衣さんの作品です。
千葉県といえば、落花生。祖母の作った落花生の煮豆を思い出してすり潰し、
美しい緑色をしたサラダ菜のロール生地の食感に合うように餡にしてます。
朝収穫したばかりのいちじくのコンポートを中央に入れてます。
餡だけでなくフルーティーなコンポートまで入れる発想に驚きました。
9.珈琲ロール(思い出の香り)
「和楽 紅屋」の宇野博文さんの作品です。
地元岐阜といえば喫茶店で珈琲を飲む文化が根づいており、
コーヒー生地にラム酒で香りを楽しむベースを作りました。
さらに岐阜の特産「ぽろたん」を焼き栗にして鬼皮から丁寧に剥がしたものを中に入れて巻いてます。
これに合わすビターな珈琲を考えたくなる味でした。
10.宇治抹茶とほうじ茶ロール~源氏恋絵巻~
「伊藤久右衛門」の吉本多可人さんの作品です。
宇治茶の美味しさを広めたいという思いで、宇治の抹茶とほうじ茶を使用してます。
宇治は源氏物語縁の地ということで、源氏物語の絵巻物のような形にしてます。
お茶の配合やクリームチーズの合わせ方が上手でした。
表面のざらめ糖は食感に斬新さを与えてました。
11.柚子薫る京蜂蜜ロール
「マールブランシュ」の吉井敦希さんの作品です。
京都水尾の柚子と相性抜群の丹波の山椒から採れる蜂蜜を合わせてます。
すっと鼻に抜ける香りが印象的でした。
12.千時(せんと)ロール
「ホテルグランヴィア大阪」の市原健太郎さんの作品です。
奈良の高級な吉野葛を使用し、きめが細かくて上品な生地でした。
奈良の名産富有柿のバニラ香るマルムナードのジュレ、
餡ときなこのクリーム、
これらがまとまりよく感じました。
13.瀬戸風ブラッドオレンジロール
「一六本舗」の黒佐藤洋一さんの作品です。
柑橘大国愛媛宇和島で育ったブラッドオレンジの果汁を使用。
ブラッドオレンジのクリームとカスタードショコラの組み合わせは、
オランジェットを思い出しベースからアイディアへの革新を感じます。
表面はメレンゲと瀬戸産のレモンゼストで表現力の深さを感じました。
以上、13作品です。
審査基準は、味覚、独創性・デザイン性、特産品の活かし方・ストーリー性、市場性です。
いくら味が良くても、コンセプトが不明だったり、目新しさがなかったり、持ち歩きや時間がたってからの状態が向いてなかったら
好評かにはならないのです。
そして、審査です。
3位は、中塚隆雄の京都丹波栗ロールで、
2位と農林水産省 食料産業局長賞は、古田義和さんの北海道酒薫ロールでした。
どちらも上位になることは姫も予想してました。
市販されていても納得のいく見た目や味でした。
グランプリの発表
グランプリは、浅井加奈子さんの房総ピーナッツロールでした。
浅井さんはひと際目立つほどプレゼンまで好印象で、特産品の魅力を引きだすロールケーキを作ってました。
96名の中から、一位に輝くことはすごいことであり、
皆様、一生懸命頑張ってここまで来れた苦労を考えると、
職人さんって器用さだけでなく努力と発想力そして真心など色んな力量があってこそなんだと思いました。
ロールケーキ 想いを巻いて 世界広がる ~姫心の俳句よリ~
ROLL-1(ロールワン)グランプリ/第4回 スイーツコンテストの特設サイトは、こちら