どうも!
熟成された食べ物にはまっている姫です。おじぎ

熟成といえば熟成肉なら最近扱っているお店が増えてますが、
熟成させた魚を寿司ネタに使うお店があると友人からオススメされ、行ってまいりました。

トゥ

外観
外観

こちらは、二子玉川の閑静な住宅街に佇むこちらは、ミシュランの星付きのお寿司屋さんです。
営業時間は、昼は12時から14時までの1部制で、
夜は17時30分から19時までと19時30分から22時までの2部制です。
グルメな先輩が2か月前から夜19時30分からの部を予約してくださいました。

夜は、おまかせコース15,000円(税別)のみ。

普段そんな高価なお寿司を食べる機会はありませんので、
熟成されたお魚について学ぶ自己投資だと思って行きました。
そして、姫のような経験値でお寿司を語るにはまだ早いと思いながらも、
この感動を書かずにはいらず、この場で、ご紹介させていただきます。

店主木村康司氏
店主木村康司氏

店内は、カウンターで8席のみで
ネタのケースに遮られることなく店主の手わざを眺められます。
丁寧に説明してくださるので、理解を深められて味わいが増しました。
こちらで扱うお魚は、全て寝かして熟成させています。
今の便利な世の中において、冷蔵という保存環境は整っているにも関わらず、
寿司ネタをあえて熟成させる手法を選んでいるのは、
流行に左右されてからではありませんでした。
熟れ鮨や江戸前寿司の歴史を紐解くと、
伝統を重んじ、お魚を柔らかくさせて旨味を引き出すことが理にかなっているということがわかります。
しかも、店主は、お魚によっては長期熟成させた方が、ますます美味しくなるという事を知りつくし、
大切に寝かしたものを、お客様にベストな状態で提供されているのでした。
このネタに合うシャリは、北海道や福井のお米をやや硬めに炊き、
京都・宮津の富士酢(米酢と赤酢)を合わしてます。
柔らかく旨味が凝縮されたネタはねっとりとしており、
しっかりした歯ごたえとまろやかな酸味のお米に相性ぴったりでした。
醤油に頼らず、旨味、酸味、甘味で感動させる構図ができあがっていました。
薬味やおぼろはのせずネタとシャリの間に納め、食べやすい工夫までなされてました。

おっと、
感動が前へ出て総評から入ってしまいました。
では、実際にオーダーした逸品ぞろいをご紹介します。

お燗
お燗 (滋賀県七本槍)

日本は、冬の寒さがあるからこそ、
こういった温かい日本酒がたまらなく恋しく、
嗜むことで満たされました。

マテ貝
マテ貝

まずは、貝から始まりました。
弾力があるマテ貝の身を酒蒸しした出汁と共にいただきました。

あん肝
あん肝

冬の味覚あん肝は濃厚で舌触り良く、山椒がアクセントになっていました。

蛤のリゾット
蛤のリゾット

蛤は身だけでなく出汁も使用し、シャリ(酢飯)でリゾット仕立てにしてました。

ナメタガレイ
ナメタガレイ

脂のノリが良いので、煮物ではなく焼き物でひきしまってました。

カジキの生ハム
カジキの生ハム

9ヶ月の熟成ものでした。お魚を燻すことで、お肉に通ずる良い香りがしました。

白子のすりながし
鱈の白子

白子をすりながしにしているので、とても滑らかでとろみがあるスープのようです。
柚子をちらしているので爽やかな香りも楽しめました。

ガリ
ガリ

生姜の甘酢漬けの塊を一個ずつスライスしてからお客様一人一人のお皿にのせていました。
一仕事多くなるのにあえて時間を見計らって用意する姿勢を見て、また真心を感じました。
そして、いよいよ寿司が来ることへの合図でもありました。

鰆
鰆(さわら)

1ヶ月弱熟成してます。
西京焼きで慣れている鰆が、熟成させることで口でとろける程様変わりするとは驚きでした。

小鯛
小鯛

始めに少々昆布〆してから1週間熟成してます。身がしまってエレガントさが増してました。

きんめ
きんめ

1ヶ月弱熟成してます。
きんめは生臭さが気になるから煮つけにしがちですが、熟成後はこの厚みでも匂いが気になりませんでした。

鱚
鱚(きす)

1週間熟成の鱚とシャリの間に芝海老のおぼろを入れてます。
一般的に白身魚をおぼろにするけれど芝海老で高級店のこだわりがありました。
表面ではわからず舌と脳で気がつく粋な計らいでした。

冷酒 東洋美人
冷酒(日本酒"東洋美人")

細やかな動きの女将さんから本日の日本酒のリストを頂き、
11種類(純米吟醸5種、純米酒6種)の中からこちらを選びました。
すっきりと飲みやすくお寿司との合間に良い透明感ある美酒でした。

カンパチ
カンパチ

熟成期間40日超えのカンパチは、普段お刺身で頂くものとは全く違い、とろける美味しさでした。

かわはぎ
かわはぎ

1週間程熟成してました。肝とネギを間に入れ、口の中で一貫が1つのお料理のようでした。

鯵


1週間熟成してます。身が綺麗についていて、食べやすかったです。

北寄貝
北寄貝

包丁使いが良いので、貝の食感をより楽しめました。

カンパチ
カジキ

軽くヅケにしてから50日熟成してます。ねっとりしていてシャリを包み込んでました。

筋子
筋子 

あえて、軍艦巻きのように海苔を使わずとも、粒が綺麗にくっついていて口の中ではじけました。

ご飯もの
ご飯もの

シャリの上に、1週間熟成した鰯、生姜汁、海苔、葱、芽ネギをのせてました。
こんな丼ぶり屋さんがあったら、通いたいです!

車海老
車海老

紅白の美しい色で綺麗に背が伸びた車海老は、歯応えがしっかりしてました。

鰤


1ヶ月熟成してました。脂が乗っているのに酸化してなくて食べ応えがありました。

こはだ
こはだ

1週間熟成してました。皮目が栄える切り方で、丁寧な仕事をしていることがわかりますね。

煮穴子
煮穴子

タレが少々で、甘味より旨味が印象的でした。

玉子
玉子

3,4時間炭でゆっくり焼き、表面固まっているのですが、中はゆるやかな状態です。
最後を締めくくるにふさわしい優しい甘さが滋味深く心に残りました。

以上、飲み物代を入れるとお会計が一人20,000円位になってしまいましたが、
店主の時間をかけて大切にしてきたものをいただき、職人技まで見られ、
味まで素晴らしかったので、大満足でした。

次回は、両親を接待したいと思って、
予約ができるか店主に聞いたら、
やはり2か月先まで満席なんですって。
常連様プラス新規のお客様でうまってしまうのですね。
店主が熟成をその先にある美味しい状態の為に待つ忍耐力があるように、
姫も先の予約を気長に待って、期待をふくらまそうと思います。

二子玉川 話のネタに 寿司のネタ ~姫心俳句より~
 
▼店舗情報▼
所在地:東京都世田谷区玉川3-21-8
TEL:03-3707-6355