相太の頭 Part 2 | フーリガン通信

相太の頭 Part 2



平山相太。


この男が記念すべきA代表のピッチに立ったのは先のイエメン戦のこと。


25歳。国見高校時代からその名は全国に轟き、北京五輪の本大会のメンバーに漏れるまでは、常に年代別代表はもちろん、飛び級で一年代上の代表に選ばれていた“怪物”のA代表デビューとしては、遅すぎたデビューと言えよう。それゆえに、彼のイエメンでのハットトリックの大活躍に、翌日の多くのメディアには“覚醒”という文字が大きく躍った。


得点だけではない。昨シーズンの平山はFC東京で城福監督の下で、守備や連動などプレーの幅を広げ、“覚醒”の予感はあったが、彼は今回の標高2300mの高地サヌアでも良く走り、良く守り、かつての「守れない、走れない」というイメージを払拭したようだ。



その証拠に、指揮官・岡田監督も平山については、「3点はものすごく評価すべき」、「練習や途中出場した際の意欲に非常に強いものを感じた」、「ひょっとしたらチームに割って入る可能性を持っているかも」と、その活躍を極めて高く評価した。


しかし、平山は自身の活躍にも浮かれていない。岡田監督のサッカーについて「攻撃も守備も理解できた」とその手ごたえを口にはしたものの、記者からの質問については以下のように大人のコメントを残した。


記者: 代表への意欲は?

平山: 全然ない。

     もう今年は自分がやることをしっかりやるだけで、代表とかより、自分自身をしっかり見つめたい。

記者: アジア杯予選突破についてどう思う?

平山: 本当に勝って良かった。

記者: ヘラクレス時代から成長した点は?

平山: 体が軽くなったというか、日本のサッカーに合うようになってきたかなと思う。


そして、帰国後、大人になった相太に素晴らしいニュースが届いた。1月25日からの指宿合宿と2月のキリンチャレンジカップ・ベネズエラ戦の日本代表に招集されたのである。ご存知の通りイエメン戦は若手中心の“B代表”のようなもの。正真正銘のA代表に初選出である。



過去に何度もその“覚醒”が伝えられたながらその期待を裏切ってきた相太の、“真の覚醒”の時がやってきたのである。私は密かに、彼の成長に胸が熱くなった。

(※ 期待を裏切ってきた相太の過去についてはバックナンバーを参照 ⇒ “相太の頭”


そんな矢先、今朝のネットのニュースでこの写真を見つけた。


写真


左の色紙は平山がこれまで使っていた漢字のサイン。そして右の南アフリカW杯の公式球「ジャブラニ」にアルファベットで"Sota"の文字・・・


「平山は、クラブスタッフからサポーターに贈るボールへのサインを求められると、アルファベットの新サインをつづり「海外仕様っす」とニヤリ。日本代表生き残りをかける平山だが、早くもW杯をにらんだ新サインを披露した。」


代表の合宿に一回呼ばれただけでこの有様・・・


このバカの“覚醒”はまだまだ先のようだ。


魂のフーリガン