【相太の頭】 | フーリガン通信

【相太の頭】

途中経過をネットで見たときは前半で3-1のリード。今期勝ちどころか1点も取れていない浦和が、しかも3点はエジミウソンのハットトリック。代表抜きのナビスコ杯であっても、相手はJ1復帰組の京都。これでやっと一息つけるかと思っていたが、何と結果は3-3。浦和の今期の苦戦を予想した私であるが、ここまで重症とは。坪井も代表に復帰した方が良かったかも知れない・・・

まあ、浦和の話を続けてもズルズル行ってしまいそうなので、今回は今年本番の北京五輪を迎える反町ジャパンの話である。

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321日に発表された327U-23日本代表のアンゴラ戦のメンバーから平山相太(FC東京)が外れた。今回トップとして呼ばれたのはJ2山形の長身FW豊田。本来なら最終予選終盤でユース世代から抜擢されて活躍し、2月のU-23米国遠征でハットトリックを上げるなど好調だった“デカモリシ”森島康仁が一番手であろうが、彼は帰国後発症した腰痛に苦しんでいる。ならば米国遠征でも得点し、Jでも得点している平山が選ばれるのが当然なのに・・・

五輪世代で一番ネームバリューがある“平山”のまさかの落選(とは言ってもこのゲームだけなのだが)に、記者会見の会場も色めき立ち、すぐに記者から質問が飛んだ。そしてこの想定内の質問に対し、反町監督は「お望み通りの質問でありがとうございます。」と笑みを浮かべた上で、次のように答えた。

「今シーズンに入ってから、1枚も2枚もカードが出てきた中で、相太に関して言うと、まだ1枚むけていないかなというところから判断しました。チームの立ち上げから、かなり相太を呼んでチームに貢献してもらったのですが、実力社会の部分も当然ありますので。ここからは、ぜひ、ガムシャラになって、再び(代表に)呼ばれる状態になってほしいと思います。」

今回のアンゴラはA代表であり、反町監督も「北京で戦えるメンバーを見つけ出すため」のゲームと位置づけている。“闘えるメンバー”が「いないから探す」のか「既にいるけど他にも探す」かによってその意味も違うものとなるが、更なるアピールが必要な立場にあり、怪我もしていない平山にその機会が与えられず、代わりに呼ばれたのは再招集のJ2選手・・・。普通の選手なら、そんな状況でこのコメントを聞いてどう反応するだろう。

しかし、当の平山はマスコミにこう答えたという。

「ひと皮むければチャンスがあるので、コツコツと頑張りたい。」


そういうことじゃないだろ!! 反町監督はお前に奮起を期待したのだ。いまひとつパッとしないお前に“警鐘”を鳴らしたのだ。「お前にもプライドがあるだろ! 悔しかったらJで結果を出してみろ!!」と、彼はそう言っているのだ。だいたい「1枚も2枚も新たなカード」が出てきた中で、自分が「まだまだ」と指摘されているのに、言われたまま「一皮むければチャンスがある」と考えること自体が甘いだろう。最低でも“二皮”一気に、それも「剥ける」のを待つのではなく、自分で強引に「剥かなければならない」のだ。さらにこの期に及んで「コツコツ」などと言っている場合か! 「すぐに」結果を出さなければ、後はないのだ。反町は「ガムシャラに」と言っているではないか! あのラモス御大なら間違いなくマスコミに当り散らして、こう吐き捨てるに違いない。 「ふざけるなっ! 冗談じゃないよ!!」 そして次のJリーグ・マッチで誰にも文句を言わせない圧倒的な存在感を示し、自分を選ばなかった監督に「見たか! 」という明確なメッセージを叩き返すだろう。


平山相太の能力は誰もが認めるところであるが、この男、ヘディングは強いが頭は弱い。超高校級CFとして名を馳せた国見高校から卒業する時は、Jリーグや海外クラブからの多数の誘いを蹴って「将来は指導者になりたい」と言って筑波大学に進んだ。しかし、その高い志があるなら初志貫徹すべきであるのに、結局中途で大学を自主退学してオランダのヘラクレスでプロとなる。


そうは言ってもJリーガーを経ずして移籍金なしに海外でプロになるという新たな道を開拓し、最初のシーズンはデビュー戦での2得点を含め8得点と活躍。順風満帆かと思いきや、2年目は1試合出場時点で、クラブの会長が元気のない平山に奮起を促すために「やる気がないなら出ていってもいい」と言ったところ、彼はそのまま戦力外通告と受け止め退団。実はオランダの生活になじめず、日本が恋しくて仕方がなかった平山にとっては渡りに船で、失意どころか笑顔で帰国したのだ。そして「オランダでは言葉がわからず、自分の主張ができなかった。」との言い訳・・・だったらオランダ語を勉強しろ!! と藤田俊哉や小野伸二が怒ったかどうかは定かではないが、少なくとも私は大いに怒った。「指導者になる夢」を断ち切ってオランダに行った覚悟は所詮そんなものだったのだ。


そんな平山でも帰国後は多くのJクラブからの勧誘を受け、結局本人曰く「楽しそうだから」という理由でFC東京に入団。その上あろうことか「大学に復学したい」と言い出した。当然の事ながらこの“二足のわらじ”は実現しないが、自主退学しておきながら、プロでありながらのあまりに甘い考えには非難が集中した。しかし、それでも推定年俸5000万円。まったく“子供”を甘やかすにも程がある。その分活躍してくれればまだ許せるが、結局は反町監督の「一皮剥けない」という評価の通りである。


それでも、平山は北京五輪代表の最終メンバーに選ばれるだろう。こんな平山に期待をせざるを得ないのが日本代表の現状なのだ・・・もう、この際ラモスでも柱谷哲二でもいい。平山の頭に“強烈な蹴り”を一発入れてくれ!! 俺が許す!! それであのボンクラが覚醒してくれればしめたものだ。もっとも、私はあまり期待していないが・・・


魂のフーリガン