連絡先を交換してから
数日後にメールが来て
そこから僕らは毎日連絡をとった。
落ち込んでいた僕にとって
君からのメールは癒しだった。
『何て呼んだら良いですか?』
「…おっぱ」
『おっぱ?おっぱって何?』
「韓国で年上の男の人を
呼んだりするときに使う言葉だよ」
それも親しい人で
好意的な感情を持った人に。
だから君には"おっぱ"と呼んで
欲しかったのかもしれない。
『じゃあ"おっぱ"って呼びますね』
「君は?」
『心』
「心ちゃん?」
『うん』
「良い名前だね」
僕が歌手だということも
手術をすることも
彼女には言わなかった。
何の先入観も無く
ただ一人の男として
見て欲しかったんだ。
「社会人2年目かぁ。
じゃあ僕より1つ下だ」
『今年から部署が変わって
まだ仕事に慣れないの…』
「だからあの時
あんなに飲んでたの?ㅋㅋ」
『それもあるけど…
彼氏に振られたのもある(笑)』
他愛もない話を沢山して
忙しくても仕事の合間に
必ず連絡を取った。
手術の前日には
「ごめん、明日から少しの間
電話はできない」
『全然いいよ、
メールも返せる時に
返してくれたらいいよ』
理由は聞いてこない。
僕の言うことを
そのまま受け入れてくれて
優しい言葉で返してくれる。
そんな君だから心地良かった。
いつの間にか君の存在は
僕にとって必要不可欠で
心の支えになってたんだ。
「9月3日に日本に行くから
その時会えるよ」
TGC出演を控えた僕らは
日本で少し自由な時間を
与えられた。
『本当?やっと会えるね』
僕も君にずっと
会いたかったんだ。
「案内してくれる?」
『もちろん!
行きたい所に
連れて行ってあげるよ^^』
正直君の顔を
はっきりと思い出せなかったけど
それでも僕はもう
君のことを好きになっていた。