プロローグはこちら★  


特別捜査密着24時 番外編です!!

これからプレイ予定の人はバックしてくださいっ( ̄* ̄ )


今回も"櫻井あず"でレポしてまいります!!


:*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'::*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'゜::*'



1日だけ一緒に取ることができた夏季休暇。

私のリクエストで洋さんの地元の海に遊びに行くことになった。

明日も仕事だから、今夜はゆっくり休んで欲しくて、日帰り設定にしてある。

抜かりはない。


(まだかな)


洋さんが迎えに来てくれるまで待ちきれなくて、約束の時間まではあと5分あるのに、

そわそわとアパートの前をうろつく。


(まるで子供だ)


洋さんの車を探しながら、自分を笑っていると、目の前に一台の大きなハーレーが止まった。


あず 『・・・・・・』


桐沢 『あず、どうしたんだ?中で待ってればよかったのに』


あず 『あれ、洋さん!?車はっ!?』


大きな車のRV車に絞って探していたせいで、目の前に来るまで気付かなかった。


桐沢 『ああ、どうせ地元に行くならバイク走らせるかと思って』


洋さんはポンとバイクを叩いて笑った。


桐沢 『たまには動かさないと、ガタきちまう』


あず 『・・・・このバイクで、行くんですか?』


桐沢 『ん?もしかして、怖いか?絶叫マシン好きならコレも大丈夫だと思ったんだが』


あず 『怖くない!逆です、逆』


バイクに乗せてもらえる。

なんだか分からないけれど、初めてマンションに入った時とも、車に乗った時とも違う嬉しさを感じた。


あず 『嬉しくてびっくりしたんです』


桐沢 『お前もバイク好きだったのか?』


あず 『いやそういうことじゃなく・・・・』


桐沢 『?んじゃどういうことだ?』


あず 『・・・・・・』


桐沢 『?』


(鈍感・・・・)


あず 『・・・・まあいいや。早く乗せてください!』


"バイクじゃなく、洋さんが好きだから嬉しいんです"なんて、朝っぱらからシラフで言える台詞じゃない。


桐沢 『これ、付けとけ』


洋さんから女性用ヘルメットを手渡される。

洋さんがかぶっているものより小さいそれは、たった今袋から出したように真新しくて。

私のために用意してくれたんだと思うと、つい頬が緩む。


桐沢 『ほら、乗れよ』


あず 『お邪魔しま~す』


ドキドキを誤魔化すように軽い調子でそう言って、私は後部シートに乗り込んだ。


桐沢 『よし、出るぞ』


あず 『じゃあ・・・・し、失礼します!』


思い切って、洋さんの体に抱きつく。

乙女なら一度は夢見たことのあるシチュエーション。


桐沢 『えっ』


あず 『えっ・・・・?』


桐沢 『あ・・・・そうか、そうだよな』


あず 『どど、どうしたんですか。私何かまずいこと・・・・』


桐沢 『い、いや、いいんだ。ちょっと慣れないだけで・・・・』


あず 『慣れない?もしかして、あんまり人乗せて走らない感じですか・・・・?』


桐沢 『いや、そんなことねーよ』


あず 『・・・・?』


桐沢 『まーいいだろ。とにかく、行くぞ。ちゃんと掴まってろよ』


あず 『は、はい』


強引に話を終わらせて、洋さんはハンドルを握った。

バイクがゆっくりと走り出す。


(年甲斐もなく青春って感じ・・・・)


お腹の底に響くエンジンと、洋さんの体温。

私は目を閉じて、その感覚に身をゆだねた。









"海岸通りをバイクで走ると、風が気持ちいい"

洋さんの言葉を思い出す。


あず 『気持ちいいですね!』


私は信号待ちで声を張り上げた。

洋さんの運転は、すごく優しい。

車の流れと同じだけのスピードを出しているのに、加速も、カーブも、ちっとも怖くない。

だからこそ、景色と風を楽しむ余裕があるのかもしれない。


桐沢 『だろ?遮るものが何もないからな』


目を細めて海を見つめる横顔に、胸がキュッと柔らかく締め付けられる。


あず 『ねえ、このバイク、なんて名前ですか?』


桐沢 『は?』


あず 『バイク好きな人って、愛車に名前付けるイメージがあるんですけど』


桐沢 『ああ、こいつはクイーンエリザベス号だ』


あず 『ええ・・・・なんていうかその・・・・豪華客船みたいな名前ですね』


桐沢 『冗談に決まってるだろ。いちいち名前なんて付けるか。どういうイメージだそれ』


あず 『な~んだ』


さも可笑しげに笑うと、洋さんは思いついたようにこちらを振り返った。


桐沢 『お前が名前つけりゃいいんじゃねーか?』


あず 『えっ』


桐沢 『いや、むしろ"あず"でもいいぞ』


あず 『・・・・・・』


愛車の名前を当然のように私にゆだねる。

洋さんにとってはどうでもいいことでも、なんだか嬉しくて照れくて、どうしたらいいか分からない。


桐沢 『あず?』


あず 『・・・・じゃ、じゃあロシナンテ』


桐沢 『誰だそれ』


あず 『ドン・キホーテの馬です。てことは、私はヒロインのキトリだ!そうに違いない』


桐沢 『激安店しか知らねえ・・・・』


あず 『・・・・あれ、でもキトリはロレンツォとハッピーエンドだったかな・・・・』


桐沢 『・・・・・・それなら、俺はそのロレンツォでなきゃ困るんだが』


あず 『・・・・私もです』


桐沢 『・・・・あれっ』


突然洋さんが素っ頓狂な声を上げる


あず 『?どうしたんですか?』


桐沢 『ちょっと・・・・脇に寄せるぞ』


あず 『は、はい』









桐沢 『あー、タイヤやられてるな』


あず 『え・・・・』


桐沢 『悪い、パンクだ』


あず 『ええっ、どうします?』


桐沢 『修理するしかねーだろうな』


苦笑して、洋さんは携帯を耳に押し当てた。


桐沢 『おう、タケ。俺。久しぶり・・・・ああ、悪い悪い。俺もなかなか忙しいんだよ。いや、今こっちに出てきてるんだけど、バイクパンクさせちまって。ああ、今大丈夫か?頼む。場所は・・・・』


洋さんの言葉から察するに、電話の相手は友達で、整備工場か修理店かのバイク屋さんらしかった。









目の前にトラックが止まって、中から男性が飛び出してくる。


タケ 『洋ー!』


桐沢 『おー』


タケ 『久々だなー、2年ぶりくらいか?』


桐沢 『そうだったか?』


タケ 『・・・・あれ?女がいるように見えるけど、幻?コレ』


(・・・・幻?)


あず 『は、初めまして』


とりあえず、頭を下げる。


桐沢 『あずだ。あず、こいつはタケ』


タケ 『・・・・・・』


桐沢 『タケ?』


タケ 『洋、お前・・・・女を乗せたのか!!』


あず 『・・・・へ?』


桐沢 『ああ・・・・まあ、な』


タケ 『うわーっ、うわーっ、洋がーっ。ダイに電話しなきゃ!サトルにもミキティーにもハヤトにも・・・・』


桐沢 『おい待て!言いふらすな!』


タケ 『無理だろ。ヤバい面白くなってきたぞ。連絡網連絡網・・・・。もう夜響の臨時OB会開くしかねえ。洋がいればいつもの10倍くらい集まるな』


桐沢 『お、俺は行かねーぞ!』


タケ 『なんでだよ。つーか、硬派伝説はどうした!いつからバイクに女乗せるようになったんだよ?』


桐沢 『あ?今日からだよ、悪いか!』


あず 『えっ!』


桐沢 『つーか、なんでもかんでも勝手に伝説にするんじゃねーよ・・・・』


ブツブツ言う洋さんを見上げる。


タケ 『えって。ちょっと、彼女ビックリしてるけど?』


桐沢 『?おい、何ビックリしてるんだ?』


あず 『え、え、てことは、このバイクに乗るの、私が女子第一号ですか?』


桐沢 『当たり前だろ』


あず 『え、当たり前なの?』


桐沢 『何言ってんだ、お前?』


タケ 『なにこの微妙にかみ合わない会話。ますます面白いんだけど』


タケさんはお腹を抱えて笑った。


タケ 『このバイクどころじゃないぞ。コイツはバイクに女は乗せない主義だったんだ』


桐沢 『お、おい!』


あず 『ええっ・・・・!』


(つまり、史上初・・・・!?)


あず 『・・・・・』


桐沢 『おい、お前のせいであずがタコみたいな色になったじゃねーか。どうすりゃいいんだ』


あず 『た、タコ!?彼女に向かってタコ!?』


桐沢 『あ、す、すまん。そんなに怒るな。オマケに照れるな。伝染るだろうが』


あず 『だって・・・・照れるでしょ!?』


タケ 『あーハイハイご馳走様ー』