【第二夜】


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さてさて今日は
おじちゃんの肩にのり
ぴっぴは最果てのおじちゃんの宿屋へと向かいます。


そこでぴっぴが見たものは
歌を忘れたカナリヤの、
淋しい淋しいおばさんでした。


おぉ、小さき夜啼きウグイスさん、
よく来たね!
お前さんも都からかい?
あたしも生まれは都だよ。
都の風が恋しいねぇ~。
最果ての地じゃあ雪も多くて飛べねぇんだ!



今夜は北のお国も
まん丸お月さんがお出迎え。
ぴっぴは水浴びに行って来ます。
けれどお月さんの雲行きもなんだか怪しいの。。


長らく行水したならば
おじちゃん怒ってご飯抜き。


おじちゃん、おじちゃん
金の鳥籠、どこですか?
銀の寝床はどこですか??


おじちゃん、ぴっぴに怖いお顔で言いました!
いいかい?お前はこの竹のカゴだよ!
黒鉄の籠は、おばさんカナリヤのものだからね!



ちゅんちゅんちゅんちゅん
騙された!
おじちゃん、それはあんまりよ!
金の鳥籠、銀の寝床を夢見て
おじちゃん信じて来たのに!
ちゅんちゅんちゅんちゅん
しくしくしく。


したらばおじちゃん、
形相変えて、忽ち鬼へと大変身!


おうおうぴっぴよ!
小娘よ!
俺を怒らせちゃあいけねえぜ!
今すぐこの雪空に放り出してもいいんだぜ!


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん。
しくしくしくしくしくしく
ちゅちゅちゅのちゅん。


ぴっぴは都恋しさに啼きます。


今すぐ都に帰りたい!


けれど風切り羽を切ったぴっぴは
次の大きな風に乗らなきゃ帰れません。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


元盗賊の親方だったおじちゃんは
ぴっぴに餌もくれません。


ぴっぴの小さなこの命
今はおじちゃんの掌中に。。


ぴっぴは必死で命乞い!

おじちゃん、おじちゃん、
ぴっぴが悪うございました!
ぴっぴが我儘でした!


金の鳥籠も要らないの!
銀の寝床も入りません!

おじちゃん、ホントに男前!

どうか次の風が来るまで
ここに置いてくだしゃんせ!


怒ったおじちゃん言いました!
高そうな鳥だと思ったが
そいつぁ俺の勘違い!
こんな鳴けない鳥だとは
ここに置いてもおけねぇよ!

だが俺も
情けのちっとはある鬼だ、
カナリヤおばさんの邪魔せずに
大人しくしてるんなら
置いてやる!
ただし、俺を今度怒らせたら。。。
と大きな大鉈(おおなた)見せながら
お前の首なぞ、しゅっぽーーんだぞっっ!!


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【第一夜】

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桜の花が咲き始めたその朝、都に住む夜啼きウグイスのぴっぴは
北の国の最果ての地にいるという
宿屋主人のおじちゃんに逢いに参ります。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


おじちゃん、東の竪琴も南の太鼓も聴かせてくれるって!!
西の麻の実も、北の胡桃も食べさせてくれるって!!


金の鳥籠、
銀の寝床も用意し
真珠の指輪の冠もくれるって!


さあ、いざ飛びゆかん!



ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


春風に乗って降り立った処は
北風の町。
今夜はこの地でご一泊。


おじちゃん、おじちゃん、逢いたかったよ、ちゅちゅちゅのちゅん


おぉおぉ、ぴっぴ!
ようこそ!ようこそ!

これからおじちゃんの友達の店で宴じゃわい!

けれど、おじちゃん、
なんて怖いお顔だこと!
なんて淋しいお目目だこと!


ぴっぴはちょっぴり不安になりました。

だけども団栗の盃に入ったお酒を飲んで
ぴっぴはすっかりご機嫌です。


おじちゃん、ぴっぴに言いました!
おじちゃんはぴっぴを最高の声で鳴かす名人だよ。


だけどもおじちゃん、ぴっぴが雛鳥でなかったので
ちょっぴり残念そうです。


おじちゃん、おじちゃん、
ぴっぴは体は小さき鳥なれど
雛鳥ではないのよ。
だけどそんなに残念なの?


ぴっぴは大空を羽ばたく風切り羽を短くしてきて良かった、と思いました。


おぉ、おぉ、この短き風切羽は正に雛鳥のようじゃ。。


どれおじちゃんにぴっぴを鳴かせてみようぞ!


痛い、痛いよ!おじちゃん!
ぴっぴはそんなに放り投げても嬉しくないし、
そんなに握ったら
ぴっぴの小さき心臓は止まってしまいます。
バクバクバクバクバクバク


ぴっぴよ、
何故鳴かんのだ?
さてはお前は聾唖の鳥か?


ぴっぴは哀しくて
ひーひーひーひー
鳴いてます。

私はピッコロ

まだ闇の中

誰もが眠るその中で

曙連れ来る一番鶏



春の女神を目覚めさせ

夜明けが来たと告げる鳥



暗い闇夜に私が鳴けば

木々は息吹を吹き返し

風は循環を始める



私の笛のこの音色

厚い帳(とばり)をとろけさせ

やがては日の大神の出で給う

空は忽ち金色(こんじき)の

光を放ち

曙の女神達が

空を薔薇色にと変えるだろう。。



その使命を負いてこそ



重い帳のその中で


その第一声を見極める



ほら起きなさい


朝(あした)来たれり


鳥たちよ

鳴き初む時にとなりにけり!!


しかし


軽やかに軽やかに

曙告げて遠くまで

響かす声で歌い告ぐる


私はピッコロ…