子供の成長は本当に早いですね……長女ももう高校3年生。大学受験を間近に控え、毎日勉強に追われています。私といえば、そんな娘の側で旗を振って励ます以外、役に立てることがなく(笑)、もどかしい毎日です。

私が起業したのは娘が5歳の時でした。やることがいっぱいで、朝から晩まで仕事漬けの毎日。娘には寂しい思いをさせてきたように思います。私自身も彼女に対して、「一緒に十分な時間を過ごせているのか」「母親としてきちんと向き合えているか」など、家庭と仕事の間でいつも複雑な感情が綱引きをしてきました。

どちらかといえば大雑把な性格なうえ、いつもキャパオーバー。学校の大切な行事を忘れたり、娘が病気のときに仕事が重なって一緒にいてあげられなかったり……そんなこともしょっちゅう。その度に激しく凹み、反省しながら子育てをしてきました。

 



私は「勉強しなさい」とか「あれはダメ」「これはダメ」とかまったく言わない主義です。
仕事も同じ(それを「放任主義」と呼ぶ人もいますが……笑)。母親として上司として、必要な時にそばに居てサポートする。親娘でも上司・部下の関係でも変わりません。一番大切なことは一定の距離をおき、それを見守る。「信じること」だと思っています。

子育てにもマネジメントにも「正解」なんてないですよね。だから、いろいろなことに悩み・落ち込み・もがいているのですが(笑)、自分が正しいと思う「軸」をぶらさず、人とのつながりの大切さを築いていきたいと思うのです。

数年前、私の誕生日に娘が手紙をくれました。とても嬉しくて励みになったので……財布に入れて持ち歩いています。

「ママは普通の『良いお母さん』とは違って、料理もあまりしないし、勉強をみてくれたりしないけど、そんなことはどうでもいい。
他のお母さんとは違うママを尊敬しているし、頑張っているママを本当にかっこいいと思う。
そして、私が大きくなったらママみたいになりたい、って思っているよ。
いつも私のことを一番に思ってくれて、そばにいてくれて、本当にありがとう」。

確かに私は「良いお母さん」ではないと思います。でも、私の思いや行動で娘が何かを感じていてくれていること。「ママみたいになりたい」と言ってくれたことが嬉しかったです。時々、お財布の中から取り出して読み返し、涙しています。



生まれてからあっという間に成長し、今では一緒に出かけるのも「予約制」なんです(笑)。娘に「日程のお伺い」をして許可を得る、不思議な関係です。小さな時はいつでも一緒だったのに、と少しの寂しさを感じますが、彼女は彼女のコミュニティがありますし、それを尊重してあげたい。なぜなら私も高校生ぐらいから親よりも友だちと一緒に過ごしたかったので、その気持ちがよくわかるんです。


「空の巣症候群」という言葉がありますが、子育てを終えた一種の役割喪失に伴う、空虚感をすでに味わっています。 子供がいても居なくても、自分が楽しめる趣味や仕事があることが大切だな、と思う今日この頃。
今日も頑張ります。