前回記事にも書きましたが、理想のクレンジングの基本は以下3つです。

①メイクはきれいさっぱり落とす
②皮脂は”余分な分だけ”すっきり落とす
③洗浄成分は極力控える

これらは、”クレンジングクリーム”で叶えることが最も適していると考えています。

クリップクレンジングの基本



洗浄成分の少ないジェル・ミルクは、洗浄力が低いためメイクとのなじみが悪く、のびの悪さと相まって洗顔時にこすって肌を傷めやすいものです。

洗浄成分の多いオイルは、洗浄力が高くすっきりとクレンジングできますが、肌にとって大切な皮脂バリアまでごっそり取り去ってしまうので毎日の使用はおすすめしません。

洗浄力とバリアを奪いすぎないというのが両立できる点で最も優れているのはクレンジングクリーム、というのが私の意見です。

シンプリスクレンジングクリームのリニューアルに際しては、さらに、テクスチャーの改良やその他成分の工夫で、クレンジングジェルやミルクと同じほど少ない洗浄成分でもすっきりと洗顔のできる、まさに私が理想と考えるクレンジングクリームが完成しました。


3つのメリット・デメリットをまとめます。

クレンジングミルク・ジェル(洗浄成分は5~10%程度)
○(まる)メリット :皮脂をむやみに取りすぎないので肌にやさしい
バツデメリット:洗浄力が低くメイクや皮脂汚れの残りが気になるため、その後洗顔フォームを使いたくなる。
      テクスチャーののびが悪いため洗顔時にこすってしまいがち。


クレンジングクリーム(洗浄成分は10~20%程度)
○(まる)メリット :適度な洗浄力で、肌へのやさしさとの両立が叶う。
        肌に厚く乗せることができるため、洗顔時に肌をこすらずなじませることができる。
バツデメリット:すすいだ後にぬるぬる・べたべたと油膜感が残り、その後洗顔フォームを使いたくなる


クレンジングオイル(洗浄成分は20~40%程度)
○(まる)メリット :メイクや皮脂汚れをすっきり落とす。濃いメイクの時に使うと良い。
バツデメリット:洗浄力が強いので、肌のバリアとなる皮脂まで奪ってしまい、敏感・乾燥肌を招く恐れがある




メイクや余分な皮脂汚れを落とすことができ、洗浄成分が少なめなので肌への負担は軽く、テクスチャーに厚みがあるので洗顔時の摩擦も起こしにくいクレンジングクリームの一番の難点は、この「すすいだ後にぬるぬる・べたべたと油膜感が残り、その後洗顔フォームを使いたくなる」ことなのです。

実際に、「シングル洗顔をクレンジングクリームで行うと良いというのはわかるのですが、その後のベタベタが気になってどうしても洗顔フォームで洗いたくなってしまいます」というご相談をよくいただいていました。

クレンジングクリーム+洗顔フォームのW洗顔で商品を展開するメーカーにとっては、クレンジングクリームのみですっきりすすぎ落とせる必要がないので、そのような処方にしてはいないでしょう。そのうちクレンジングクリームだけを使ってシングル洗顔を行えば、ベタベタが気になるのは至極当然です。

さらにいうと、『クレンジングクリームなのに、すすいだ後にさっぱりすっきりする』というのを実現することは大変難しいことなのです。
今回クレンジングクリームのリニューアルで最も苦労したのがこのポイントでした。

私は以前、タオルですすぐ”タオル洗顔”というのを提唱していました。すすぎ専用のタオルもこだわって開発し、販売していましたが、お客様からタオル洗顔が面倒に感じるというお声を多数いただきました。

毎日行うスキンケアが面倒になってはいけないというのが私の信条です。そして、タオルですすぐのが面倒だからと洗顔フォームを使ってダブル洗顔されてしまうのは、本来肌を守るためにシングル洗顔をすすめている私の本望ではありません。

肌のためには絶対にクレンジングクリームが良いと思っているので、

①メイクがきれいさっぱり落とせる
②皮脂は”余分な分だけ”すっきり落とす
③洗浄成分は極力控える


のクレンジングの基本3つに加えて、
④すすいだ後はダブル洗顔をした後と同じ位すっきりする

を実現すべく開発をすすめていました。

さらに、クレンジングにもたせたい2つの要素、
⑤毛穴やキメの隙間まできっちり皮脂汚れをオフする

⑥洗顔後に行うスキンケアの美容成分の浸透を高める
これらを加え、新シンプリス クレンジングクリームが満を持して来週デビューします。



またまた、鼻息荒く長い記事になってしまいました。さらにつづきます