先日読み終わった本
 
{0C46F007-E86B-402E-9796-8AC41A020DA2}
 
「放浪の天才数学者
エルデシュ」
 
この前に読んでいた
 
 
「素数の音楽」
 
 
という本に出てきた
 
ハンガリー出身の
数学者の伝記です。
 
 
 
この人が、
 
天才だけど、
とんでもない。
 
定住の地を持たず
結婚もせず
 
知り合いの数学者の家に
突然押しかけ
昼夜かまわず
数学の問題をふっかける。
 
ふっかけて
共に
 
解決する道を探し出し
 
追求し、探求し
 
共同研究として
論文にする。
 
だから、
 
 
 
彼の共同研究者は
ちょっと
常人のレベルをこえているくらい
多い。
 
いきなり訪問された研究者は
あきれ、戸惑いながらも
エルデシュの変人ぶりと天才ぶり
そのゆるぎない優しさを
受け入れていく。
 
 
ハンガリー出身なのです。
 
激動の国 
ハンガリーに生まれたが故
歴史にも翻弄される。
 
一時期は
自分の国に帰国もできず
アメリカに入国することもできず
(最終的には できるようになりますが)
 
それでも、
 
小さな子供達を
「エプシロン」と呼んで
愛情をそそぎ
(数学用語で 「極めて小さい数」の意味)
 
ロシアから無一文で亡命してきた数学者には
自分のなけなしの所持金を
渡して助ける。
 
 
まるで、
 
 
「小説に書いたか」のような
本当にいた、
数学者の話です。
 
 
同時代の有名な数学者の名前はもちろん
アインシュタインも出てきます。
 
数学者のエルデシュと
物理学者のアインシュタインの
 
世界
そして、
学問に対する
根本的なアプローチ
考え方の違いを見るだけでも
一読の価値がある。
 
 
 
元物理学者の私としては
 
なるほど、
数学者というのは
 
ここまで
世界の見方が
徹底しているものなのか、
 
物理的見方と
こうも違うのかと
 
そこにも驚きました。
 
 
そして、
 
 
 
 

 

{A873BBB2-D4F7-455D-8F70-55F9D6762087}
 
各章の数字が
素晴らしいではないか!!
 
補足しますが
 
2と3の間にある
 
e (ネイピア数)
 
は、
 
自然対数の底(てい)
 
といって、
 
e = 2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 ..
 
と、
永遠に続く数 超越数です。
 
くわしくは  wiki を読んでね。
 
そして、
 
3と4の間にある
 
π 
 
 
は、言わずと知れた
円周率。
 
π = 3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288 …
 
 
これも、
永遠に続く数、
超越数です。
 
そして最後の
 
∞ のマーク。
 
 
8 の誤植ではない。
 
数学者の伝記の
最終章のナンバーとして
これ以上にふさわしい表記が
あるでしょうか。
 
 
 
この本とは
直接関係はないけれど
eとπは
 
 
オイラーの方程式
という、
 
信じられないほど
美しい数式の
関係にある。
 
この式をみると
 
この宇宙の創造には
「神」もしくは
なんらかの「意図」が
込めらているのではないかと思うのは
私だけではないはず。
 
 
 

 

 

{E6239BD2-C605-4BEF-B5A0-3959C941B837}
 
 
よくできた伝記の例にもれず、
最後の一文を読んだだけで
改めて、泣けるのです。
 
数学者の伝記なので
もちろん、
多少、数学の話や式は出てきますが、
 
 
数学の知識は
全くなくても読めるし、
 
なんなら、
 
数学の説明は
全てすっ飛ばしても
 
全然かまわないくらい
 
切なく面白い。
 
 
 
おそらくは、
一般の人がほとんど知らないであろう
でも、
数学の世界では有名な数学者
エルデシュ。
 
数学に縁もないし、
 
いやいやむしろ苦手だよ、という人にも
 
数学というのは
「美しさを追求する学問」
というのがよく分かる
 
おすすめの本です。
 
 
なにより、
内容も 文体も
美しく、読みやすく、
面白い。
 
中古だと、超安いね。
(超 などとうっかりつけると
エルデシュにおこられそう)

 

 

 

秋は読書の季節。

 

機会があったら

是非読んでみてください。

 

こちらもおすすめです。

 

リーマン予想をめぐる

数学者の歴史と、群像劇

 

「素数の音楽」

 

 

 

 

 

ゆうこのおすすめ本 でした