映画(邦346) 最後の命 2014年作品/ トラウマが少年の未来を変えた | ビート・マンのブログ

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トラウマとは

二人の少年は真逆の性癖へ進む

 

 

原作:中村文則

監督:松本准平

主演:柳楽優弥明瀬圭人

出演:矢野聖人(冴木裕一)

  :比留川(小泉香里)

  :滝藤賢一(刑事

「悪と仮面のルール」「去年の冬、君と別れて」の作家作品

 

 
 
本作「最後の命」は二人の少年が小学生の頃に目撃した集団レイプがトラウマとなり、ねじ曲がった性癖を持ち苦しむさまを描いている。
 
物語は大人になった圭人を描くとこから始まる。性欲はあるが女性に触れることが出来ない圭人。彼はいつも同じデリヘル嬢を呼んでお任せで発散していた。圭人はアパートで一人暮らしをしていたが、部屋の鍵は常に開けていた。そこに少年時代からの友人・裕一から久しぶりに会わないかと電話が入り会うことになる。
 
裕一は特に理由はないが顔を見たくなったと話し、たわいもない会話で二人は別れた。そして圭人がアパートに帰るとデリヘル嬢が自分の部屋で死んでいた。
 
圭人は警察に連絡。しかし刑事は圭人を疑い帰してもらえなかったが、実は裕一を捜しており、何か知っているのではと探っていた。
 
少年時代に圭人と裕一は仲良しでいつも遊んでいた。ある日、裕一から一緒に家出しようと誘われる。小学生にとって遅い時間帯になったころ、二人は日常的に声を掛け合うホームレスが廃工で集団レイプをしていのを目撃。
 
何が起きているのか理解できない二人。しかしレイプされている女性が泣き叫んでいる様は、決して楽しんでいるわけではないことは理解できていた。ホームレスの「誰かに話したら殺す」の一言は幼い少年を恐怖に叩き落すには十分だった。
 
この日を境に二人の性癖は真逆の方向に進んで行く。
 
高校生になった圭人と裕一。圭人は女性に話すことも出来ないタイプだが、裕一は積極的に女性に接するタイプになっていた。
 
圭人が好きになった女性・香里。裕一はそれを知ったうえで初体験を香里と行った(勿論だが香里も裕一が初体験)。
 
本作の殆どが回想シーンである。圭人が警察出てからアパートに帰る間がそれである。
 
アパートに帰った圭人は部屋の押し入れに真新しい引っかき傷があるのに気が付く。その瞬間、デリヘル嬢を殺した人物が誰かを理解した。果たしてデリヘル嬢を殺したのは誰なのか・・・
 
 
ちょっとしたミステリー作品でもあるが、むしろヒューマン・ドラマである。二人の少年が受けたトラウマが、その後の人生を変えてしまった物語。あの事件が無ければ普通の若者として暮らしていた二人。そしてラストは悲しい別れと、生きることの意味を圭人が悟ったところでエンディングを迎える。
 
作品時間も110分なので長くなく丁度良く観れる。ヒューマン・ドラマが好きな人にお薦めする作品です。
 
 
 
 
映画 最後の命 2014年(お薦め度★★★☆☆