法廷ヒューマンサスペンス
動機はそちらで見つけてください・・
原作：島本理生
監督：堤幸彦
主演：北川景子（真壁由紀）
出演：中村倫也（庵野迦葉）
：窪塚洋介（真壁我聞）
：芳根京子（聖山環菜）
：木村佳乃（聖山昭菜）
：板尾創路（聖山那雄人）
真実は？閉ざされた心を開くことが出来るのか？
本作「ファーストラブ」は父親を殺害した娘・聖山環菜の取材をする真壁由紀が、彼女の閉ざされた心を開くため、彼女の過去を調べる過程を描いている。
オープニングは聖山環菜が血にまみれた手に血の付いた包丁を持って歩いており、腹部を刺され死亡している父・聖山那雄人の描写から始まる。
本編は聖山環菜が既に逮捕され留置場に拘束されているところから進んで行く。聖山環菜は父を何故刺したのか記憶が曖昧で、「動機はそちらで見つけてください」と語り世間を驚かせた。
本作は法廷ヒューマン・サスペンスだが、法廷シーンはラストに少し描かれているだけで、聖山環菜を取材する真壁由紀の過去と聖山環菜の過去が重なり合う流れで進んで行く（留置場の接見室内で、互いの顔が仕切り版に重なる演出で序盤は表現している）。
聖山環菜は少女時代に父が行う虐待行為により精神的に圧迫され、真壁由紀も似た経験で男性に対する不信感を持って生きている。
映画では真壁由紀と聖山環菜の弁護士・庵野迦葉の過去の関係。庵野迦葉と真壁我聞の関係など、真壁由紀の大学生時代のエピソードを描き、ヒューマン・ドラマとして人間関係を掘り下げていく。
これは真壁由紀が事件の真実を知るため、聖山環菜の過去を掘り下げる取材をしており、二人の過去を重ねる意味で重要な要素になっている。
裁判が近づいてきたある日、聖山環菜は父への殺意を突然否定。情状酌量で刑期削減を考えていた庵野迦葉は困惑する。
果たして庵野迦葉の心は解放されるのか？
そして真壁由紀のトラウマも消えるのか？
結末は作品を観て確認して下さい。
映画 ファーストラブ ２０２１年公開（お薦め度★★★☆☆）