こでまりが働く新・某年寄りセンターの今日のレクリエーションはカラオケとフラダンスの小物作りであった
こでまりはカラオケ担当だった
いつものようにみんな18番を披露する
その中で持ち歌一曲勝負のじいさんがいる
独特の哀愁ただよう声で歌う
その曲名は…「黄金虫」
皆さん知っているだろうか
「黄金虫は金持ちだ~金ぐら建てたくら建てた~あめやで水飴買ってき~た 黄金虫は金持ちだ金ぐら建てたくら建てた~子供に水飴なめさせた~」
とかなり変わった歌詞である
こでまりは 出だしくらいは知ってはいたが全部は覚えてなかった
以前気になってYouTubeでみてみた
大笑いしてしまった
独特の声で喜怒哀楽なく歌いあげる
素晴らしい!
そのおじいさん今日は違う曲も選曲していた (珍しい…)
その曲の名は「浦島太郎」これも一番の歌詞は知っていたが五番まである
聞いたことなかった
物語になっていて最後は少しかなしい曲調になっている
昔話や童謡は結構奥が深い
昔の人々は素晴らしい感性だ

じいさんはその2曲を歌いあげ満足そうであった
今日もいい一日であった
新・某年寄りセンターで働くこでまり
今日は午前中は風呂中の仕事であった
ほとんど一人で約30人ほどのお年寄りの体を洗う
衣服の着脱 誘導とドライヤーと途中から送迎車に乗っていたスタッフが戻ってから風呂要員は四人になるがなぜか風呂中は一人でやることになっている
暑さMAXで汗ダラダラで化粧もすっかり落ちる大変な仕事だがこでまり風呂中は好きだ
決められた時間でたくさんの方々に風呂に入っていただく
しかも せわしさを感じさせないようにする
腕の見せ所だ

「できんで洗ってくれ~」とできるのにわざと甘えるじいさんに飴と鞭方式で対応する

妙に指示の細かいばぁさん 覚えて先回りしてやっておく

対応も一人一人ちがうのだ
体に異常がないかや動きをよく観察する

みんなが「気持ちええわ~」と目を細める
こでまりの疲れも吹き飛ぶ

なぜか掃除も風呂中は浴槽から洗い場小物もすべて一人で洗う
かなりハードだ

終わってお昼になりフロアにでると 風呂に入らない人にあいさつに行く
「おそよー」(古っ!)

みんな決まって言う台詞が「あんた おったんかぁ静かだで休みかと思った」
ん?………いつも、こでまりどんだけうるさいんだ?


こでまりが働く 新・某年寄りセンターに午前中近くの小学生が見学に来た
きっと夏休みの調べ学習とかグループ研究とかそういった事だろう
何やらノートと鉛筆を持って入ってきた8人の小学生
小学生の子達も緊張した面持ちだったがセンターの年寄り達も かなりいつもと違っていた
誰かが あの子達何?ってきいたので 「見学だって~みんな いろいろ教えたってよ~」と言うとみんな、かなりきどった様子で脳トレプリントをやりはじめた
いつも めんどくさいとか手が疲れとるでまぁいいわ とか言うくせにィ
でもみんなが小学生をみる目はホントにあたたかかった
いろいろ 杖やら歩行器や靴 福祉用具やリハビリ器械、一日の様子を聞いて帰っていった
きっと子供達は夜 家族にセンターの事を話すだろう
子供達はたいがい年寄りが好きだ
こでまりは小さい頃おじいさんおばあさんが大好きであった
中学生ぐらいになり母親が父方の祖父母の少しでも悪口めいた事を言おうもんなら 泣きながら抗議していた
高校生になりいろんな大人の事情がわかるようになっても まわりがもっと優しくするべきだ!まわりが変われば変わる!と思っていた
甘いかもだが今もその気持ちは変わっていない
どうか もっと年寄りが輝ける日本になってほしい
年寄りが自信をもち経験を知恵をよき伝統を若者に伝え受け継ぐ…

小学生と触れ合うみんなをみていてふとそんな事を考えながら 風呂上がりのおばあさんの髪をドライヤーで乾かし 念入りにブローするこでまりであった