スペインで違法な仕事に手を染めて金を稼いでいる主人公。娘・息子の幸せを願って貧しいながらも生活しているが、問題が山積み。そして、突然、『それ』はやって来た。
かんそう
この作品はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督(とても覚えれそうにない)が得意とする『辛い人生を生きる』というのがテーマの作品だ。
『人生は楽しく!』は嘘っぱちで、人生とは本来辛いことの連続だ。
しかも、この監督の作品の登場人物たちは不幸というより、もっと酷くて、不幸過ぎて八方ふさがりの状態。
この作品でも十分にそれを堪能できるでしょう。
そして、タイトルのビューティフルのスペルミスがどういう意味をなしてるのか?
それも考えると面白くなるでしょう。
間違いの中の美しさ。
不完全な美しさ。
以前、宮崎駿さんは『醜いものの中に美しさがある』とおっしゃったそうな。
それを思い出したりしましたね。
このアレハンドロ、、、いや面倒いから、この監督との出会いである『21g』は最高だし、長編初監督作品『アモーレス・ペロス』、菊地凛子・役所広司・ブラッド・ピット出演の『バベル』も素晴らしい。
というか、一貫して『辛い人生』をテーマとしており、とても僕好みだ。
しかも、登場人物それぞれのストーリーが展開されるオムニバス形式をとったりして、そこがまた巧妙で、楽しさが増す。
映像もリアリティがあるし、使っている俳優も毎回良い。
どうしても気になってしまうアレハンドロ監督だ。
この作品では『ノーカントリー』で、オカッパ姿の変わった殺人者を演じたハビエル・バルデムが辛い人生を生きる主人公を力演している。
物凄い演技力で今後も注目したい。
とはいえ、『21g』『バベル』などに比べたら、ちょっとメリハリがなかったかもしれない。
ということで60点です。
とはいえ、『こういうのが映画だ!』と言いたくなる作品です。
おわり。