『戦場で散った花は本当に美しかったのか?』
1996年公開作品。
あらすじです
1990年湾岸戦争中、戦車部隊隊長のナット・サーリング中佐(デンゼル・ワシントン)はクウェート領内で敵の戦車と間違えて、部下であり親友のボイヤー大尉の戦車に向かって射撃命令を下し、同士討ちを犯してしまいました
標的を間違っちゃって、しかも仲間を殺してしまったのです!
(サーリング中尉ほんとは勇敢な男!)
そのミスから戦場から戻され、事務職に回されたナットは、史上初の女性名誉勲章受章者になるかもしれないカレン・ウォールデン大尉(メグ・ライアン)の調査をすることになります
(ウォールデン大尉はたくましい女性だったんです!)
ウォールデン大尉は自分の命を引き換えに仲間の兵士を救助したのです!
しかし、その勇敢なウォールデン大尉の当時の指揮を調べると、おかしな点が出てきます!
(ウォールデン大尉についての話を聞くナット)
(若き日のマット・デイモンも出ています!)
当時のウォールデン大尉について、良い兵士だったとか、悪い兵士だったとか証言する兵士が出てきて、意見に食い違いがあります!
一体、現地では何が起きたのか?
そして明かされていく真実たち!
はたして、ウォールデン大尉は本当に『英雄』だったのか?
そして、仲間を誤って殺してしまったナットの苦悩の日々に終わりは来るのでしょうか?
緊迫した戦地での出来事!
(ナットの不祥事を隠蔽しようとする上官!)
苦しむナット!
アメリカ軍の闇と、人間を変えてしまう戦争の醜さが描かれている傑作です!
あらすじ、終わり!
かんそ~です!
『ひさびさに良い映画を観た』
この映画はそう思える作品でした
まず、全体的にストーリーが良くて、隙がなく、見る者を飽きさせません!(たぶん)
ストーリーの大筋はメグ・ライアン演じる女性兵士の話です
その女性兵士が命をかけて仲間の兵士を救ったという、アメリカの政府と軍隊が自分たちのPRのために使えそうな英雄話を主人公のデンゼル・ワシントンが調査して行くのです!
まぁ、現場にいた兵士達の話を聞くだけの単純な調査だったんだけれども、ナット中尉は真面目で正義感の強い人なんで、その証言の矛盾に気づいて、上官の命令を無視して独自に真実を突き止めようとするんです!
真実を突き止めようとするナット中尉の姿は、隠蔽された自分の不祥事、自分が殺してしまった仲間への、少しもの懺悔のようなものなんだったのでしょう
とはいえ、自分が殺してしまった兵士の遺族へは真実を明かすことが出来ず苦しむんだけどね
つまり、メグ・ライアン大尉の話が7割、デンゼル・ワシントン中尉の話が3割くらいで構成されたこの作品は、それぞれの環境や立場、家庭が描かれていて、とても内容が濃いものとなっています!
(ちなみに、メグ・ライアンがとても愛国心が強く、シングルマザーっていう設定がナイスっ!だから、より泣けるっ!)
この作品を例えるならば、ミルフィーユのように重厚なんです!
また、メグ・ライアン大尉が亡くなった出来事について、救助された兵士やメグ大尉と一緒に救助した兵士などが証言をします!
そこで小さな食い違いがあり、そこが最大のポイントなんだけれども、その食い違いを見て僕は『羅生門パターンじゃん!』と思いました!
世界的名監督であった黒澤明さんが撮った『羅生門』は、一つの出来事を複数の人の証言で真実を明かそうとするんだけれども、証言をする人それぞれがそれぞれの思惑や偏見、思い込みを持っているため、証言が食い違い、『一体、誰が本当のこと言ってるの?』という感じで真実を分からなくするという方法で作られています!
この『戦火の勇気』でも、証言する兵士の話が二転三転するんで、何が真実か分からなくなり、『もう、何が真実なのっ!(怒)』っていう感じで、真相が知りたくなっちゃうんです!
その上手い『羅生門パターン』であるメグ大尉の話に加えて、主人公デンゼル・ワシントンの不祥事の話もあるんで、『戦火の勇気』は結構お腹一杯な作品なんです!
見事だと思います!
また、仲間の兵士を救助するために死んだメグ大尉を国民のヒーローにして、国民の戦争や軍隊へのイメージを良くしようとする政府や軍隊の思惑がリアルっぽいですね!
実際にこの映画の撮影では、軍隊が真実を隠蔽するというストーリーのために、軍隊から戦車とかヘリとかを借りることが出来なかったそうです
その微妙にリアルな感じもお楽しみください!
次に役者についてなんだけれど、主役のデンゼル・ワシントン、相変わらず最高っす!
今回も『真実を明らかにする主人公役』なんだけれども、ピッタリの演技でしたね!
この人の出演している作品は全部面白いっす!
デンゼルは毎年のように出演作が公開されているんだけど、その『面白い率』の高さは半端じゃないっす!
ここまでコンスタントに面白い映画に出演している俳優ってのは他にいないんじゃなかろうか?
デンゼルは、ほんとにレジェンドな俳優です!
んで、次はメグ・ライアンなんだけれども、メグメグも良かったね!
ていうか、驚かされました!
メグメグと言えば、『ラブコメの女王』的なイメージなんだけど、『戦火の勇気』では、勇敢な女性兵士を演じてました
(その図)
こういうシリアスな演技も出来るんだなぁと驚き、イメージが変わりましたね!
イメージが変わったんだけれども、最近、まったく見ることが無くなったメグメグのお姿
一体、どこに行ったのでしょうか?
あと、この作品では、メグメグがダメダメな女性兵士を演じるシーンがあるんだけど、そのダメっぷりがコメディっぽくて、いつものメグメグらしくて、なんか似合ってました!
んで、他の役者としては、この人が良かった!
メグ大尉の部下兵士役として、かなり強い印象を残したルー・ダイアモンド・フィリップスっていう、名前にダイアモンドがついているカッコいい名前の俳優さんなんだけど、どっかで見たことがあるなぁと思いました!
んで、気になったんで調べました
そしたら、大人気だったTVドラマ『24』のシーズン1に出演していたそうです!
(ほらね!)
しかも、第2話だけのちょい役のゲスト出演で!
出てたと言えば出てたような
あんまり覚えてねぇ~!
たぶん、真面目な捜査官という印象的な演技をしていたから覚えてたんだと思う!
他の出演作では彼の記憶が無いし、たぶんこの時の記憶だな!
そういうわけで、TVドラマのたった1話のゲスト出演で、僕の記憶に残ってしまう演技をするダイアモンドさんの演技を、ぜひ『戦火の勇気』でもご覧ください!
名演技です!
あと、スパイ映画『ボーン・シリーズ』で有名なマット・デイモンも出ています!
なかなか印象的な演技をしていましたよ!
この作品が公開された次の年に、無名の俳優だったマットが主演の超名作『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』が公開されます!
んだから、ほんとに新人だったマット・デイモンの姿が『戦火の勇気』で見られます!
お楽しみください!
んなわけで、シリアスな軍人ドラマ『戦火の勇気』でした!
なかなか重厚な作品で、『観た感』が残る、ズッシリとした作品です!
こういうズッシリとした作品は好きで、こういう映画があると映画ってやめられないなぁと思いますね!
(個人的な感想だけど)
ぜひ、ご覧ください!
それでは、また次回お会いしましょうね~!
さいなら~!
おしまい
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