「意思あるところに道あり」 by 長友佑都
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「意思あるところに道あり」。この言葉は、現在セリエAの強豪インテルミラノに所属する長友佑都選手の好きな言葉だそうです(もともとは出身である東福岡高校の校訓の一つ)。
この言葉の解釈はいろいろとできそうですが、長友選手の自叙伝である「日本男児」(ポプラ社)を読むと、長友選手がなぜこの言葉を好んで使うかが少しわかったような気がしました。
■「意思あるところに道あり」
長友選手の言う「意思」とは、公言している「世界一のサイドバックになる」ことだと解釈しました。ではどうやって世界一になるか、長友選手の考え方は明確です。世界一のサイドバックという大きな目標から、そこに向かうためのプロセスを逆算し、今日やるべきことに100%取り組むこと。今日やるべきことという小さな目標を目の前に置き、そこに向かって努力を重ねる、これが長友選手の信念とも言える考え方だと感じました。
本人が「僕から努力をとったら何も残らない」(p.87)と言うように、本書を読むと「努力」というキーワードが頻繁に出てきます。なぜここまで、時には自分を追い込むように努力できるのか。この長友選手の努力を支えているのが向上心です。自分を成長させたい、そのための課題(壁)をさらに成長できる糧として歓迎する姿勢、自分が苦しい時こそチャレンジをする、本書からは現状に満足することなく、常に自分を成長させようとしている長友選手の姿勢が強烈に伝わってきます。
このようなあくなき向上心以外に、もう一つ長友選手の努力を読み解くキーワードが「成功体験」だと思いました。一歩一歩前進出来ているという実感、小さな幸せ(成功)を積み重ねること、目の前の目標を達成し自分が成長という前進を実感できるからこそ、次の努力ができる。こうした非常に良いサイクルです。「日本男児」という本では、長友選手のこれまでの半生が書かれていますが、努力は裏切らないというこの成功体験は、中学校の体験から始まり、その後の日本大学選抜への選出、U22日本代表、FC東京入団、北京五輪代表、W杯出場、チェゼーナでのセリエAデビュー、そしてインテルへの移籍と着実なステップアップにつながっています。
冒頭で「意思あるところに道あり」と引用しましたが、世界一のサイドバックになるという強い意思があり、それを成し遂げたいという向上心から常に努力し続けること。それが世界一への道となる。これがこの言葉の意味するものだと思いました。
■心に余裕を持つこと
この本の最後のほうで、長友選手はとても印象に残ることを言っています。それは心に余裕をもつことでした。長友選手はインテルに来てから、心に余裕を持つ大切さがわかったと言います。実はインテルに所属した当初は、心に余裕がなかったそうです。余裕が消えたことで周りが見えなくなり、当然サッカーに影響し、そして生活においても。
インテルのチームメイトであるサネッティやエトーの「心の大きさ」を学び、心に余裕を持った状態で練習に取り組みだせた時に迎えたキエーボ戦。今までにないくらい心の余裕を感じ、視野が広がり一つ一つのプレーに自信を持って伸び伸びとやれたそうです。結果はチームの2-1の勝利に貢献しただけではなく、長友選手は地元紙のマン・オブ・ザ・マッチに選出されます。
長友選手は心の余裕とは、自分の心と向き合い、心と会話し、感情をコントロールすること、つまらないことでイライラしたりカリカリしないことだと言います。心に余裕を持つためにはサッカーの技術以外にも人として大きくなる必要がある、心を磨く必要があり、今の目標は、意識することなく、自然と感情をコントロールできるようになることとだと書かれています。
長友選手には一日の終わりに必ずやる日課があるそうです。それが身体を伸ばすストレッチです。ストレッチは、コンディションを確認するとともに、その日一日を振り返り、自分自身を見つめ直す時間。冷静に今の自分を確認し、良いことも悪いことからも逃げないこと。心に余裕を持つという重要性を知っているからこその、毎日の日課なのだと思いました。
目標を持つ、それを達成したいという向上心、努力を続ける、心に余裕を持つ。どれ一つとっても簡単なことではないかもしれません。しかし、だからこそ長友選手が伝えたいことであり、実際にインテルで活躍をしている同選手の言葉には重みがあります。
「意思あるところに道あり」。この言葉は、現在セリエAの強豪インテルミラノに所属する長友佑都選手の好きな言葉だそうです(もともとは出身である東福岡高校の校訓の一つ)。この言葉の解釈はいろいろとできそうですが、長友選手の自叙伝である「日本男児」(ポプラ社)を読むと、長友選手がなぜこの言葉を好んで使うかが少しわかったような気がしました。
■「意思あるところに道あり」
長友選手の言う「意思」とは、公言している「世界一のサイドバックになる」ことだと解釈しました。ではどうやって世界一になるか、長友選手の考え方は明確です。世界一のサイドバックという大きな目標から、そこに向かうためのプロセスを逆算し、今日やるべきことに100%取り組むこと。今日やるべきことという小さな目標を目の前に置き、そこに向かって努力を重ねる、これが長友選手の信念とも言える考え方だと感じました。
本人が「僕から努力をとったら何も残らない」(p.87)と言うように、本書を読むと「努力」というキーワードが頻繁に出てきます。なぜここまで、時には自分を追い込むように努力できるのか。この長友選手の努力を支えているのが向上心です。自分を成長させたい、そのための課題(壁)をさらに成長できる糧として歓迎する姿勢、自分が苦しい時こそチャレンジをする、本書からは現状に満足することなく、常に自分を成長させようとしている長友選手の姿勢が強烈に伝わってきます。
このようなあくなき向上心以外に、もう一つ長友選手の努力を読み解くキーワードが「成功体験」だと思いました。一歩一歩前進出来ているという実感、小さな幸せ(成功)を積み重ねること、目の前の目標を達成し自分が成長という前進を実感できるからこそ、次の努力ができる。こうした非常に良いサイクルです。「日本男児」という本では、長友選手のこれまでの半生が書かれていますが、努力は裏切らないというこの成功体験は、中学校の体験から始まり、その後の日本大学選抜への選出、U22日本代表、FC東京入団、北京五輪代表、W杯出場、チェゼーナでのセリエAデビュー、そしてインテルへの移籍と着実なステップアップにつながっています。
冒頭で「意思あるところに道あり」と引用しましたが、世界一のサイドバックになるという強い意思があり、それを成し遂げたいという向上心から常に努力し続けること。それが世界一への道となる。これがこの言葉の意味するものだと思いました。
■心に余裕を持つこと
この本の最後のほうで、長友選手はとても印象に残ることを言っています。それは心に余裕をもつことでした。長友選手はインテルに来てから、心に余裕を持つ大切さがわかったと言います。実はインテルに所属した当初は、心に余裕がなかったそうです。余裕が消えたことで周りが見えなくなり、当然サッカーに影響し、そして生活においても。
インテルのチームメイトであるサネッティやエトーの「心の大きさ」を学び、心に余裕を持った状態で練習に取り組みだせた時に迎えたキエーボ戦。今までにないくらい心の余裕を感じ、視野が広がり一つ一つのプレーに自信を持って伸び伸びとやれたそうです。結果はチームの2-1の勝利に貢献しただけではなく、長友選手は地元紙のマン・オブ・ザ・マッチに選出されます。
長友選手は心の余裕とは、自分の心と向き合い、心と会話し、感情をコントロールすること、つまらないことでイライラしたりカリカリしないことだと言います。心に余裕を持つためにはサッカーの技術以外にも人として大きくなる必要がある、心を磨く必要があり、今の目標は、意識することなく、自然と感情をコントロールできるようになることとだと書かれています。
長友選手には一日の終わりに必ずやる日課があるそうです。それが身体を伸ばすストレッチです。ストレッチは、コンディションを確認するとともに、その日一日を振り返り、自分自身を見つめ直す時間。冷静に今の自分を確認し、良いことも悪いことからも逃げないこと。心に余裕を持つという重要性を知っているからこその、毎日の日課なのだと思いました。
目標を持つ、それを達成したいという向上心、努力を続ける、心に余裕を持つ。どれ一つとっても簡単なことではないかもしれません。しかし、だからこそ長友選手が伝えたいことであり、実際にインテルで活躍をしている同選手の言葉には重みがあります。
トヨタがSNSで目指す「クルマが人の生活において友だちとなること」は実現できるのか?
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先日の5月23日に、トヨタ自動車と米セールスフォース・ドットコムがクルマ向けのソーシャルネットワーク「トヨタフレンド」の構築に向けて提携することで基本合意したと発表しています。「トヨタフレンド」は、2012年に市販される予定のEV(電気自動車)およびPHV(プラグインハイブリッド車)で開始するサービスで、自動車を購入する人とクルマ、販売店、メーカーをソーシャルネットワークサービスで結びつけるようです。
セールスフォース・ドットコムとトヨタ、クルマ向けソーシャルネットワーク「トヨタフレンド」の構築に向けた戦略的提携に基本合意|TOYOTA
セールスフォースとトヨタが業務提携--Chatterを基盤に「クルマがつぶやく」SNS|CNET Japanから引用
■トヨタフレンドとは
トヨタフレンドの内容をもう少し見てみます。ソーシャルネットワークという表現を使っているので、何と何がどうつながるかが重要になってくると思いますが、上記のトヨタの発表内容では、「トヨタフレンド」は、人とクルマ、販売店、メーカーを繋ぐソーシャルネットワークサービスである、としています。
これらの中でどういった情報のやりとりがされるのかというと、「カーライフに必要な様々な商品・サービス情報などをお客様に提供」とあり、例えば、EV及びPHVの電池残量が少ない場合、充電を促す情報をあたかもクルマの「つぶやき」としてお客様に発信するとあります。あるいは、走行距離によって定期点検を促してくれたり、点検の予約をトヨタフレンドを通じて販売店と行うことも可能だそうです。右の画像では、ユーザーと販売店のつぶやき内容が表示されており、車が点検のアナウンスをし、ユーザーが販売店に予約するという流れになっています。(イメージ画像はセールスフォースとトヨタが業務提携--Chatterを基盤に「クルマがつぶやく」SNS|CNET Japanから引用)
■SNSとクルマの主従関係
このニュースを報じた記事はいくつかありましたが、それらの中でおもしろいと思ったのは日経にあった「(セールスフォース社CEOの)Benioff氏からクルマがSNSに入るというアイデアの話を聞いて感銘を受けた」というトヨタの豊田章男社長のコメントでした。車とSNSという両者において、「車がSNSに入る」ということは、SNSを中心にし車がその上に乗るという関係だと思います。ここがなぜおもしろいかと思ったかというと、この主従関係を自動車会社の社長である豊田氏がコメントをしている点です。
逆の発想として、車の中にSNSを組み込むということも考えられますが、トヨタがこのサービスで目指すのはあくまでソーシャルネットワークをベースに、その上で車の価値を上げていこうという取組みだという印象を受けました。実際に、豊田氏は「トヨタフレンドは、SNSにクルマそのものが参加するという構想。これにより、クルマが人の生活において友だちとなることを願っている。近年、人と人とのつながり方やコミュニケーションスタイルが大きく変化している。クルマもそれに合わせて変化していくことで、若者のクルマ離れや、魅力の低下を食い止められるのではないかと考えている。従来の“走る”“止まる”“曲がる”に、“つながる”というバリューを付加することで、より魅力のあるクルマを作るためのひとつの試みとなる」と、今回のセールスフォースとの提携意図を説明しています(上記、CNET Japanの記事から引用)。
■トヨタフレンドは「ソーシャルネットワーク」になれるか
さて、あらためてソーシャルネットワークの魅力を考えた時に、SNS内でのソーシャルグラフ(人間関係)があると思います。友達の友達を伝って、昔の知り合いを発見することもあり、ソーシャルグラフがあたかも網目のように展開しており、そこではコミュニケーションが活性化している世界です。
このようなにSNSを捉えた時に、今回のトヨタフレンドはどう評価できるのでしょうか。トヨタフレンドでのソーシャルグラフは人だけではなく、車と人がつながります。自分の車と会話とつながるというのは、既存のSNSと比べると比較優位の要素として挙げられそうです。
ただし、それには前提があります。車と人のコミュニケーションが活性化していないと、ユーザーにとっては魅力的ではなくなります。発表や関連記事で説明されていたコミュニケーション例では、電池残量が少ない場合の充電督促情報、走行距離からの定期点検を促してくれるなどを、車が「つぶやき」として発信するとありました。個人的に思うのが、これらの話題はそう毎日発生するものではなく、また、発生したとしてもコミュニケーションの発展性があまり期待できないように思います。ツイッターやフェイスブックを使っていて感じるのは、他愛のない出来事でも、SNS上でやりとりが発生し、1対1ではなく、時として多対多のコミュニケーションに発展するおもしろさがあります。これがトヨタフレンド上でどこまでできるか、トヨタフレンドをソーシャルネットワークと定義するからには、また、ユーザーに飽きられずに使い続けてもらうためには、ここがカギだと思います。車からのユーザーへの充電督促や定期点検のお知らせ、ユーザーから販売店などへの点検の予約、といったものはどれも1対1のコミュニケーションであり、これだけのためであればSNSとして活用する必要性が小さいのではないでしょうか。トヨタフレンドでは、TwitterやFacebook等の外部のソーシャルネットワークサービスとも連携し家族や友人とのコミュニケーションツールと位置づけるとありますが、単に連携するだけでなく、ここに優位性のある車とのつながりをどこまでユーザーに魅力を提示できるかが重要になると思います。実際に使ってみないと何とも言えませんが。
「クルマが人の生活において友だちとなること」を目指すトヨタの取り組みは、期待感もあり一方では課題もある印象です。
※参考情報
セールスフォース・ドットコムとトヨタ、クルマ向けソーシャルネットワーク「トヨタフレンド」の構築に向けた戦略的提携に基本合意|TOYOTA
セールスフォースとトヨタが業務提携--Chatterを基盤に「クルマがつぶやく」SNS|CNET Japan
トヨタとセールスフォース、クルマ向けSNS開発 2012年に車両の充電推奨時刻などを自動ツイートするサービス|日本経済新聞
先日の5月23日に、トヨタ自動車と米セールスフォース・ドットコムがクルマ向けのソーシャルネットワーク「トヨタフレンド」の構築に向けて提携することで基本合意したと発表しています。「トヨタフレンド」は、2012年に市販される予定のEV(電気自動車)およびPHV(プラグインハイブリッド車)で開始するサービスで、自動車を購入する人とクルマ、販売店、メーカーをソーシャルネットワークサービスで結びつけるようです。
セールスフォース・ドットコムとトヨタ、クルマ向けソーシャルネットワーク「トヨタフレンド」の構築に向けた戦略的提携に基本合意|TOYOTA
セールスフォースとトヨタが業務提携--Chatterを基盤に「クルマがつぶやく」SNS|CNET Japanから引用
■トヨタフレンドとは
トヨタフレンドの内容をもう少し見てみます。ソーシャルネットワークという表現を使っているので、何と何がどうつながるかが重要になってくると思いますが、上記のトヨタの発表内容では、「トヨタフレンド」は、人とクルマ、販売店、メーカーを繋ぐソーシャルネットワークサービスである、としています。これらの中でどういった情報のやりとりがされるのかというと、「カーライフに必要な様々な商品・サービス情報などをお客様に提供」とあり、例えば、EV及びPHVの電池残量が少ない場合、充電を促す情報をあたかもクルマの「つぶやき」としてお客様に発信するとあります。あるいは、走行距離によって定期点検を促してくれたり、点検の予約をトヨタフレンドを通じて販売店と行うことも可能だそうです。右の画像では、ユーザーと販売店のつぶやき内容が表示されており、車が点検のアナウンスをし、ユーザーが販売店に予約するという流れになっています。(イメージ画像はセールスフォースとトヨタが業務提携--Chatterを基盤に「クルマがつぶやく」SNS|CNET Japanから引用)
■SNSとクルマの主従関係
このニュースを報じた記事はいくつかありましたが、それらの中でおもしろいと思ったのは日経にあった「(セールスフォース社CEOの)Benioff氏からクルマがSNSに入るというアイデアの話を聞いて感銘を受けた」というトヨタの豊田章男社長のコメントでした。車とSNSという両者において、「車がSNSに入る」ということは、SNSを中心にし車がその上に乗るという関係だと思います。ここがなぜおもしろいかと思ったかというと、この主従関係を自動車会社の社長である豊田氏がコメントをしている点です。
逆の発想として、車の中にSNSを組み込むということも考えられますが、トヨタがこのサービスで目指すのはあくまでソーシャルネットワークをベースに、その上で車の価値を上げていこうという取組みだという印象を受けました。実際に、豊田氏は「トヨタフレンドは、SNSにクルマそのものが参加するという構想。これにより、クルマが人の生活において友だちとなることを願っている。近年、人と人とのつながり方やコミュニケーションスタイルが大きく変化している。クルマもそれに合わせて変化していくことで、若者のクルマ離れや、魅力の低下を食い止められるのではないかと考えている。従来の“走る”“止まる”“曲がる”に、“つながる”というバリューを付加することで、より魅力のあるクルマを作るためのひとつの試みとなる」と、今回のセールスフォースとの提携意図を説明しています(上記、CNET Japanの記事から引用)。
■トヨタフレンドは「ソーシャルネットワーク」になれるか
さて、あらためてソーシャルネットワークの魅力を考えた時に、SNS内でのソーシャルグラフ(人間関係)があると思います。友達の友達を伝って、昔の知り合いを発見することもあり、ソーシャルグラフがあたかも網目のように展開しており、そこではコミュニケーションが活性化している世界です。
このようなにSNSを捉えた時に、今回のトヨタフレンドはどう評価できるのでしょうか。トヨタフレンドでのソーシャルグラフは人だけではなく、車と人がつながります。自分の車と会話とつながるというのは、既存のSNSと比べると比較優位の要素として挙げられそうです。
ただし、それには前提があります。車と人のコミュニケーションが活性化していないと、ユーザーにとっては魅力的ではなくなります。発表や関連記事で説明されていたコミュニケーション例では、電池残量が少ない場合の充電督促情報、走行距離からの定期点検を促してくれるなどを、車が「つぶやき」として発信するとありました。個人的に思うのが、これらの話題はそう毎日発生するものではなく、また、発生したとしてもコミュニケーションの発展性があまり期待できないように思います。ツイッターやフェイスブックを使っていて感じるのは、他愛のない出来事でも、SNS上でやりとりが発生し、1対1ではなく、時として多対多のコミュニケーションに発展するおもしろさがあります。これがトヨタフレンド上でどこまでできるか、トヨタフレンドをソーシャルネットワークと定義するからには、また、ユーザーに飽きられずに使い続けてもらうためには、ここがカギだと思います。車からのユーザーへの充電督促や定期点検のお知らせ、ユーザーから販売店などへの点検の予約、といったものはどれも1対1のコミュニケーションであり、これだけのためであればSNSとして活用する必要性が小さいのではないでしょうか。トヨタフレンドでは、TwitterやFacebook等の外部のソーシャルネットワークサービスとも連携し家族や友人とのコミュニケーションツールと位置づけるとありますが、単に連携するだけでなく、ここに優位性のある車とのつながりをどこまでユーザーに魅力を提示できるかが重要になると思います。実際に使ってみないと何とも言えませんが。
「クルマが人の生活において友だちとなること」を目指すトヨタの取り組みは、期待感もあり一方では課題もある印象です。
※参考情報
セールスフォース・ドットコムとトヨタ、クルマ向けソーシャルネットワーク「トヨタフレンド」の構築に向けた戦略的提携に基本合意|TOYOTA
セールスフォースとトヨタが業務提携--Chatterを基盤に「クルマがつぶやく」SNS|CNET Japan
トヨタとセールスフォース、クルマ向けSNS開発 2012年に車両の充電推奨時刻などを自動ツイートするサービス|日本経済新聞
Bing+Facebook検索から考える情報入手のこれからの棲み分け
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マイクロソフトが5月16日(現地時間)、同社提供の検索サービス「Bing」に対してFacebookと連携させた新機能を追加したと発表しました。Facebookの"Like"(いいね!)情報を活用し、友人やFacebookユーザーのオススメ情報などが検索結果に表示されるようになっているようです。
Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bing
■bing+facebookで検索するとこうなる
新機能は、大きくTrusted Friends、Collective IQ、Conversational Searchの3種類。Trusted Friendsでは、キーワード検索の結果にFacebook上の友人が"Like"登録したページがあれば、その情報が表示されます(友人の顔写真が最大3名まで)。以下のイメージ画像では検索結果の3番目に友人の顔写真が表示される。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用
Collective IQでは、友人に限らず、Likeをたくさん集めたサイトが検索結果の上位に表示されるようです。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用
Conversational Searchでは、人名による検索結果にFacebookのユーザー情報が表示されたり、下のイメージのように地名を検索すると、そこに住んでいる(あるいは住んでいた経験のある)友人が表示されます。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用
このサービスを利用するためには、フェイスブックにログインした状態で、bingから検索する必要があります。また、現在はアメリカだけでのリリースのようです。
少し古いデータですが、ニールセンが2009年4月に、50か国で25,000人のネットユーザーを対象に調査を行ったところ、各国のネットユーザーの9割が「友人からのおすすめ」を信用していると回答しています。
<広告形態別の信頼度 2009年4月>

Nielsen Global Online Consumer Survey (PDF)|Nielsenから引用
今回のマイクロソフトとフェイスブックの取り組みは検索結果に友人のおすすめが出るということで、まさにこの信頼度を検索結果というアウトプットの(その人への)精度に活用するものです。Googleなどの従来の検索とは異なる「人と人とのつながり」という条件で結果が表示されるのです。
■インプットとしての検索の向上余地は?
それでは、検索のインプットのほうはどうでしょうか?あらためてネット検索でのインプットのプロセスを考えると、こちらのほうはまだまだ進化の余地があるように思います。検索をするには、まず自分が知りたいことを検索用語として打ち込みます。すなわち、具体的な単語にまで知りたいことを落とし込まないと検索自体ができないということ。「こないだのあれ、何だっけ」みたいなあいまいな状態では検索は有効に活用できません。もちろん、インプットとしての検索機能の向上例として、Googleでは、画像・動画・ニュース・リアルタイム、などとカテゴリーに絞って検索ができますが、これも入力する検索ワード、あるいはその組み合わせがうまくいっていないと、効果が薄れてしまいます。
上記で取り上げたbingのソーシャル検索ではアウトプットでの進化でしたが、インプットにおける検索についても検索のインプットでも新しい考え方・仕組みを期待したいところです。ユーザーに検索ワードを考えさせる、検索を色々と工夫しても、欲しい・必要な情報がなかなか上位に表示されない、など、よくよく考えるとネットでの検索は非常に便利とはいえ、まだまだ使い勝手がいいとは言えないように思います。ネットでの検索は検索連動型広告のおかげで無料サービスとして提供されていますが、もし今よりももっと早く・正確に必要な情報が手に入るのであれば、効率的な検索から時間を有効に使える有料サービスもあってもいいような気もします(実際に利用するかは価格と精度によりそうですが)。
■AISASで情報入手プロセスを考える
ここまで、マイクロソフトとフェイスブックの新しい検索機能の話から、検索のアウトプットとインプットについて考えました。情報を入手する手段としてはネット検索は便利ですが、一方で検索だけに頼る必要もないと思っています。検索というのはワードを指定して自分から情報を探しにいきますが、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを使っていると、「必要な情報が向こうからやってくる」という感覚を持ちます。前提として、そのような情報を発信してくれる人(ニュースメディアやBotも含む)をフォローしておく必要がありますが、国内外問わず、大きなニュースなどは最近ではツイッターなどを経由して第一報を知ることが多くなっています。最近の例で言えば、ビンラディン殺害がそうでした。その後、気になったのでネットで調べてみると(検索)、CNNでのニュースとして大きく報じられていたり、オバマ大統領の発表演説が見つかり、これはデマではなく本当に起こったことのようだと実感するようになりました。ツイッターで知り、詳細を検索から、というプロセスでした。
ところで、AISASという消費者の購買行動モデルがあります。AISASとは、Attention(注意)=>Interest(興味・関心)=>Search(検索)=>Action(行動)=>Share(共有)の頭文字をとったもので、電通が考案したマーケティングにおける消費行動プロセスを表す考え方です。具体的には、消費者がある商品を知ってから購入に至るまでは、注意が喚起され、興味;関心が生まれ、関連する情報を検索し、その商品やサービス購入し、そのことを共有する、というプロセスのこと。

AISASはもともとは購買行動モデルですが、4番目のActionを、情報接触という行動と見なせば、情報接触・探索のモデルとしても当てはめられるように思います。AISASというプロセスでは、検索は真ん中のSにあたり、上流には注意、興味・関心がありますが、ソーシャルメディアで興味・関心が湧き、Googleで検索をするということです。
■情報入手をマトリクスで整理
先ほど、「情報入手は検索だけに頼る必要もない」と書きましたが、今後、マイクロソフト+フェイスブックのように検索にソーシャル性が加われば、自分にとっての情報入手は次のようなマッピングができそうです。

Googleリーダー、Google検索は今のところソーシャル性よりも、機械的なアルゴリズムにより検索精度の向上させています(Googleのミッションである「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」)。ただ、ソーシャルの取り組みがないわけではなく、Googleリーダーでは共有アイテムがあり、検索でも「+1」という新しいソーシャル機能に挑戦しています。IT系の世の中の流れとしてはソーシャル全盛な感じがありますが、個人的には、機械的な結果を提示してくれる(今の)Googleのような存在もあってほしいと思いますし、上記のマトリクスのような棲み分けごとに、それぞれがもっと使いやすくなってくれることを期待したいです。
※参考情報
Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bing
Bing、Facebook連携を大幅強化 - 友人のいいね!などを検索結果に表示|マイコミジャーナル
Nielsen Global Online Consumer Survey (PDF)|Nielsen
世界で最も信頼される広告形態は「知り合いからのおすすめ」「ネットのクチコミ」【ニールセン調査】|MarkeZine
Googleは「+1」でソーシャル検索を実現できるのか?|思考の整理日記
マイクロソフトが5月16日(現地時間)、同社提供の検索サービス「Bing」に対してFacebookと連携させた新機能を追加したと発表しました。Facebookの"Like"(いいね!)情報を活用し、友人やFacebookユーザーのオススメ情報などが検索結果に表示されるようになっているようです。
Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bing
■bing+facebookで検索するとこうなる
新機能は、大きくTrusted Friends、Collective IQ、Conversational Searchの3種類。Trusted Friendsでは、キーワード検索の結果にFacebook上の友人が"Like"登録したページがあれば、その情報が表示されます(友人の顔写真が最大3名まで)。以下のイメージ画像では検索結果の3番目に友人の顔写真が表示される。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用
Collective IQでは、友人に限らず、Likeをたくさん集めたサイトが検索結果の上位に表示されるようです。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用
Conversational Searchでは、人名による検索結果にFacebookのユーザー情報が表示されたり、下のイメージのように地名を検索すると、そこに住んでいる(あるいは住んでいた経験のある)友人が表示されます。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用
このサービスを利用するためには、フェイスブックにログインした状態で、bingから検索する必要があります。また、現在はアメリカだけでのリリースのようです。
少し古いデータですが、ニールセンが2009年4月に、50か国で25,000人のネットユーザーを対象に調査を行ったところ、各国のネットユーザーの9割が「友人からのおすすめ」を信用していると回答しています。
<広告形態別の信頼度 2009年4月>

Nielsen Global Online Consumer Survey (PDF)|Nielsenから引用
今回のマイクロソフトとフェイスブックの取り組みは検索結果に友人のおすすめが出るということで、まさにこの信頼度を検索結果というアウトプットの(その人への)精度に活用するものです。Googleなどの従来の検索とは異なる「人と人とのつながり」という条件で結果が表示されるのです。
■インプットとしての検索の向上余地は?
それでは、検索のインプットのほうはどうでしょうか?あらためてネット検索でのインプットのプロセスを考えると、こちらのほうはまだまだ進化の余地があるように思います。検索をするには、まず自分が知りたいことを検索用語として打ち込みます。すなわち、具体的な単語にまで知りたいことを落とし込まないと検索自体ができないということ。「こないだのあれ、何だっけ」みたいなあいまいな状態では検索は有効に活用できません。もちろん、インプットとしての検索機能の向上例として、Googleでは、画像・動画・ニュース・リアルタイム、などとカテゴリーに絞って検索ができますが、これも入力する検索ワード、あるいはその組み合わせがうまくいっていないと、効果が薄れてしまいます。
上記で取り上げたbingのソーシャル検索ではアウトプットでの進化でしたが、インプットにおける検索についても検索のインプットでも新しい考え方・仕組みを期待したいところです。ユーザーに検索ワードを考えさせる、検索を色々と工夫しても、欲しい・必要な情報がなかなか上位に表示されない、など、よくよく考えるとネットでの検索は非常に便利とはいえ、まだまだ使い勝手がいいとは言えないように思います。ネットでの検索は検索連動型広告のおかげで無料サービスとして提供されていますが、もし今よりももっと早く・正確に必要な情報が手に入るのであれば、効率的な検索から時間を有効に使える有料サービスもあってもいいような気もします(実際に利用するかは価格と精度によりそうですが)。
■AISASで情報入手プロセスを考える
ここまで、マイクロソフトとフェイスブックの新しい検索機能の話から、検索のアウトプットとインプットについて考えました。情報を入手する手段としてはネット検索は便利ですが、一方で検索だけに頼る必要もないと思っています。検索というのはワードを指定して自分から情報を探しにいきますが、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを使っていると、「必要な情報が向こうからやってくる」という感覚を持ちます。前提として、そのような情報を発信してくれる人(ニュースメディアやBotも含む)をフォローしておく必要がありますが、国内外問わず、大きなニュースなどは最近ではツイッターなどを経由して第一報を知ることが多くなっています。最近の例で言えば、ビンラディン殺害がそうでした。その後、気になったのでネットで調べてみると(検索)、CNNでのニュースとして大きく報じられていたり、オバマ大統領の発表演説が見つかり、これはデマではなく本当に起こったことのようだと実感するようになりました。ツイッターで知り、詳細を検索から、というプロセスでした。
ところで、AISASという消費者の購買行動モデルがあります。AISASとは、Attention(注意)=>Interest(興味・関心)=>Search(検索)=>Action(行動)=>Share(共有)の頭文字をとったもので、電通が考案したマーケティングにおける消費行動プロセスを表す考え方です。具体的には、消費者がある商品を知ってから購入に至るまでは、注意が喚起され、興味;関心が生まれ、関連する情報を検索し、その商品やサービス購入し、そのことを共有する、というプロセスのこと。

AISASはもともとは購買行動モデルですが、4番目のActionを、情報接触という行動と見なせば、情報接触・探索のモデルとしても当てはめられるように思います。AISASというプロセスでは、検索は真ん中のSにあたり、上流には注意、興味・関心がありますが、ソーシャルメディアで興味・関心が湧き、Googleで検索をするということです。
■情報入手をマトリクスで整理
先ほど、「情報入手は検索だけに頼る必要もない」と書きましたが、今後、マイクロソフト+フェイスブックのように検索にソーシャル性が加われば、自分にとっての情報入手は次のようなマッピングができそうです。

Googleリーダー、Google検索は今のところソーシャル性よりも、機械的なアルゴリズムにより検索精度の向上させています(Googleのミッションである「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」)。ただ、ソーシャルの取り組みがないわけではなく、Googleリーダーでは共有アイテムがあり、検索でも「+1」という新しいソーシャル機能に挑戦しています。IT系の世の中の流れとしてはソーシャル全盛な感じがありますが、個人的には、機械的な結果を提示してくれる(今の)Googleのような存在もあってほしいと思いますし、上記のマトリクスのような棲み分けごとに、それぞれがもっと使いやすくなってくれることを期待したいです。
※参考情報
Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bing
Bing、Facebook連携を大幅強化 - 友人のいいね!などを検索結果に表示|マイコミジャーナル
Nielsen Global Online Consumer Survey (PDF)|Nielsen
世界で最も信頼される広告形態は「知り合いからのおすすめ」「ネットのクチコミ」【ニールセン調査】|MarkeZine
Googleは「+1」でソーシャル検索を実現できるのか?|思考の整理日記
