今回は入試日程戦略についてです。
(共学校と女子校の経験談になります。)
帰国入試の入試日程は一般入試と異なり、かなりフレキシブルに日程を組むことができます。期間も長いですし、家庭ごとに受験の仕方も十人十色になってくるでしょう。
しかし、おさえておくべき重要なポイントもありそうです。我々の経験から、帰国生入試日程には明らかに大きな傾向があります。
重要なポイントは難易度の高い学校ほど後ろの方の日程で入試が行われる傾向にあることです。
これは冷静に考えると当たり前で、帰国生をほしがっている学校は多く、特に中堅校から上位校は青田買いに走り、難関校陣が最後の方に待ち受けているということでしょう。
帰国入試は、早いところでポツポツと8~10月から開始され、その後大きくは4つのヤマ場に分かれていたかな、と感じています。
予備戦:8月から11月
第一次帰国中受大戦:11月後半~12月上旬
第二次帰国中受大戦:12月中旬~12月20日前後
第三次帰国中受大戦:1月上旬~1月中旬
第四次帰国中受大戦:1月末~2月初め
娘は第一次大戦まではスムーズでしたが、第二次大戦以降は一進一退の激しい攻防でした。不合格もあれば合格もあるようなジグザグの進み方でした。
ある学校に不合格となった時。
娘は他の試験中で私一人で見ました。
「お、落ちてる・・・!ま、マジか。。。」
(れ、冷静になろう。落ち着け。落ち着くんだ。。。もう一回見てみよう。)
(やっぱり老眼のせいではない・・・!落ちてる・・・。)
(なんで落ちたんだ・・・。この勢いなら行けると思っていたのに・・・。)
(ありうるとしたら、エッセイのロジックが崩壊したのかもしれん。。。」
(いや、算数が出来たと毎回言っているが、今回に限って計算間違いしまくっているのかもしれん。)
(いやいや、よく考えてみたらそれ以前にそもそも過去問の相性も悪かったからな・・・。)
(しかし、何と言えばいいんだ・・・、まだ第一志望から第三志望まで本番が残っている状況じゃないか。。。やる気をなくさせるようなコメントだけはできない。どうする!?どうすんだよ!?・・・)
「おう、試験お疲れさん!」
「〇〇校だが、不合格だった。」
「落ちた理由は分かるよな?」
「うん、過去問の準備が足りなかった」
「そういうのもあるだろうが、パパが言いたいのはそういうことではない。」
「もともとお前は国算の方ができる。つまり英語に比重を置くような学校では不利になりがちだということだ。1月以降の難関校に向けて間が空き過ぎるのも嫌だから受けただけで想定済だ。気にするな。」
(国算が難しい学校には国算偏差値が足りないけど・・・。それは言うまい。 )
「そうなの!?なあんだ。」
「実はショックだったりする?」
「いや、実はそうでもない。別に〇〇校は行きたくなかった。あんまり好きではなかったから。私は第一志望から第三志望のどれかに入れればいいの!」
「そもそもあの学校、過去問からして嫌いだったし。何なのあのstrangeな問題。」
(こいつ、強いな・・・。俺の方が全然ショック受けてる・・。)
「そ、そうか・・・。まあ、元々過去問も嫌だって、そう言ってたよな。落ちてラッキーぐらいの話だな!」
「うん、あの問題嫌い。」
(ちょっと泣いてる?のか・・・?でも問題のせいにしてる・・・。ま、ここは乗っておこう。)
「◎◎校に行ければそれでいいからな、オレら!次がんばろうぜ!」
「そうだね!」
帰国生入試の場合、後ろの日程ほど難易度がせり上がる傾向があります。私立大学入試に似ていますね。
途中でこけることもあるでしょう。上記のような会話はありましたが、やはり元気はなくなったように見えました。ただ、娘の場合は、この後逆にお尻に火がついて上位志望校に向けての努力やその真剣度が加速された感じがしました。
娘に今聞いたところ、いいか悪いかは分からないが、後がない感覚に追い込まれたとのこと。そして、難関校へ向けて緊張感が高まって、その後集中して勉強できたとのこと。複数の不合格を被弾しながらも難関校受験まで頑張ってくれました。
以前書いたように、帰国生入試は各校ごとに問題や配点、科目別難易度等の特色が色濃く出る試験です。↓
ですから、どんなに優秀な子も、頑張ってきた子も、合わない試験形態ではドボンしてしまう可能性もあると思います。
親が問題が合わないと思う学校は、かなり本番では不利になると思った方がいいのではないでしょうか。それぐらい、二人三脚してきたお父さんお母さんの勘は正しいのではないかという気がします。私もかなりリスクのイメージが出来ており、「ここは問題が合わないな、危ないかもなあ」と数か月前から思っていたところが複数撃沈されました。勢いよく他が合格していても、合わないところは撃沈された、という感じです。合わないところの不合格率が異常に高かった印象です。偏差値だけではなく問題が合う合わないで結果が変わる可能性もあるのが帰国入試だと思います。
よって、受験校選びや日程計画はよくよく慎重に進めるべきと思います。私も合わない学校を受けさせたのを反省しています。なぜなら、上位志望校が難関校の場合、入試後半の第三次~第四次大戦までモチベーションの維持が必要なのに、その前に不合格を見てしまったからです。幸いにも乗り越えてくれましたが、上位志望順位の学校の本番の前に落ちてしまうリスクも大人が考慮し、こどもの性格などをよく考えた日程計画が大切と思いました。
あとは、運悪く途中で不合格になってもロジカルな理由付けを探しておくほうがよいんですかね。特に女子はロジックがないとなかなか納得しませんし。
自分が小学生の時より全然大人というかんじがします・・。
さて、本日のタイトル、気づいた方もいらっしゃるでしょうが、Greenの「UR not alone」の歌詞です。(↓音楽聞ける状態の方はリンクをどうぞ。)
娘も、あの冬の日、入試期間中に、「つまづいて、しゃがみ込んでしまうほどの痛み」を経験しました。しかし、それを助走に変えて自分の力で乗り越えてくれました。
今年の帰国入試開始まであと少し!6年生の皆さんのがんばりを心から尊敬し、応援しています。がんばれ!帰国生!
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