カプリ島と違い、アマルフィのお店は活気があり、ほとんどの店が営業していた。
また、この後地元のパレード的なものも始まったので、人が溢れていた。
私たちはこの旅が終わった後もこの旅を思い出させてくれるような「絵」をお土産にずっと探しており、アマルフィでは私たち好みの店を見つけ、買い物をしばらく楽しんだ。
お手洗いのため飲み物を買って休憩もして、16:15に集合場所へ到着した。
集合場所付近ではパレードが開催されており大混雑。
私はここで若干の違和感があり、夫に
「集合5分前に添乗員さんも誰もいないことなかったよね。」と言うと、夫は
「パレードに巻き込まれてるだけでしょ。」と何も気にしていない様子。
確かに付近はパレードの音楽と凄い人で溢れており、遅れても仕方がない状況。
しかし5分経ち、集合時間の16:20になった。
相変わらず誰も来ない。
そして、どこを見渡しても日本人が誰一人いなかった。
いくらパレードに巻き込まれているとはいえ、誰一人いないなんてこんなことあるだろうか。
私はここでようやくなんかおかしいと確信した。
旅行前に連携されていたランドクルーズの連絡先(Whats App)を登録してたのを思い出し、
私の取り越し苦労に終わってほしいと思いながら、
寒さに震える手で必死に文字を打った。
(私)「アマルフィに滞在中ですが、集合時間になっても誰も来ません。どこにいらっしゃるか確認しても良いですか?」
(ラ)「予約番号を教えてもらっても良いですか?」
(私)「〇〇〇〇(予約番号)です。添乗員は〇〇〇さんです。」
(ラ)「ガイドに確認しますので少々お待ちください。」
ランドクルーズ本社に繋がったようだ。
今思えば電話すれば良かったのだが、「Whats App」というアプリを使うのが初めてなのと、すぐに連絡がつくかも分からなかったので、ひとまずメッセージ送ってしまった。
添乗員の直接の連絡先も知っていればなお良かったのだが、それは連携されていなかった。
私はランドクルーズから連絡が返ってくる間に、最初にバスを降りたところ辺りに誰かいるかとも思い走って見に行ったが、すでに誰もいなかった。
16:40
待ちきれずに電話した。
(私)「今どのような状況か教えてもらってもいいですか?」
(ラ)「ガイドに先ほど確認取れまして、大変申し訳ございませんが、人数のカウント間違いによりすでに出発済のようです。現在バスとガイドがアマルフィに戻っておりますが、到着が17:25頃になります。」
・・・え・・・?
私たちは、何らかの手違いで
ツアーの集合時間に間に合わず、
置き去りになった
(私)「えっと、それは私たちが集合場所や時間を誤っていたということでしょうか・・?」
(ラ)「そちらもガイドに確認しますのでしばらくお待ちください。」
夫もようやく大変なことになったと危機感を募らせていた。
なぜ・・・なぜこんなことになったのだろうか。
ツアーは今日で終了だというのに
最後の最後でこんなこと・・・
集合時間は確かに「16:20」だと言っていた。
私は夫との2人のLINEに「集合時間は16:20」と備忘録として送っていた。
また夫も添乗員がスマホに「16:20」と表示してみんなに見せていたのを覚えていた。
寒空の下、外でバスを待ち続けた。
バスが引き返してくるというが、皆を巻き込んでどんな顔でバスに戻れば良いのか?
今日夕食の予約や予定を入れていた人は?キャンセル料は?
我々を含む3組はツアーが今日で終わり、今日中にナポリからローマへ帰らねばならないのに、電車は間に合うのだろうか?
そして、なぜ、同じツアーの人は誰も気付いてくれなかったんだろうか・・・
少なからずコミュニケーションがあったのに。
色んな事が頭を巡った。
こんなに嫌なことで頭が回るのは、数年前にパワハラ部長の元で仕事をしていたとき以来だ。
あの時、添乗員は何と言っていた?
集合場所は確かにあそこだったはずなのに・・・
「ちょっと待って、そういえば集合場所って・・・」
と夫が言い出した。
私「え?あの銅像がある広場のところでしょ?」
夫「いや、コンパス広場だったんじゃないか?添乗員が最初に集合時間を言ったところ!」
私「え・・・?」
コンパス広場・・・?
そういえば、添乗員が最初に立ち止まって時間を言ったのは、コンパス広場だった。
私たちが集合場所だと思っていた場所の1つ前に寄った場所だ。
夫の言葉で私の記憶も蘇り、添乗員が言ったことを今更思い出した。
(夫婦)「・・・集合場所、
コンパス広場だったんだ・・・」
私たちはどん底に突き落とされた。
ちなみに我々がなぜこんな勘違いをしたかという弁明をここでさせてほしい。
添乗員は少なくとも2回、集合時間をみんなに言った。
「コンパス広場」と
私たちが勘違いしていた「ドゥオモ広場」というところ。
確かに添乗員はコンパス広場で「ここに集合」的なことを言っていたのだが、
「ドゥオモ広場」でもなぜか立ち止まって皆に集合時間を伝えており、
2人ともこの光景が上書きされて勘違いしたのだ。
でも他のみんなはちゃんと集合場所へ間違えずに行っているわけで、
私たちの確認ミスであることに間違いないのだが・・・
そんな答え合わせをしているうちに、ランドクルーズから、
「集合時間は16:20、集合場所はここだったそうです。」
と、コンパス広場を指したマップが送られてきた。
やはりコンパス広場だったのだ。
勘違いしていたとしても、皆がいなかった時点でなぜ気付けなかったのだろう・・・
自分の詰めの甘さに腹が立つ(この旅2回目)。
そして、集合時間から1時間以上経過した。
外で待ち続けたが、バスは一向に来なかった。
先ほどまでは無悲慈にもパレードの音楽で辺り一帯賑やかだったが、
既にそれも終わり、静寂な暗闇の中に取り残された。
ランドクルーズからメッセージがあった。
「バスが渋滞に巻き込まれ、アマルフィに入れないそうです。」とのこと。
ランドクルーズの話では本来は、
「16:20集合場所を出発後、アマルフィ海岸からマイオーリまで船、そこからナポリまでは大型バス(本日ツアーが終わる3組は荷物を持ってナポリ駅で下車、ローマまで鉄道に乗る)」
という行程なのだが、
マイオーリに着いてから、急遽大型バスでアマルフィまで戻ってきているとのことだった。
あの後船に乗ると思ってなかった・・・
私が周辺を走って見に行った時も、船着き場は見ていなかった。
きっと私たちがいないという連絡も、添乗員は船上で受け取ったのだろう。
グーグルマップで調べると、マイオーリからアマルフィまでの地上ルートはそんなに遠くないのだが、確かにこの時間、アマルフィへ向かう車で大混雑していた。
これ以上遅くなるとツアーの皆さんに余計迷惑がかかる・・・
今引き返してもらえれば、1時間遅れぐらいで済むし、鉄道も間に合う。
私たちは決断し、夫がランドクルーズに電話した。
(夫)「バスは元の行程通りナポリ駅に向かってほしい。我々は自力で帰る。ただ、アマルフィからの交通手段だけ手配してくれないだろうか。」
アマルフィは駅もなければ観光バスや個人の車以外通らないような陸の孤島のような場所。
どうにかナポリまで帰る手段を教えてほしかった。
(ラ)「分かりました。ガイドに相談してみます。また連絡します。」
私はしてしまったことへの重大さで血の気が引いたのとアマルフィの寒さで身体が冷え切り、ランドクルーズへのメッセージすら打てなくなってしまった。
一旦カフェに入ることにした。
カフェに入ったところでまたランドクルーズから電話があった。
(ラ)「とりあえずバスは引き返し、ナポリ駅に向かうことになりました。この度は申し訳ありませんでした。また、アマルフィからナポリまでの交通手段の手配なのですが、こちらで手配することが難しいため、アマルフィでタクシーを拾っていただき、ナポリまでお乗りください。タクシー代はこちらで負担いたします。」とのことだった。
我々は自分たちが悪いと思い込んでいたが、ランドクルーズはこのケースはあくまで「ガイドのミス」として捉えているようだった。
なぜランドクルーズがこんなすぐガイドのせいにしたのかよく分からなかったが、もしかしたら今回のガイドだったからたまたまなのかもしれない・・・
私たちはすぐにカフェを出てタクシーを捕まえに行った。
ただ、タクシーなんて走ってないのにどうやって・・・と思って辺りを見回してみると、なんと、アマルフィ海岸のロータリーのところにタクシー乗り場があった。
こんなところからナポリまでなんて嫌がられるのでは・・・と思ったが、案外あっさり1人目の運転手からOKが出て乗ることができた。
そこから1時間以上車は走った。
ナポリ駅に着くと、例の添乗員さんが私たちの荷物を持ってポツンと待っていた。
タクシー代は建て替えではなく、添乗員がその場で直接支払ってくれた。
そしてタクシーのおっちゃんと別れた後、添乗員さんがこちらに来て、
「本当にゴメンナサイ・・・」
ともう今にも泣き出しそうな顔で言うのだった。
意外な反応にこちらも気まずくなり、
(私)「いえ、こちらこそ・・・ご迷惑をおかけしてすみませんでした。」と言うと、
人が沢山いる駅前で
土下座しようとしてきた。
え、ちょっと、どこで覚えたのそれ(どの日本メディアに影響されたんだ)!
(私)「いやいや!私たちが悪かったですし!」と土下座を慌てて制止すると、
なんだかほっとした様子で、「はぁ~」とため息をついてその場に座り込んだ。
私たちも一緒に座り込んだ。
(添)「実は、今日のツアーは、急に2人来れなくなった人がいて・・・だから人数は-2からスタートしたのデス・・・。」となぜか言い訳が始まった。
(添)「だから、アマルフィを出発するときに人数を確認したときも、『今日は-2だからこの人数でイイ!』となぜか思い込んでしまったんですネ・・・。」とのことだった。
つまり、ランドクルーズは毎日人数が変動するから、途中で分からなくなってしまったと。
うん、それは混乱するよね。混乱させてごめんね。
(添)「アマルフィからマイオーリまでの船代を返しマス・・・」
何ユーロか現金で夫に渡された。もういいのに・・・
私たちは1番気になっていた、「今日ナポリからローマに帰る組が鉄道の時間に間に合ったどうか。」と、「アマルフィに引き返したことで混乱や苦情はなかったか。」を聞いた。
大型バスはあれからだいぶ飛ばして帰ったみたいで(事故なくて良かった)、予定時間の30分遅れくらいで、鉄道の時間の50分前に着いたとのこと(ナポリ駅でご飯食べる時間はなかったよね、、、ごめんなさい)。
また、他のツアー客も特に文句を言っている人もいなかったとのことだった。
ひとまず良かった、、、
添乗員さんはナポリ駅でローマ行の電車に乗る私たちを最後まで見送ってくれた。
添乗員さんの顔は私たちのせいでだいぶ疲れており、悲壮感が漂っていた。
明日からの南イタリアツアー大丈夫だろうか・・・
添乗員さん今回の一件で仕事辞めないだろうか・・・
本当にごめんなさい。
後から冷静に考えると、置いて行かれたと分かった時点で、アマルフィでマイオーリまでタクシーに乗っていれば(アマルフィと逆方面は空いてたし10分くらいだから)、ほぼ予定通りで間に合っていたのではと思った。
それかバスが渋滞に巻き込まれたところまで徒歩で歩いても良かったのかもしれない。
でもあの時は皆が船に乗っていると思っていなかったし、マイオーリという場所もよく知らなかった。
今だから地理的なことも分かり何とでも言えるのだけど。
添乗員付きツアーだからと先のことをあまり考えてなさ過ぎた。
ローマには22時前くらいに無事着いた。
2人で今日1日のことを振り返り、反省しながら眠りについた。
(最後に)
ツアーのパンフレットには「マイオーリ(船)」と書いてあった。
集合場所や集合時間の確認をきちんとして早めに行動するのはもちろんこと、今後は出発前にある程度の行程を頭に入れておこうと思う。。。
↑これはパンフレットの地図







