「同じセリフをそっくりそちらにお返しする」ナオキソマがモトに言った。
「まあ、話せば長い話になる。まず、この宮殿の主は昨年までは魔王と名乗るグレーターデーモンだった。が、俺とザキ、ケイジの3人でそいつをぶっ倒すことに成功した。ま、その前にユイチロくんが面白半分で追いかけてきたのも勝因の一つだったが……」モトが笑いながら言った。
「俺に『魔王どこ?』って聞いてきたから道を教えたんだけど俺自身はこいつら面白いなと思って尾行していた。まあ、そんなに悪い連中でもなさそうだなと思った反面、魔王に出くわしたらヤバイなとも思った。ま、俺自身、あの魔王は大嫌いだったから殺すのに一役買って、今はフリガンの一員ってわけ」ユイチロが言った。
「魔王じゃなくてもいい、ユイチロ君、俺を殺してくれ!」ナオキソマがユイチロの前に膝をついて懇願する。
「やめといたほうがいい。多くの魂は3年間で焼きつくされ、地上に戻されても邪なことしか考えない魔界衆の一員になってしまう。モト様みたいな強烈なカリスマに出会えば多少まともな道を歩けるかもしれないが、そうでなければ呪文を破壊的に唱えるだけの存在になる」ユイチロが言った。
「その破壊的に呪文を唱える存在に俺はなりたいんだ!」ナオキソマが言った。
「そういうのが一番危険なんだ」ユイチロが言った
「俺なら理性で邪心を押さえつけることができる」ナオキソマがユイチロに言った。
「無理だと思うな。頂点に立とうとする悪魔は魔王を目指す。その間に魂は完全に人間らしさを失ってしまう」ユイチロが言った。
「それでも俺は力が欲しいんだ!」ナオキソマが叫んだ。(つづく)