第23話 世界一危険な裏通り
マキ・マルセロ・ダ・シルバとマキ・ジュニオール・ダ・シルバは兄弟である。だがマキ・マルセロは色白でマキ・ジュニオールは色黒である。
どちらも魅力的なルックスをしているが、マキ・マルセロには近づき難い雰囲気があり、マキ・ジュニオールには気楽に声をかけられそうな雰囲気がある。
マキ・マルセロには重大な秘密があり、この日もアワズスティムの裏通りを人目を避けるように小さな宿屋を探しながら歩いていた。
そこにキングが現れた。
「そこの色黒の彼、いい店知っているからついてこいよ」キングは誰もいないのを見渡すと言った。再三に渡る吸血行為の繰り返しで、キングの姿は若返り、魅力も全盛期のそれになった。
相手が男と言えども、キングの誘惑に負けそうになった。
「急いでますので、失礼します」マキ・ジュニオールが言った。
「すぐに終わる」キングはもの凄い腕力でマキ・ジュニオールを抱きしめた。キングの両手から鉤爪が生え、その大きく開かれた口には鋭い牙が生えていた。
マキ・ジュニオールがもがけばもがくほど抱擁はきつさを増していった。
マキ・マルセロの両手に鉤爪が生え、着衣を衣装化して背中に大きな翼が生えた。その姿はまさに魔界の美とでも言わんばかりである。
「悪魔か。だがお前にこの男を救うことは出来ない」キングはそういうと牙を首筋に立ててマキ・ジュニオールの首筋にそれをつき刺した。