103話 追い着き追い越せ
「せっかく復興したのに、この暗闇で全てを失いそうだ」タダナリが言った。
「思いつめるなよ。どーせ、アルディージャの奴らに光のルーンを持ちかえる実力なんてないんだ。ゴルガルドに着いたら息抜きに飲みに行くか」ミノルが言った。
「玄関に転がってた村長の首あっただろ?あれと目があっちゃてそれ以降酒なんて飲む気がしない。これだからあの追いはぎの親玉のような利己主義者の悪人は許しがたい」パンゾーが言った。
「だから飲みに行くんだよ。あの惨状を見れば誰だって気分が悪くなる。それを忘れさせるのが酒だ」ミノルが言った。
ゴルガルドに着いた3人は三ツ星宿の「ワガナジ王子の宿」のエコノミールームに泊まることにした。タダナリは地図を広げるとゴルガルドでの聞きこみで西に向かったとされるオレンジマントの一団――恐らくはアルディージャの戦士たちが現在何処にいるのか想像した。運が悪ければネゴバ、運が良ければ今だにワザヅミで立ち往生といったところだ。
「おーい、タダナリ、これからバーで飲むぞ」ミノルが言った。
「三ツ星宿のバーなんかで飲んだら破産するぞ。どこか大衆的な酒場を見つけてから飲みに行け」タダナリが言った。
「あいよ。ワガナジの街道筋に冒険者が集まる「ヨウロウ・フォール」がある。そこに行こう。ミノルの高すぎるテンションに煽られて、タダナリとパンゾーはミノルについて行った。
一行は村の惨劇を忘れんとばかりに飲んだ。そして、宿に着くと倒れこむようにしてベッドの上に転がった。明日からはアルディージャを追う旅が始まる。
翌日、一行はワザヅミに到着した。近江屋インがあったので、一行はあえてそこに泊まることにした近江屋インの向かいにはヨウロウ・フォールがある。ワザヅミのヨウロウ・フォールに入るとオレンジ色のマントを着けた一団が暗い表情で酒を煽っていた。ミノルはパンゾーに止められたにも関わらず、オレンジ色のマントの一団に近づいて行った。ミノルはレイソルの太陽騎士団の格好をしていた。場は一触即発の雰囲気になった。(つづく)