ナイツ・オブ・ダークネス(シーズン1)第88話 | Gangbear Official Blog

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第88話 Dybbuk

「ヴァンパイアは全滅か。でかい口叩いていた割には役立たずだったな」イハラは執務室で突然消えた副官の事に思いをめぐらせた。
「さて、次はお前の番だよ、ディバック」悪魔と悪霊が暮らす魔界の中でも「火炎地獄」と呼ばれている所から召喚したユダヤの悪霊の名を呼んだ。ディバックは生前に律法を守らなかったために火炎地獄に繋がれている悪霊で、地上に放たれると優秀で無傷の肉体を選んで憑依する。

イハラはあらかじめ、ディバックに奉げる肉体を選んでいた。選ばれた肉体は大隊長でありながら作戦の直前にインフルエンザにかかり、任務遂行が出来なくなって戒告処分を受けたヒラセ・チェルニー武装SS中佐だった。

ルシファーの強力な冷気の呪文で冷凍され、すっかり冷たくなった肉体にディバックが憑依するとその肉体は炎に包まれ解凍された。

「さて、俺はこの男の肉体を使って何をすればいい?」ヒラセに取り憑いたディバックがいった。
「まずはこの世界に馴れて欲しい。それから標的は指定する」イハラが言った。
「命令は1回きりだ。後はこの肉体が破滅するまでヤリたいようにヤルまでだ」ディバックが言った。イハラは久々に手ごたえを感じた。

「今日は安息日か……では、仕事をするとしよう」ディバックはヒラセの肉体を完全に操り、まずは人の道から外れた外道のチンピラを池袋で殺す事にした。チンピラの縄張りを武装SSの中佐が犯した。チンピラたちが訝しげな目でディバックを見る。ディバックはニヤリと笑った。

「何がおかしいんだよ、おっさん!てめぇ、どう言う立場なのか理解しろよゴルァ!」チンピラのリーダーがディバックに食ってかかる。ディバックは激しい炎の呪文を静かに唱えた。

次の瞬間、食ってかかったチンピラは燃え上がり、骨さえ焼き尽くされ、灰になった。

「救われたければ俺の下僕となるか、あの神の名を叫びながら死ね」ディバックが言った。(つづく)