皆さんこんにちは。
弁護士の市川一樹です。
社員が残業すると、使用者は「割増賃金」を支払わなければなりません。
割増賃金とは、残業代を支払い場合に、一定の割合を増額した賃金を支払うものです。いわゆる、残業代と呼ばれているものですね。
今日は、「割増賃金の計算方法」について、お話させていただきます。
① 割増賃金の割増率
割増賃金は、1時間あたりの賃金単価に、以下の割増率を掛け合わせて算出します。
では、1時間あたりの賃金単価は、どのように算出するのでしょうか。
これ、間違えている会社がかなり多いです。
② 割増賃金の基礎となる賃金から除外される賃金
まず、対象となる賃金は、総支給額(1か月あたり)から、以下の手当等を除外した賃金です。
以下の手当等以外の賃金は、全て対象としなければなりません。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 住宅手当
- 子女教育手当
⇒同一時間の時間外労働に対する割増賃金額が、労働の内容や量とは無関係な労働者の個人的事情で変わってくるのはおかしいとの考え方から、除外することとされています。
ただし、家族手当や通勤手当と称されていても、扶養家族の有無・数や通勤費用額などの個人的事情を度外視して一律の額で支給されている場合には、除外することができません。
- 臨時に支払われた賃金
⇒臨時的・突発的事由に基づいて支払われたもの、及び支給条件は予め確定しているが、支給条件の発生が不確定であり、かつ非常に稀に発生するものがこれに当たります。
結婚手当や見舞金が、これに該当します。
これは、通常の労働時間又は労働日の賃金でないため、除外することとされています。
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
⇒賞与や、1か月を超える勤続手当を指します。
- 割増賃金に充てる趣旨で支払われる賃金
⇒残業手当、休日手当、深夜手当等を指します。
③ 所定労働時間の算出
次に、1か月あたりの所定労働時間数を算出します。
計算式は、以下のとおりです。
④ 1時間あたりの賃金単価
そして、「対象となる賃金」を、「1か月あたりの所定労働時間数」で割ると「1時間あたりの賃金単価」が算出できます。
⑤ まとめ
いかがでしたでしょうか。
割増賃金、ちゃんと計算できているか、見直してみてください。
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