小説は、『赤と青のガウン』、『をんごく』、『PRIZE』がよかった。『おひとりさま日和~』は読む人やタイミングによって評価が分かれると思う。
小説以外は、『世界でいちばん素敵な微生物の教室』、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』がよかった。『ヘタレ人類学者、沙漠をゆく』は社会学の研究の進め方にふれられた。
【小説系】
評判通り、品とユーモアのある作品だった。くせのない綺麗な文章で読みやすかった。私もこういう文章を書きたい。
6人の作家の作品が1話ずつ入った短編集。どの作品もよかった。「アンジェがくれたもの」は涙、「セッション」は私もドラムに挑戦してみようかなと思った。1巻も読みたい。
『骨を喰む〜』とは違った世界観だった。怪談ではあるが、ファンタジー要素がありストーリーがある。古い言葉や方言でじっくり読ますので小説の世界に吸い込まれる。
天羽カイン(作家)の狂気ぶりがよかった。
「小説は、描写しすぎてはいけない。読者を信じて読者に想像させることが重要。」ということが書かれていた。作家が作った世界を完成させながら読んでいくことが、読書の醍醐味だと思う。
『深淵のテレパス』の続編。貞子系?私は『深淵の~』のほうが好き。
【それ以外】
巷で聞いたことがある話が多かったが、本人にインタビューをして書き起こしたものだからだろう、生々しさがあった。
どのページにも美しい写真が掲載されており、魅せられる。同シリーズの他の作品も順番に借りて読もうと思う。
普通に社会生活を行っている人であれば、当たり前のことが書かれている。ただ、健康な時にはできることが、体調が悪くなると余裕がなくなってできなくなる。そこを医師やスタッフに理解して対応してほしいと思うのは無理なことだろうか。
社会学者の筆者がインドのフィールドワークで経験した異文化コミュニケーションをエッセイにした作品。多様性を認め合うということがどういうことなのか、筆者の経験のお裾分けをしてもらった。大学で一般教養の授業をしていた社会学の先生(30~40代)も、このようなフィールドワークをしたのかなぁー(そうはみえない)。
「嫌われる勇気」のライターの作品。
文章を映像に例えて説明しているのは説得力があった。具体例を挙げながらの説明や、起転承結のすすめはに共感した。
村山里香さんの小説「PRIZE」もそうだが、文を書く仕事、それを商品にする仕事というのは大変だと思った。好きだけでは仕事にはならない。