イタリアの富裕層の週末
PITTI UOMOが終わった金曜日に、フィレンツェと同じトスカーナ州のリゾート地 FORTE DEI MARMIに行ってきました。
FORTE DEI MARMIは高級別荘地で、自分が取引しているイタリアのブランドのオーナーたちもここに別荘を持つ人が多く、
春から秋にかけて、週末は毎週ここで過ごすという人も多いです。
小さい街ながら、メゾン系ブランドからセレクトショップまで多くの店があることも聞いていたので、以前から一度来てみたかった街でした。
FORTE DEI MARMIは、近くの山から採れる大理石をこの街に集め、港から各地に運んだことで栄えた街とのこと。
もともとは沼地でしたが、ムッソリーニが首相だった時代に埋め立てをして開拓したのが別荘地としての始まりのようです。
ちゃんとイタリアの人から聞いたことを覚えています。
ネットで検索してもヒットしないので、しっかり学習しないとダメですね。
訪れた土地の歴史や文化に触れるということが大事で、彼らが説明してくれることはしっかり聞かなければなりません。
宿泊したホテルは、あのGIANNI AGNELLIの別荘だったというホテル。
クラシックスタイルで静かでとても良いホテルでした。
ホテルにチェックインして、今回一緒に週末を過ごしたイタリアのサプライヤーの社長の別荘へ。
ポルシェGT3と1958年製のFIAT600カブリオレ、クラシックベスパ、そしてちょっとボロい普通の自転車・・・
どこかの国の成金とは全く違う趣味の良さです。
改装中の別荘の中もすべて見せてもらいましたが、ところどころにアートをちりばめた趣味のいい空間でした。
少し遅めのランチは、彼がメンバーになっているビーチクラブのレストランで。
日本風に言えば会員制海の家という感じでしょうか・・・
ビーチクラブはレストランだけでなく、オーナーだけが入れるビーチサイドにプライベートキャビンという専用スペースがあります。
プライベートキャビンはパラソルではなく、布の屋根がついていて専用のチェアとベッドがセットされたプライベートスペースです。
ようは、会員となってこのスペースの権利を買うんです。
なにもかもレベルが違いすぎて驚くばかり。
ランチの後は、彼が所有するプライベートキャビンでゆっくりしました。
夕食は彼らが行きつけの海辺のレストラン RISTRANTE GILDAへ。
前菜少しと薄くてクリスピーで軽いピザとパスタだけにしたのですが、彼らが食べていたアラゴスタ アッラ カタラーナ(伊勢海老のサラダ)を見ていたら食べたくなり、結局いつものように食べ過ぎました(苦笑)
料理の写真撮っている人なんて誰もいないので、料理の画像は少なめです・・・
街中の移動はFIAT600カブリオレで。
彼の祖父から受け継いでいるというこの車は、完ぺきにレストアされた極上の個体です。
お金持ちの街なので高級車もたくさん走っていますが、誰もが振り向くのでどんな高級車より一番目立っていました。
ちなみに、彼は社用車でBMWのM6に乗り、趣味でポルシェ356スピードスターも所有しています。
庶民の私には、もうなにがなんだかわかりません(笑)。
翌日はホテルで朝食を食べてから街をリサーチ。
小さい街なので、どんなにお金持ちでも移動は徒歩か自転車が基本です。
メゾン系のブランドからBEAMSでも取り扱いのあるブランドや有名なセレクトショップまであります。
これらのお店はほんの一部。
別荘にたくさん服を持ち込まない富裕層たちは、現地で服を買って別荘に置いておくようです。
高級なホテルに宿泊している観光客も服は現地調達のようで・・・
レベルが違いますね。
HORTE DEI MARMIで一番高級なホテル”PRINCIPE”のDRUMOHRのディスプレイ。
SPAに行くエントランスの一番いい場所の壁面にディスプレイされています。
最高級ホテルなので宣伝効果は抜群ですね。
宿泊者の気分だけ味わいたいのでお茶だけしました(笑)。
エスプレッソ1杯千数百円・・・
円安もありますが、もはや金銭感覚がおかしくなります。
ランチはPRINCIPEのビーチクラブで。
クッションカバーもビーチタオルもすべてDRUMOHR。
このホテル、トップシーズンは1泊30万円からで最低でも4泊しないと予約できないそうです・・・
ということは、最低120万円払わないと泊まれないということ・・・
そのホテルのビーチクラブのクッションとビーチタオルがすべてDRUMOHRということなんです。
このビスコッティ柄のビーチタオル欲しい・・・
どこで使うの?ということですね(笑)。
ランチは夜に備えて軽めのボンゴレで。
★★★★★Lのホテルのパスタですから、美味しいのは言うまでもありません。
リサーチの後、夕飯まで時間があったのでこの日もビーチクラブへ。
土曜日はこの時期でも人が多いと聞いていましたが、意外と混雑もなくゆったりとした感じでした。
FORTE DEI MARMIの海は正直それほど綺麗ではありません。
砂が少し黒いので、波が立つと砂が舞い透明度がなくなります。
新潟の海と同じ感じです。
カラフルな水着はイタリアのリゾートのマストアイテム。
最低でも1週間分の水着はリゾートに持ってくるそうです。
なので、同じ水着を二日連続ではいたり、色が褪せたような古い水着をはいている人は誰もいません。
ヨーロッパの水着のマーケットがとても大きいのは、日本とは全く違う文化によるところが大きいですね。
日本人のような丈の長い水着やブカブカの水着はいた人も全くいません。
今回招待してくれたDRUMOHRの社長のミケーレと2ショット。
二人とも長袖のリネンシャツ。
乾燥しているイタリアの夏は、海辺でも麻のロングスリーブです。
夕食前にFORTE DEI MARMIの丘の上にある街 PIETRASANTAをリサーチ。
ピエトラサンタは庶民的なお店やアートギャラリーが多く、海辺の街とは違った趣があります。
カジュアルなレストランやカフェも多く、とても活気のある街です。
夕飯はピエトラサンタにあるレストラン”GIACOMO PIETRASANTA”
ミラノの有名店 ”DA GIACOMO” の支店のようですが、実は私DA GIACOMOがあまり好きではないんです・・・
理由は味付けが濃くて重いので、数回行ったことはあるのですが、美味しいと思ったことが一度もなく、正直ジャコモか・・・と思ったのですが、ミラノとは全く違う軽くて上品なとても美味しい料理でした。
ミケーレが連れて行ってくれたレストランで、ハズレだったことは今まで一度もないんです。
食後はFORTE DEI MARMIで一番美味しいというジェラート屋へ。
高級なレストランの食後にわざわざ庶民的なジェラート屋に連れて行くというのが、余裕のある人のホスピタリティですね。
FORTE DEI MARMIは小さな街なので、自転車の乗る人がとても多いです。
別荘を持っているお金持ちもホテルの宿泊者も基本は徒歩か自転車です。
自分もホテルで自転車を借りて、街中も海に行くのも自転車で移動していました。
イタリアの自転車なのでオシャレに見えますが、基本的には日本でいう ”ママチャリ” です(笑)。
このギャップが気張った感がなくてとてもいい感じなんです。
そして、自転車を適当に停めてカフェでくつろぐ。
ゆったりとしたユルい時間が流れます。
ミケーレは顔が広いので、色々なところで知り合いと会って声をかけられます。
まるでHORTE DEI MARMIの若き主ですね(笑)。
ミラノに移動する前にビーチクラブのレストランで軽く昼食。
日曜日はさすがに混んでいるので予約が必須。
メンバーでもピークの時間帯は予約が難しく、30分だけ席を用意してもらって軽く昼食をとってミラノに向かいました。
ずっと行ってみたかったHORTE DEI MARMI。
実は今回は一人で行こうと思っていました。
フィレンツェからの交通手段を調べるためにイタリアの取引先に色々聞いていたら、ここに別荘を持つDRUMOHRの社長のミケーレからお誘いがあり、一緒に週末を過ごすことになりました。
リサーチもレストランもリラックスタイムも完璧なオーガナイズで感謝するばかりです。
ここ数年春夏はリゾートスタイルの流れがあるので、リアルな富裕層のライフスタイルとリゾートスタイルを見ることができ、とても参考になりました。
日本にヨーロッパのリゾートスタイルをそのまま持ち込むのはなかなか難しいですが、休日の街着としてどのように落とし込んで提案していくかがポイントなのかなと、ここ数年思っています。
Tシャツ、短パン、ビーチサンダル、ここから変えていかないとですね・・・