ヨーロッパ出張レポート 3 | ELEMENTS OF STYLE

ヨーロッパ出張レポート 3


このところ急に暖かくなってきてきました。



いきなり気温20度って、何を着ていいか困りますよね。



この時期は厚手のニットを薄手にしたり、ジャケットも軽いものにしたり、オーバーコートをコットンのコートに変えたりと、色々工夫をしながら春に向かうという感じです。



秋冬モノであっても、春っぽい色づかいをするというのも大事ですね。

 

 

なんとなく春めいてきましたが、今回も1月のヨーロッパ出張のレポートです。

 

 

今回はアイテム&トピックス編です。







 

<OVER COAT>

カジュアル傾向なのでショートブルゾンやダウンに振れるかなと思いきや、逆にサプライヤーの打ち出しも来場者の着用もオーバーコートが増えていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最も多かったのがバルカラータイプのコート。

 


ここ数年ずっと継続しているモデルなので、そろそろ流れが変わるかなと思っていましたが、逆に増えている印象。


ゆったりしたフィットで長めの着丈というのが、もはや定番となっています。


テーラード系のコートも同じで、さすがにフィッティングがゆったりというものはないですが(タイトフィットもありません)、着丈は長めが主流です。


オーバーコートと言っても、昔のようなずっしりとした重い生地を使ったものはほとんどありません。


重そうに見える生地でも、実際は軽くリラックスして着られるものがほとんどです。

 

 

生地のウエイトで言えば、400g/m~500g/mくらいが主流になっています。

 

 

温暖化で防寒目的のオーバーコートの需要が世界的に少なくなっているのは間違いないですが、クラシックなスタイルが好きな人たちは、私も含めてやはり冬はオーバーコートが着たいもの。


そうであれば、生地も仕立ても軽くして、温暖化に対応したオーバーコートを着るというのは、自然な流れであると思います。

 

 

自分より上の世代の方々には、1㎏/m以上の生地でないと男が着るオーバーコートがではないという方もいらっしゃいますが、正直いまの様々な生活環境を考えると・・・・ですね。

 

 

 





<STRIPE SUITS>

春夏の傾向でも少し触れましたが、ストライプのスーツが少し戻って来ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いわゆるビジネスで着るような、定番的なスーツの新しい流れはありません。

 

 

世界的にビジネススーツの需要が減り、生地も定番の色柄を毎シーズン揃えておけばいいというサプライヤーがほとんどなので、生地コレクションもコロナ前の半分か少ないところでは三分の一になっているのが実情です。

 

 

悪い言い方をすれば、明らかにそこにサプライヤーの力が入っていないということでしょうか。

 

 

そんな状況の中、今回はストライプの提案が春夏よりもさらに増えていました。

 

 

ストライプのスーツと言ってもビジネス向けのものではなく、幅広であったりベースが色モノであったり、カラーストタイプであったり、ネクタイをせずにスカーフと合わせたりと、スーツ好きの人が楽しんで着るような提案がほとんどでした。

 

 

ストライプ以外ではグレンプレイドのスーツが多かった印象です。


ビジネスマンの方々が着るスーツは、BEAMS FとBRILLAのオリジナルでしっかり展開しているので、来秋冬もご期待ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

<FIREMAN COAT>

自分の世代だとファイヤーマンコートと言えばFAYなんです。

80年代から90年代に大流行して、BEAMSのカジュアルでも展開していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2000年代以降は、リブランディングしてラグジュアリーなトータルブランドに変わりましたが、2019年からFAY ARCHIVEというラインを作り、今回のPITTIではリブランディングする以前のファイヤーマンコートのコレクションをブースで展開していました。


自分が1989年に初めてイタリアに行った時から今までに様々なカジュアルアウターが流行しましたが、その中でもFAYのファーヤーマンコートは大ヒットした代表的なアイテムのひとつ。


今回もブースの中は歩けないくらいの人で溢れ、イタリアでのFAYの人気ぶりがうかがえました。

 

 

ファイヤーマンコートがトレンドと言うことではないですが、今回のFAY ARCHIVEの注目度が非常に高かったので、トピックスとしてお伝えします。

 

 

ちなみに、ファイヤーマンコートは80年代から90年代、パリでもセレクトショップでも扱われていたので、今風に言えばパリっぽいアイテムと言うことにもなるのかな・・・

 

 

 

 

 

 

 

<TURTLE NECK>

ヨーロッパも暖冬でしたが、タートルネックの打ち出しは変わらず多かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本と同様にヨーロッパも暖冬で、12月はイタリアで25度という日もあったようで、タートルネックのセールスは今一つだったという声も聞かれましたが、そんなことは全く関係ないかのようにタートルネックの打ち出しが多く見らえれました。

 

 

一月に入ってから気温も下がったということもあり、PITTIの会場でもタートルネックを着た業界人はかなり多かったです。

 

 

ドレスはリラックス感あるスタイルの流れがあるので、そういったスタイルが表現しやすいタートルネックが継続して打ち出されるのは自然な流れであると思います。

 

 

ただ、今年のような暖冬だとタートルネックを着る期間がかなり短くなるので、そうなると、来年も暖冬になるのであれば、タートルネックよりハイネックの方が汎用性はあるのかなとも思います。


流れだけでなく、環境の変化に対応していくことも大事だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

<PATTERNED KNIT>

様々な柄のニットが多く見られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケーブル、アーガイル、ボーダー、ヘリンボーン、幾何学柄、その他諸々。

 

 

今回は柄のニットが本当に多く見られました。


ケーブルのニットは個人的に好きでよく着ていますが、実はアーガイルやボーダーも好きです。


今日もボーダーのニット着てブログ書いています(笑)。

 

 

カジュアルウェアの中ではニットがトレンドであることは間違いないので、柄のバリエーションが多く出てくるのは必然的な流れなのかなと思います。


個人的にアーガイルのカーディガンが着たい気分ですが、なかなかいいものが見つかりません。


ならば作るしかないかなと、あるニットブランドに企画だけ投げました。

 

 

なかなか難しい注文なので、できるかなと・・・


 

 

 


 

<BRITISH PATTERN>

英国調の柄は引き続きとても多かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう何年続いているかと思うほどですが、来秋冬も英国調の柄の流れが継続しています。

 

 

小さい柄は少なく、大柄のものが増えていて、かなり大柄のものも見られます。


いわゆるイタリアらしい多色づかいのカラフルな柄は少なく、差し色にトレンドカラーを用いたものが多い印象。


ツイードに見えても軽く柔らかい生地が主流なのは、コートの生地のウェイトと同じ話です。


個人的には大好きな柄なので、毎年新しい色柄が出てくるのは大歓迎です(笑)。


 

 

 

 

 

3回にわたり1月のヨーロッパ出張の報告を書きました。


これ以外にも色々細かい流れはありますが、大枠の流れはお伝え出来たかなと思います。


基本的に大きな流れの変化はなく、突飛な新しいモノも出てきていません。

 

 

その分小さな変化は色々あるので、それについては中村ノートでお伝えできればと思います。


正直これはどうなのかな・・・と言うものが流行ったりもしていますが、それについてはスルーするしかないかと・・・


嘘と忖度は苦手です(笑)。